4 女神食事をする
(アカリ)
今回の気絶は1か月もかかって目が覚めた。天高く太陽が窓から射し込んでいる。今はもうお昼だね。
部屋にある鏡で自分の姿を確認すると、10才ぐらいに縮んでいる。それなのに胸があるということは、本当のロリ巨乳になってしまったよ。
「しばらくは無理な召喚は控えよう。特に天使召喚などの人物召喚は、信仰力を得るまではやめとくべきだね。」
今さら気がついたんだけど、お腹が空いている。この身体ってお腹減るんだ……。
「シズクいる~」
転移魔法でシズクが目の前に現れる。
「ようやくお目覚めですね。ずいぶんと、おかわいいお姿になられて。しばらく大きな力をお使いになるのは、お控えになられたほうがよろしいかと。」
「うん、そうする。ところでさ、この体ってお腹がすくみたいなのよ、何か食べさせてくれるかな?」
「承知しました。エレナとアンズに頼みます。」
そう言って、念話で指示を出した。
「エレナとアンズ、召喚に応じてくれたんだ。」
「はい、それだけではありません、全員で6名です。エレナとアンズ。他にはライにレフィ、執事のセバス、あとはベイスです。」
「6人も召喚したからこんな体になっちゃったんだね。みんなには頑張ってもらってワタシの密かな計画、[裏から世界を管理作戦]を進めてもらおう。」
シズクは黙って聞いている。おそらくいろいろ考えてくれているのだろう。
「姫様がお眠りになられている間に、ベイスと精霊たちがお屋敷を完成させました。しばらくは私達の拠点として使うとしましょう。他にベイスの希望で、酒製造蔵の建築も建て終わりました。」
ベイスは昔から酒が好きだったもんね。
とりあえずワタシたちは外に出る。今までのログハウスの家の隣に4倍くらいでかい立派な1階だてのお屋敷が出来ていた。
「おー、立派な屋敷だね。今までのログハウスは、使用人が使うことにしていいよ。他の建物も必要と思ったら、ベイスに任せてどんどん作っちゃってねシズク。」
「はい。」
そして新しい屋敷のキッチンに到着する。
「食事の用意が出来ました。どうぞお座りぐださい。」
キッチンには、エレナが待っていた。
「エレナ、ご苦労様。あと、こっちに来てくれてありがとう。」
「いえ。お嬢様におつかえするのが、私達メイドのつとめですので。」
エレナとアンズが作ったのだろう。アースの日の本の国の食べ物がテーブルに並べられている。
ワタシがイスに座ると、セバス、アンズ、エレナは使用人らしく、ささっと部屋の隅に移動して控える。
「それじゃあ、いただきます。」
まずお味噌汁をすする。
「もう味噌が作れるの?」
「いえ、召喚される時に各自道具袋に、いろいろ詰めてきた物です。メイドたちは調味料など日用品を持ってきたのでしょう。」
なるほどね。自分たちで作れるようになるまでは、これで大丈夫だね。米や野菜は、聖域のおかげで速く収穫出来るはずだから。
「ご馳走さま。さすがエレナとアンズが作ったものは美味しいね。」
「ありがとうございます。お嬢様。」
「アンズも来てくれてうれしいよ。」
「もちろんでございます。お嬢様。」
「セバスもありがとう。屋敷の事と留守の時の事は全て任せるよ。」
「礼にはおよびません。お屋敷のことは、全て私どもにお任せください。」
アンズとセバスにも挨拶も済ましたし、散歩がてら聖域内の探索でもしようかな。
「シズク、食後の散歩がてら聖域内の探索をしようと思うんだけど、どうかな?」
「姫様のお好きなようになさってください。」
「いや、みんな一生懸命働いているようだから、邪魔しちゃいけないかなと思って。」
「この聖域は姫様がお作りになったのですから、遠慮しなくてもよろしいのでは。」
そんなもんかね~、と思いながらイスから立ち上がり、屋敷の外へ向かって歩きだす。後ろからはシズクが黙ってついて来ている。