63 新たな住民
次の日の朝食後、昨日あらかじめ呼んでおいた、ベイスとエジャ神父、それにルクロイが屋敷の庭へやって来た。
「それじゃ、村人達を連れてくるから、ベイスとエジャ神父は居住区の案内で、ルクロイは彼らの家畜を、農業区の家畜場に連れていってくれるかな?」
「はい。アカリさん。案内は任せてください。」
エジャ神父が答える。
「家畜の方は私に任せといてください。」
ルクロイも答える。
「それじゃ行ってくるから、夜は歓迎会だね。」
シズクとチワワ村のマーキングポイントへ転移した。
村の中へ入ると、昨日の村長が言った通り、村人全員が村の中央の広場に、それぞれ全ての荷物と思われる物を持って集まっていた。
「結構沢山の家畜がいるね。みんなおはよー。ゴルデン村長、準備は出来てるかい。」
「アカリさん、おはようございます。待っている間、みんなに確認をとりましたので、準備は出来ています。そしてこの村とのお別れも済ませました。」
ゴルデンは覚悟を決めたかのように言う。
「そう。それじゃあみんな、転移するから目をつぶって、その場にじっとしていてくれるかな?」
ワタシはみんなにそう言って、シズクに合図する。
シズクは村人が目をつぶるのを確認すると、転移魔法を発動する。村人達とそこにある全ての物が、オリンピアの屋敷の庭へテレポートした。
「はい。みんなー、目を開けて良いよー。」
村人達はワタシの声で恐る恐る目を開けると、全く別の場所に来たことに驚いて固まっている。
「ここがワタシ達の作った街、オリンピアだよ。そしてあの建物が、ワタシの住むお屋敷だね。」
村人達は何も言わず黙って聞いている。
「簡単に自己紹介するね。この2人がこれから、貴方達が住む家を案内してくれる、ベイスとエジャ神父だよ。そしてこっちが、貴方達の家畜を家畜場に移動させてくれる、ルクロイね。各々質問は、この人達に聞いてちょうだい。」
それぞれ軽く会釈している。
「それじゃ、シズク。みんなを居住区に運んでくれる。家畜の方はルクロイと家畜場にお願いね。」
「かしこまりました。では、」
最初に、ベイスと神父、村人達と荷物が消える。
「ルクロイ、結構な数の牛や鶏がいるけど、家畜場に入るの?」
「ベイスさんがこれからも増えるだろうと、凄く大きな建物にしたので大丈夫ですよ。」
流石ベイスだね。ルクロイと話していると、シズクが戻って来た。
「次は家畜ですね。」
「じゃあシズク、彼らの事は、全て任せるからお願いね。」
ワタシのスキル全て任せるが発動した。
「お任せください。では、ルクロイ行きますよ。」
そう言うと、家畜と一緒にいなくなった。
みんなに後の事を全てを任せて、ワタシはまったりする。まあ、いつものもふもふだね。
そして、夕方までゼロ達と過ごしていると、セバスとエレナが歓迎会の為に屋敷から出て来て、準備を始める。
やっぱり最初はバーベキューとお酒みたいだね。大量の肉と野菜がテーブルの上に置かれていく。また、酒の入った大きな樽が10樽も用意される。
「犬人族はお肉と甘い物が好きみたいだから、ワタシは何か甘い物を提供するよ。」
エレナに確認する。
「オリンピアでも、砂糖が生産され始めたので、私がジュース類を作って、用意しました。」
早速、エレナはオリンピアで生産された砂糖を使ってるんだね。
「今度、卵に乳製品、あと蜂蜜もとれるから、甘い物をじゃんじゃん作ってよ。」
「私も話は聞いてます。これからは甘い物も、沢山作っていきますね。」
エレナがやる気があるみたいで良かったよ。
ワタシは大量のケーキをホールで召喚して、机に並べておいた。
準備が終わる頃、シズクがチワワ村の50人を連れて来た。いつの間にか、人魚族のマリンが他の人魚を連れて、魚を土産にやって来ている。
「新しい住民の歓迎会と聞いてな。」
確実に酒目当てのマリンは、沢山の魚の土産をエレナに渡している。
そして街の住民、ドンガも含めて全ての住民が屋敷の庭へ集まった。
「今度からは、こういう時の為に近くに宴会場を作ろうよ。」
「そうですね。屋敷の庭では、少ない人数の時は良いですが、多くなったら入りきらないですから。」
そしてワタシは、即席の壇上に登って、
「それじゃ、今からチワワ村の人達が、オリンピアの住民になったお祝いの歓迎会を始めます。みんな飲んで食べて楽しんでください。乾杯~。」
ワタシの挨拶で歓迎会は始まった。この後は子供達にお肉を焼いてあげたり、お酒を飲んだりして楽しんだ。
犬人族の好みは、やっぱりお肉と甘い物をだね。みんな野菜には目もくれず、普段は余り食べられないであろう、焼いたお肉とケーキばかり食べていたよ。
チワワ村の家族構成は、村長宅と同じで、お爺さんお婆さんに、息子夫婦、後は孫1人の5人家族、それが10組で50人だそうだ。
そんなことをゴルデンと、話をしたりして過ごし、歓迎会は終わりを迎えた。ワタシはまた、壇上に登る。
「それじゃ、これで歓迎会は終わるよ。解散。この後は自己責任でお願いね。」
そして、シズクにクリーンの魔法を掛けてもらい、ワタシは屋敷に入ると、当たり前のようにワタシの後ろを歩いてついてくるゼロ達と眠った。




