18 エルフのいる日常
エルフ族が、オリンピアに来て一月がたった。ここの生活にも大分慣れて、それぞれの仕事に就いている。
彼らは、街の居住区ではなく、そのまま教会の仮設住宅に住むらしい。信仰心が高いから、教会の近くがいいのだろう。
現に、エジャが息子のランドに、族長の座を譲り、自分は教会の神父エジャになった。そして妻のロミは、シスターになった。
ワタシは彼らに直接は、何もしていない。シズクが定期的に報告書をくれる。
報告書によると、まずライが隊長、レフィが副隊長の自警団が結成された。街の警察だね。エルフの戦士、男20名、女10名、合計30名が就いた。
現在、男はライ、女はレフィによる、厳しい訓練が行われている。訓練の一環として、食料の確保も行われている。
次に農業、土の管理は今まで通り、土の精霊達に、任せとけば良いだろう。
エルフ達はエジャの森で、食料の確保の為、狩りと農業で自給自足していた。その農業のリーダーが青年のルクロイだったので、農作物の管理のリーダーも、彼になった。農業の人員はエルフの男5名、女5名。
ちなみにオリンピアの収穫は、土の精霊のおかげで、春と秋の年2回だ。
エルフは、鍛冶が得意ではないので、現状ベイスと精霊に任せる。
エルフ族の残り6名は、子供だね。ちょうど男の子、女の子3名である。
ワタシの計画のために、子供達の教育に一番力を入れる様に頼んだ。オリンピアの教育はアースの教育制度を採用する予定だよ。
教師役には知識があり、意外と子供好きなアンズが立候補した。
学校が出来るまで、教会で教えることにする。
「オリンピアのルールとして、仕事も学問も週7日の内、2日は休む。つまり週休2日制だね。1日8時間以上は働かない。これは徹底させて。うちはホワイトなんだから。」
しかし、エルフ達は時間の懸念が少ないので、その内チャンスがあれば、しっかりとした時間の管理をしたいと思っている。
精霊は基本自由なので、とくに良いだろう。
報告書は、大体こんな内容だね。
そして、ワタシの周りに張り付いている、サーシャがいる。
彼女は、神に仕える巫女役として、エルフの代表で来たらしい。何故だかエルフ達は、ワタシが教会の像の女神であることに、うすうす感づいているみたいだ。
ワタシも一人くらい良いかなと、傍にいることを許していた。
この星のエルフ族の事を少し話すと、エルフの容姿は、美男美女で耳が尖っている。
彼らの平均寿命は、約1000年で、200歳までに体が成長して大人になり、600歳まで姿が変わらないまま過ごす。そして、600歳から徐々に姿が老いていく。言語は世界共通語と、エルフ語を話す。
族長一家は、エジャが800歳で、ロミが550歳、長男のランドが300歳、長女のサーシャが、成人仕立ての200歳だそうだ。でも容姿は人族の20歳位にしか見えないけどね。
最近のワタシの日課は、ゼロ達と遊んだり、教会で子供達をみたり、農業区をぶらぶらしたりして、過ごしている。
シズクは、転移石と結界石の研究でワタシのお供をしていない。代わりにサーシャがいる様になった。サーシャはエルフの戦士、ワタシの護衛の為に、自警団の訓練に参加して鍛えているらしい。
(エジャ)
わしは、アカリ様に教会の像の説明を、お聴きしたとき確信した。容姿が違っているのに、この像のモデルはアカリ様だと。でないと、あの大精霊様達が、周りに守るようにいる説明がつかない。
そして、わしは決心する。ここに住まわしてもらい、アカリ様の信者になると。
アカリ様に、住んでも良いと許可は得た。
そして、わしはその夜にエジャ族全員を集めた。
「突然だが、わしがアカリ様に、ここに住む許可をいただいた。そして、間違いなく教会の女神像は、アカリ様だ。」
みなも、気づいていたらしい。とくに、驚くこともなく聞いている。
「わしは、ランドに族長の座を譲る。そしてアカリ様に、仕えるために教会の神父になる。」
「それじゃあたしは、シスターになるわ。」
ロミがそんなことを言い出す。
「親父の意志は硬いのか。エルフの代表は、俺に任せて、しっかりアカリ様にお仕えしてほしい。」
「ん。お前も、エジャ族の繁栄のために頼むぞ。」
「あたしからは、サーシャに。あなたはエルフ族を代表して、アカリ様の巫女になり、直接仕えなさい。」
「わかったわ、母さん。」
サーシャは、いきなりの展開なのに、やる気満々だ。
「最後にわしから。アカリ様は我々に、シズク様の主人で、オリンピアの代表と紹介された。自ら神と名乗ってないのには、訳があるに違いない。その様に対応するように。」
こうして、アカリの知らないところで、エルフ族に、暗黙の神認定された。




