3 天使を召喚
今回は1日で目が覚めた。ワタシは、これでも神なのに気絶するのは、やはり分身の体だからかね。
自分の身体を見るとなんだか気絶する前より縮んでいる。最初は人族の20才前後の容姿だったのに、今は人族でいう16才の容姿になってしまっている。
「やっぱり、ワタシへの信仰力が少ないのに、力を使うと分身の身体に負担がかかるのね。」
「そのようですね。いずれ住民を受け入れ、姫様へ信仰させましょう。」
シズクの考えに、賛成だ。出来るだけ小さな子供を集めて、教育して優秀な人材に育てて、世界中に散らばせればワタシは、表では何もせず裏から指示するだけで世界を管理、調整できるからね。
とりあえずの目標は、ここを立派な拠点にすることだろう。
「今から、他の天使を召喚したいんだけど、どうかなシズク?」
これからのために、優秀で信用できる者が必要になる。天界にいた時の部下であった数名を召喚したいと思う。
「よろしいかと思います。特に戦闘面の天使が良いですね。しかし、姫様は力をお使いになると、またお身体に負担がかかると思いますが……」
とシズクは心配する。
「まあ身体が縮むだけなら問題ないよ。何でか知らないけど、胸だけは縮まらないんだけどね。これじゃあロリ巨乳になっちゃうじゃん。」
強制召喚は嫌なので、希望者だけの召喚にしようかな。
「それじゃいくよ。また気絶すると思うけど、その間のことはよろしくねシズク。」
「かしこまりました。姫様。」
両手を広げ、召喚魔法をとなえる。黒いもやが現れ、暫くすると数名の天使が出てきた。それを見届け、ワタシは意識を失った。
(シズク)
召喚魔法をとなえて、また意識を失くされた。
わかっていてもあまりいい事ではありませんね。
しかし、これで解りました。姫様の召喚魔法は人物ではなくて、物をを召喚する魔法なのでしょう。だから人物を召喚すると体の負担が半端ないんですね。
私は、今の魔法によってまた、体が縮んでしまった姫様をベッドに運びます。
そして、昔からよく知る者たちに挨拶をしましょう。
「久しぶりだなシズク。」
「元気してたシズク。」
人族の20才くらいの容姿の男女があいさつしてくる。
双子の戦闘タイプの天使、兄のライ、妹のレフィが来てくれましたか。
「あなた方が来てくれるなんて、頼もしいですよ。」
「ああ、アカリ様のことは気になっていたんでな。それに天界は退屈だから、刺激を求めてってとこだな。レフィもそうなんじゃないか?」
「うん、アカリとは親友だし、なにより下界でたくさん美味しいものを食べたいしね。」
とウィンクしながらレフィは言う。
「まあ戦闘のことならオレたちに任せておけ。」
「期待しています。」
戦闘のことはすべて彼らに丸投げしてしまいましょう。ライが得意なのは近接、レフィは、魔法が得意だったはずです。
次に鍛冶神ヘパイストスにつかえていたこともある、おじいさん天使のベイスですね。
「おおシズク、100年ぶりぐらいじゃったかな?」
「ええお久しぶりです。ベイスが来てくれるとは思いませんでしたよ。」
「うむ、アカリ嬢ちゃんのために、いろいろサポートしてやりたくての。というのは下界に来る口実で、下界の美味しい酒をいっぱい飲むためじゃ。」
「そんなことだと思いました。それでも姫様のことをよろしくお願いします。」
「もちろんじゃ。」
最後に、家や身の回りの世話をする執事のセバスに、メイドのエレナとアンズも召喚に応じてくれた。
「家のことは頼みますね、セバス。」
「かしこまりました。シズク様。」
鍛練された礼をするセバスは、40才ぐらいのダンディーなイケメンおじさんである。
「エレナにアンズも頼みましたよ。」
「はい、シズク様」
「それじゃオレとレフィは、さっそく辺りを下見してくるな。」
そういうと、2人は出ていった。
「セバスたちが来てくれましたし、姫様がお目覚めになるまでに、ベイスと精霊に、姫様がお住みになるりっぱなお屋敷を作ってしてもらいましょう。」
「ではさっそく準備するのじゃ。」
そういうとベイスは、たくさんの木が重ねてある所に行って精霊に指示出している。
あっという間に土台の形になっていきますね。あとは、ベイス達に任せましょう。
次は姫様がお目覚めになったら結界内の確認しましょうか。