9 1日の終わりに
「今日はお疲れ様~。」
そういってワタシは扉を開けた。
セバスが出迎えてくれる。
「お帰りなさいませ、お嬢様。」
「ただいま。夕食までまだ時間があるから、ここでみんな解散ね。」
みんなと別れて、自室に戻った。
部屋に入ると、精霊が沢山集まっていて、先ほどあげたトランプをやっている。
ババ抜きしか教えてないはずなのに、大富豪やポーカーをやっている精霊達もいる。
ディーネ、ムー、ファイ、シルフィが、机を囲んでポーカーをやっていた。
「貴方達、何でポーカーを知ってるの?」
「アンズに教えてもらいました。」
ディーネが答える。アンズって、意外と物知りなんだよね。
精霊たちが、楽しそうにしているので、ワタシはできるだけ沢山の精霊にいき渡るように、トランプを追加で100セット召喚して、精霊に渡す。
「他の精霊たちに、渡してあげて。」
「アリガト」
ムーが代表して受けとる。
それから、ディーネたちとトランプを楽しんでいると、セバスがやって来た。
「食事の用意が出来ました。」
「うん、わかった。」
セバスの後を、トコトコと歩く。
キッチンに入ると、レフィとエレナが話をしている。
「これは、今日の戦利品ね。」
そういって、魔法袋を開けようとする。
「ここではなくて、食料庫でお願いします。」
「あっ、そうだよね。了解。」
二人は食料庫のほうに、歩いて行った。
ライとベイスはすでにイスに座って、ワインを飲んでくつろいでいる。
シズクもやって来る。レフィとエレナが、戻って来てイスに座る。
今日はナポリタンだね。
「それじゃ、いただきます。」
ワタシが天界で、アースの料理を楽しんでいたのを知っていて、エレナは研究してくれているみたいだ。
「ごちそうさま。エレナ、とても美味しいかったよ。」
「ありがとうございます。お嬢様、明日の夕食は、いのししと熊の肉を使って、お庭でバーベキューをしましょう。」
「それは、楽しみだね。」
しばらくワインを飲みながら、みんなと談話してから、
「そろそろ、お風呂に入るか。レフィとシズクはどうする?」
「Ok~」
「ご一緒します。」
3人でお風呂に向かう。今日は内緒で、シズクの
身体のチェックをしないとね。フフン。
脱衣所で服を脱いで、中に入る。
自分で洗おうと、石鹸を手に取る。
「姫様お身体をお洗いします。」
シズクに、身体の隅々まで洗ってもらう。お返しに、
「じゃあ背中を洗ってあげよう。」
そういってワタシは洗いながら、身体をチェックする。 シズクは、胸が大きいのに痩せ型で、理想的なスタイルなんだよね。腰まである黒髪がキレイだ。下の毛もしっかり黒と確認する。
3人でお湯につかると、ディーネもちゃっかり現れて一緒に女子トークを、のぼせるまでしてからあがった。
脱衣所に寝間着と野菜ジュースが、いつの間にか、用意されていたので、グイっと飲みほした。
「それじゃ眠くなったので、このまま解散~。おやすみ~。」
そういってワタシは自室に戻る。昨日より多くの精霊たちが、集まってトランプを楽しんでいた。
ワタシの部屋は、精霊たちの憩いの場になってるね。いつの間に、さっき別れたディーネまでいるし。こんなに精霊たちがゲーム好きだったとは知らなかったよ。しかも、意外と好奇心が旺盛なんだよね。
精霊たちは、長い時間生きていて、刺激が少ないからだろうね。もっともっと精霊たちに、色んなことを体験させてあげよう。とりあえず、今度はトランプ以外の物を出してみようかな。
本当は眠かったけど、少し精霊達のトランプに付き合っていると、いつの間にか眠っていた。