箸が転んでも可笑しい年頃
持田唯はごく普通の女子である。毎日ツギッターでかわいいことを呟き、毎日チョコレートを食べる、齢15の女子である。今日も今日とて、枝毛をカットした後、行きつけのコンビニでホワイトチョコレートと制汗スプレーを買って家路についていた―――のだが。
キッ!!キッイィイイイイイイイイイイイイ!!!
ドガ――――――――――――ん!!ぐわしゃぁああ!!ぶちゅ。
真っ白な空間。持田唯の魂と、女神が対面している。
「持田唯さん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます。」
「はあ。」
「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」
持田唯(15)
レベル5
称号:転生者
保有スキル:箸が転んでも可笑しい年頃
HP:6
MP:10
「というわけで、いきなり草原に放り出すとか、ちょーウケるwww」
べよん、べよん。
水色の、ぶよぶよした丸い塊が細かい人の前に現れた!
「ちょwwwスライムwww武器も何もないのにwwwウケるwww」
うろたえない、女子。
「ああwww保有スキルねwww試してみよwww何これ、読めねんだけど?ウチめっちゃ頭悪ーいwww」
スライムは、とまどっている!
「ちょが…?てんでも…?かしょうし?としごろwww何これwww」
スライムはなんだかとっても、ダメージを受けた!
「あーツマンね。こんなんちっともチートじゃねえし。家帰って『ぼーっとナイツ』やりてえな…。」
笑わない女子を見て、スライムは我に返った!後ろを向いて歩きだした女子を、スライムは一飲みにした。スライムは少しだけ、知力が下がったようだが、特に問題はなかったようだ。
「う、うーん???なんか夢でも見ていたような??」
女子は時間を巻き戻されて、コンビニ入り口前に立っていた。コンビニ前で立ち止まった前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが、それに気づく様子はない。
女子はコンビニでホワイトチョコレートと制汗スプレーを買って家路についた。家の近くの交差点で、車の暴走事故が発生していた。
「げw、も少し早く通ってたらやばみ?マジ怖えwww身近な危険?ウケる。」
女子は、高校受験の面接でうっかり自分のことをウチと言ってしまって危うく不合格になりかけたことを心底反省して言葉の教室に通い始め、のちに美しい日本語を話す人ベスト3に入るほどの名声を得ましたが、78歳を過ぎたころからおかしな言葉を発するようになってしまい、80歳でこの世を去る寸前最後に発したのは「マジ怖え」だったとのことです。




