スケジュール管理
村本さつきはごく普通の秘書である。毎日社長の言葉に頷き、毎日スケジュール管理をする、齢28の秘書である。今日も今日とて、会議の後、行きつけのコンビニで除菌シートと収入印紙を買って会社に戻ろうとしていた―――のだが。
キキイッ!!キキキィィィィイイイイイイイイイ!!!
ドガ――――――――――――ん!!ぐわしゃぁああ!!ぶちゅ。
真っ白な空間。村本さつきの魂と、女神が対面している。
「村本さつきさん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます。」
「はい。」
「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」
村本さつき(28)
レベル14
称号:転生者
保有スキル:スケジュール管理
HP:12
MP:18
「というわけで、いきなり草原に放り出されてしまいましたが…。」
べよん、べよん。
水色の、ぶよぶよした丸い塊が秘書の前に現れた!
「あ、スライムですね…武器も何もないんですが、困りました。」
うろたえる、秘書。
「あ、保有スキル使ってみましょう、スケジュール管理…ですか。」
スライムは、今にも襲い掛かろうとしている!
「スライムさんは、今から五分ほどこの場で待機して、周りを確認して危険性がなければこのまま自爆してください。」
スライムはこの場から動けなくなった!その隙に秘書は逃げ出した!しばらく草原を歩いていると、どこかで豪快な爆発音がした。
てれれてっててーーー!!!レベルが上がった!秘書はレベルが18になった!
「レベルが上がったみたいですが、どうしろというんでしょうか。町はどこかにありませんかね。」
秘書は草原をくまなく歩いた。しかし、なかなか町を見つけることができない。疲れ切って岩場で休んでいたところをグールに見つかり、恐ろしさのあまり気絶した秘書はその場で食われてしまった。
「う、うーん???なんか夢でも見ていたような??」
秘書は時間を巻き戻されて、コンビニ入り口前に立っていた。コンビニ前で立ち止まる前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが、それに気づく様子はない。
秘書はコンビニで除菌シートと収入印紙を買って会社に向かった。近くの交差点で、車の暴走事故が発生していた。
「もう少し早く通りかかっていたら事故でした、気を付けないといけませんね。」
秘書は、社長のスケジュールをばっちり管理し続け会社の縁の下の力持ち的役割を果たしたあと家庭に入り、旦那の管理にも余念がなかったのですが子供が生まれてからそんなことをしている暇がなくなってしまい、わりとずさんな生活を送るようになったのち80歳でこの世を去ったということです。




