14 海
翌日、いつもと違う感じに目が覚めた。両腕を枕がわりに、頭をのせて寝ているイチとイチ子。両足を枕がわりに寝ているゼロとゼロ子がいるからだ。
ワタシが目を覚ますと、4匹が頭を上げる。しばらくの間、大人しく撫でさせてくれる。
「おはよ、みんな。」
「「ウォン」」
そして赤ジャージを持った、シズクが転移してくる。ワタシはワンピースより、ジャージのほうが気に入ってるのを伝えてないのに、さすがシズクだ。
寝間着からジャージに着替えて、シズクのあとを、トコトコついていく。ゼロ達は庭で朝食ね。
キッチンでいつもどうり用意された、和食の朝食をとる。
「食べながらでいいから聞いて。今日の探索で、海まで行くつもりだから。」
「了解だ。」
ライが答える。
「あと、ゼロ達の件で、自然の生態系のことを考えると、湖から残りの東と北と南の方向にも、川を作るよう、ディーネに頼んでくれるかな。」
「かしこまりました。」
シズクが代表で答えると、すぐに念話で、ディーネに指示を出している。
食事も終わり、探索メンバーで玄関に移動すると、ゼロ達に出会った川原に転移する。
「レフィ、いのししとダークベアーの肉の味は、どうだった。」
天使なのに食いしん坊のレフィに、聞いてみ
る。
「最高だよ。私はどちらかと言うと、ダークベアーの、硬くて癖のある肉のほうが好みかな。」
いのししの肉は柔らかくてジューシー、ダークベアーの肉は、しっかりとした歯ごたえがあって、癖のある味だね。
「まあ、どちらも見かけ次第、倒しとくわよ。」
「うん。それじゃみんな出発しよう。」
ライが先頭で川沿いを歩きだす。ワタシは歩くのが遅いので、始めからシズクの抱っこだよ。
いつの間にか、川に沿って道が舗装されている。
「土の精霊達がしてくれたのでしょう。」
「助かるね。前回までは、道を作りながら進んでいたからね。」
午前中は、川に水を飲みに来ていた、いのししやダークベアーを数頭倒しながら進む。
新しい魔物は、頭に角が生えたウサギだ。ホーンラビットと言うらしい。まんまだね。
すべてレフィが、傷1つなく倒して、自分の魔法袋に納めている。きっとエレナに渡して、料理してもらうのだろう。
お昼の弁当を食べるがてら、軽く休憩して、また出発する。
午前中と変わらず、数頭の魔物を倒して進んで行くと、とうとう海に到着した。
「人の手が全く入っていない海って、凄く綺麗だよね。」
青空に砂浜、オーシャンブルーの海の景色が、目の前に広がっている。海の先には、何も障害物のない地平線が見える。
まだ春先だというのに、ライが少し冷たい海を、沖に向かって泳ぎだした。それを見てワタシも、シズクの胸からとび降りて海にダイブした。
泳ぎに満足すると、シズクが待っている砂浜に上がる。
「お疲れ様です。クリーンの魔法を使いますので、しばらくじっとしていてください。」
シズクが魔法を唱えると、ベトベトしていた身体は乾いて、さっぱりとする。
「今度からは、ご自身に結界魔法で体に薄い幕を、お張りになるのがよろしいですよ。」
だいぶ長い間泳いでいたのか、いつの間にか日が傾き、空がピンク色に染まっていた。
「海の食材も回収して起きたいから、ちょっとだけ待っていてね。」
レフィが翼を広げ、海の方に飛んでいった。そして、海に向かって電撃魔法を放ち、色々な種類の海の生物が、浮かび上がってくる。
タイにアジ、タコやイカ、どれも微妙に、アースの者とは形が違うね。
「大漁~大漁」
そう言いながらレフィは、魔法袋にせっせとつめている。
沖ではライがまだ、勢いよく泳いでいた。
「ライー、そろそろ帰るよー」
「了解ー」
そう返事をすると、ライは飛んでこちらにもどって来た。
「それじゃ、詳しい海の調査は今度、ディーネに任せるとして帰ろう。」
みんな集まると、シズクは転移魔法を唱えた。




