39 花妖精レベッカ
教会の外に出ると、外で待っていてくれたゼロが近寄って来る。
正直、真偽判定のスキルを選んでしまったので、無邪気な顔を向けてくるゼロがどこか後ろめたい。(ごめん。もう少しだけ待って。次は眷族召喚にするから。)と心のなかで誤った。
その後ゼロの上で、昼食のおにぎりをほおばりながら、農業区に移動した。
ここでも一応、働いているエルフ達を適当に声を掛けて、真偽判定のスキルを試すが白のまま反応せず、つまりエルフ達は、私に嘘をついてないし曖昧なことも言わないということだね。
彼らを試すようなまねをしたお詫びに、召喚したショートケーキを配った。この世界は甘味が少ないので甘さに驚き、そして喜ばれた。
そして、お花畑に見慣れない者達を発見した。大きさは30センチ位で4枚の羽根を背中に生やした男の子と女の子が花の周りを気持ち良さそうに飛んでいる。
とりあえず話掛けて見るかな。
「ワタシはアカリと言うんだけど、あなた達は誰なのか教えてくれるかな?」
そう質問すると、女の子の方が答えてくれた。
「わたしたちは、はなのようせいよ。わたしのなまえはれべっかってのいうのよ。」
名前があるのか。
「どこからきたの?」
「ここよ。このへんのおはなは、まなをおおくふくんでいるので、わたしたちがうまれたのよ。」
「マナが多く含まれる物は、妖精が生まれやすいのかな?」
―聞いたことがないな。―
ゼロは知らないみたいだね。もう少し、名持ちの妖精レベッカに質問することにする。
「それで、レベッカ達はどうしたいの?」
「わたしたちは、ここにすみたいわ。ここでうまれたんだしね。」
「うん。それは良いのだけど、レベッカは何が出来るの?」
「はなのことならまかせて。じゆうにさかせたり、からせたりできるのよ。」
それならばと、アースのいろんな花の種を召喚し、レベッカに渡す。
「この辺りなら、お花一面にして良いから、春までに色んな花を咲かせてくれるかな。」
「うん、いいよ。はるには、このあたりいちめんに、まなのたっぷりふくんだ、きれいなおはなをさかせるわ。」
レベッカは種を受け取り、青い髪をなびかせて、みんなの元に戻って行く。
―ちなみに妖精はめったに産まれないし、今みたいに無警戒で、他の者に姿を見せたりしないぞ。―
「そんな風には見えない位、人懐っこい感じだったけどね。確かに、あそこのエルフ達には見えてないみたいだね。」
―オレには、アカリの眷族だからか見えたな。―
「種族適正があるんじゃないかな。所で、ゼロ子達と子供達は今どうしてるの?」
―ゼロ子がイチとイチ子を狩りに連れていって、やり方を教えている。―
「危なくないの?」
―フェンリルに進化してから、オレもゼロ子も凄く強くなったから大丈夫だな。―
「そりゃそうか。神の眷族だしね。」
―しかし、イチとイチ子は生まれてから、もうすぐ1年経つんだが、身体がでかく成らないのが不思議なのだ。―
「それはフェンリルになって、寿命が伸びたからゆっくり成長してるんじゃないかな。」
私的には嬉しい。小さければ、いつまでも抱っこ出来るからね。
それからゼロに乗り、農業区からたまには訓練所にでも行ってみようと、足を運んでみる。
そこにはライとレフィにしごかれているエルフ達がいた。サーシャもワタシに気付かすに、一心不乱に訓練しているね。
ワタシが来たことにより、訓練は一時休憩になった。
エルフ達へ適当に話しかけて、真偽判定をしてみたが、やはり誰一人白からピンクにすら変わらず、ワタシは少し感動してしまったよ。
真偽判定を試してしまったので、みんなにショートケーキを配ったよ。みんな甘さに喜んでいたが、その中でもサーシャが一番喜んでいたね。
「ライ、レフィ、エルフ達はどのくらい成長したの?」
「どうもアカリ様。エルフ達はダークベアーを1人で倒せる位には成長したな。」
「魔法もなかなか上達が早いわね。元々魔法適正が高い種族なのだけど、何名か、中級魔法を唱えられる様になったわ。」
これ以上は訓練の邪魔をしない様に退散する。
そして最後はやっぱり、子供達のところへ行くよ。そろそろ、おやつの時間だしちょうど良いもんね。
ゼロに乗り、再び孤児院へ向かった。引っ越しの真っ最中で、みんな忙しそうにしていた。子供達は今まで住んでいた所から、生活用品を運んでいる。
ワタシも、もちろん途中から手伝ったよ。そして引っ越しが一段落してから、子供達を孤児院の食堂に集める。アンズにお皿とスプーンを用意してもらい、みんなにおやつのショートケーキを配った。
年長組が、年少組をそれぞれ面倒を見ている。子供達は目の前にケーキが並ぶと、いただきますをしてから食べ始めた。初めての食感何だろう。みんな一心不乱に次から次へとスプーンでケーキを口に運んでいる。
「アカリねえ、おかわり。」
遠慮のないのはアーシェ。まあ予想通りだね。
「じゃあ、今日は新築祝いで特別だよ。」
「ティナもほしい。」
クリームを口の回りにべっとりつけている顔で、ティナがねだってくる。再びショートケーキを召喚して、アーシェとティナに渡す。
その後、子供達全員にシスターロミまで、ちゃっかりお代わりして、ショートケーキをもう1つ食べた。
「それじゃそろそろお暇するかな。」
「アカリさん。今日は、ありがとうございました。」
「アカリねえ、おいしかったぞ。」
「アカリおねえちゃん、ありがとう。」
みんなの満足顔を確認して、孤児院を出た。
待ってもらっていたゼロに乗っかり、屋敷に帰って来る。
本当の最後はやっぱりもふもふだよね。ワタシはこの後、満足するまでゼロ達をもふった。




