表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆いきなり転生☆  作者: たかさば


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

162/174

翻訳


早川奈美恵はごく普通の翻訳家である。毎日英語の文章を読み、毎日誰にもまねのできないような心ときめく翻訳ができないか策を練る、齢58の翻訳家である。今日も今日とて、自分の解釈ですすめた翻訳に出版社から抗議が入ったことをひとしきり憤慨した後、行きつけのコンビニでスイートポテトと芋羊羹を買って帰路につこうとしていた―――のだが。


ギュキギッ!!ギュウキギュ―!!!


ドガ――――――――――――ん!!ぐわしゃぁああ!!ぶちゅ。



真っ白な空間。早川奈美恵の魂と、女神が対面している。


「早川奈美恵さん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます。」

「はあ。」


「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」



早川奈美恵(58)


レベル55


称号:転生者


保有スキル:翻訳


HP:6

MP:88



「というわけで、いきなり草原に放り出されるんだ、この年で…。」


べよん、べよん。

水色の、ぶよぶよした丸い塊が翻訳家の前に現れた!


「ひいいいいいっ!!!スライム出た、出たよ!!ちょっとまって!」


うろたえる、翻訳家。。


「あっ、保有スキル!!試したらどうかなるんじゃない?翻訳?!ええと、こんにちは!!」


―――こんにちは。


「食べないでください、私は食べられません。」


―――食べないでおきます。


「ありがとうございます、では失礼します。」


―――まるのみしますね。


スライムは翻訳家を丸のみした。





「う、うーん???なんか夢でも見ていたような??」


翻訳家は時間を巻き戻されて、コンビニ入り口前に立っていた。コンビニ前で立ち止まった前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが、それに気づく様子はない。


翻訳家は行きつけのコンビニでスイートポテトと芋羊羹を買って店に戻ろうとしていた。店の近くの交差点で、車の暴走事故が発生していた。


「もうすこし早く通りかかってたらひかれてたよ…もうじき長編小説の翻訳終わるのに完成しなくなるとこだった…こわ。」


翻訳家は、少々ごり押し感のある翻訳がぼちぼち取り上げられてたまに炎上することもあったのですがその勢いのある訳しっぷりのファンも多く、生涯を通して幅広い分野で英語作品を独特の日本語の言葉に直し続け、76歳でこの世を去ったということです。


なお、生涯に訳した本数は物語、映画、ゲーム、すべて合わせて2000本を越えたとのことです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 162/162 ・ガチな人じゃないですか。2000本。すごそう [気になる点] スイートポテト、芋羊羹、芋ですね。芋。ヨダレが出ました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ