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1 プロローグ

 ひとつの星の命が尽きようとしていた。


 その星の名はアースと呼び、科学の力で他の惑星にまで進出するくらい、繁栄していた。


 しかし、人類どうしの争いが絶えなく、だんだんと人口が減っていき、最終的には小惑星が、アースに衝突という形で、星もろとも人類も滅んでしまった。


 それを天界から観ていたワタシは、


「また生物が絶滅してしまった……」


 ワタシはアースの文明が大好きで、たくさんこの星の事を見てきたんだよね。


 アースの人類は娯楽も面白い事を考えるし、特に食文化が素晴らしかった。天界でも、一時期アースの料理が流行ったりもしたんだよ。


「生物は科学力が発達し過ぎると、長く繁栄出来ませんね。」


 ワタシの頭脳であり、護衛メイドのシズクが言った。


「今回も、人類がマナを使いきったのが原因です。惑星はマナを得るために、他の惑星から吸い取ろうとした結果、引き寄せてしまい衝突に繋がったのですから。」


「母さまみたいに、うまく運営ができないね……。ワタシはアースの人類に手を差しのべすぎたのかな。」


 宇宙には数えきれないほどの星がある。その内、生物が存在する星は天界の神、もしくは現人神が管理と調整している。


「創造神様は、100以上の星を管理していますから、凄いお方です。」


 そう。ワタシの母さまは凄いのだ。


 もしかして、適当にやった方が上手くいくのかな。


「母さま、母さまどこにいるのー?」


 ―アカリ、どうかしましたか?―


「母さまみたいに、生物が長く繁栄する星の管理が出来ないんだよ。」


 ―我々天界の神が、直接下界に行くことは禁じられています。ですから分身体を使って、直接下界に行き、星というものがどうな風に成り立っているのか、現人神として勉強してきなさい。―


「分身体では、神の力をほとんど使えないんだよね。」


 ―その分身体は信仰心の数によって力をはっき出来るように成っていきますので、数多くの人達に信仰されるように頑張りなさい。―


 えっ、それじゃ最初が厳しくないかな。


―ですが、それでは最初はなにもできずに魔物にでも殺られてしまうでしょう。最初に我が子の特権で3つの力をサービスであたえましょう。―


 なにか母さまが少し考えているね。


 ―結界魔法、召喚魔法、分身が壊れてはいけないので、どんな攻撃をも効かない絶対防御の能力を授けましょう。―


 それだと攻撃する手段が無いじゃんよ。


 ―それでは、しっかり勉強してきなさい。―


 それを聞き終わると、ワタシの視界は強制的に暗転した。


 ―シズク、アカリの事を頼みましたよ。しかしちょっと能力をサービスしすぎましたかね。―



 (アカリ)


 ふたたび意識が戻り、すぐにまわりを確認すると木が生い茂る森の中にいた。


 となりに、メイド服を着たシズクが立っている。


「良かった。ワタシはシズクがいないと、何も出来ないから助かったよ。」


 ワタシは本音で言うと、シズクはにこりと微笑み、


「姫様が気を失なっている間に、探知魔法で周りを確認したところ、ここはほとんどの土地が、木で生い茂った大きな島のようです。」

 

 ワタシは少しだけ考え、


「今回のワタシがどうやってこの星の運営と管理をしていくか、考えてる事をシズクに教えとくね。アースの運営でこりてるから、基本的にワタシは何もしないよ。みんなに任せて許可だけする事にした。」


 どのみちこの体がだと、大したことは出来ないしね。


 シズクは、静かにワタシが言ってる事を聞いている。何か考えてくれているんだろう。


「近くに人もいないようだし、とりあえずこの島をワタシたちの拠点にするか。」


「かしこまりました。それでは姫様、ここを中心に出来るだけ強力な結界をお張りください。」


「ん、わかった。」


 ワタシはこくりとうなずき、手を大きく広げ集中する。


 そして、両手に光が灯って結界が発動して辺を覆うと、まがまがしい気配がなくなり、すぐにワタシの神聖な気配に包まれる。


 それを見届け、ワタシはまた意識を失った。


(シズク)


 姫様は強力な結界魔法をとなえると、意識を失くされた。


 倒れそうになるところをやさしく抱きかかえ、自然の芝生に静かに寝かせる。


 まわりを見るとすでに精霊が集まり、ぷかぷかと漂っていた。


「さすが姫様ですね。結界を張ったらすぐに精霊が具現出来るようになるとは。」


 結界内はすでに神の力によって、聖域状態になっていた。


 そして、精霊たちは神力を吸収し、具現化できるようになった。


「姫様がお目覚めになる前に精霊たちに、指示を出しておきますか。」


 シズクは、それぞれの精霊のリーダー各を呼び寄せる。


「火と土の精霊は、土の管理、浄化を、風の精霊は周辺の調査、水の精霊は水源の確保を頼みます。」

 

 それぞれの精霊は、


「マカセロ。」


「ワカッタ。」


「りょうかいー。」


「了解しました。」



 ちなみに火は成人男性、土は5、6才のショタっこ、風と水は成人女性形である。


「まずは簡単でいいから住む家を、なんとかしないといけませんね。」


 風の精霊たちに、ウィンドカッターで周辺の木を切ってもらうと、あっという間に300メートル四方、更地にしてしまった。


 切った木を火と土の精霊に、乾燥、精製をまかせる。


「木の材料はとりあえず、これで足りますかね。」


 水の精霊の方は、既に湖と呼ぶには十分な水だまりが出来ていて、その上を玉の形をした無数の水の精霊達が、ふよふよと気持ち良さそうに漂っている。

 

 火と土の精霊たちは、さらに1キロ四方更地にかえ、耕している。


「相変わらず精霊たちは、やることが早いですね。なぜアースの人々は、精霊を絶滅させるようなことをしたのでしょうか?」


 次は姫様には早く目覚めてもらって、必要なものをいろいろと、召喚してもらいましょうか。


 

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