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天に輝く一つ星!! 全ステータスカンストだぁあああっ!!

もう、何言ってるかわからない……。


北条雪村(隊長さん)


挿絵(By みてみん)


Lv:2018


力:999.99

技:999.99

素早さ:999.99

防御力:999.99

攻撃力:999.99

移動力:999.99


来年はLv:2019にアップするらしいエビ



これが真の『チート』だぁあああああっ!!!!!

 他にもしなくてはいけないことはたくさんあるし、消灯時間までそれほど時間がないというのに。


 周達は道着に着替え、防具一式を見に着ける羽目になっていた。


「護……巻き込んでごめんな……」

「いや、北条教官ってめっちゃ強いっていう噂だし。そんな人に稽古をつけてもらえるなんてラッキーだよ」

 そう答える友人の笑顔はしかし、引きつっていた。


 談話室で寺尾と一触即発状態になっていたところを北条に見つかり、罰則を科せられた。


 いますぐ剣道の準備をして道場に来なさい。


 寺尾と周は言うまでもないが、一緒にいた倉橋も巻き込まれた。



 ※※※


挿絵(By みてみん)


 既に北条は道着姿で道場の真ん中に立っている。

 防具の類は一切、着けていない。


「どっからでも打ちこんできなさい」


「えっ! 防具なしで、ですか……?!」驚きの声をあげたのは倉橋である。


「あんた達相手に、防具なんて要らないわよ。そうね、アタシに一太刀でも当てることができたら……褒めてあげるわ」

 それと、と北条は唇の端を吊り上げるような笑い方をした。

「できるだけ早い内に、希望の部署に配属されるよう手配してあげ……」

 すべて言い終わらない内に、動き出したのは寺尾だった。


 しかし。

 あっけなく攻撃はかわされる。


 マンガかアニメみたいな話だが、周には彼の動きがまったく見えなかった。


 そもそも初任科の一巡査が、特殊捜査班を率いるような猛者を相手に、力でかなうわけがないのだ。


 それでもやれ、と言われてできません、とは言えない。

 それは許されない。


 少し滑稽なほど必死な寺尾を尻目に、周も竹刀を握り直した。


 倉橋も覚悟を決めたように北条へ向かっていく。



 どれぐらい時間が経過したのか、ふと時計を見る。

 実はまだ30分ほどしか経っていなかったようだ。感覚的には1時間も2時間もしごかれているような気分なのに。


 フラフラする。既に足に力が入らなくなってきた。


 この人は化け物だ……。


 何度攻撃しにいったところで、簡単にかわされるか受け流されてしまう。

 

 その上、こちらが少しでも動きを止めると、向こうから打ってくる。

 それもえげつない攻撃力で。


 負けてたまるか!!


 気持ちだけはあるけれど、身体がついてこない。


 目が霞む。

 でも。あきらめてしまったら、そこで終わりだ!!


 周が次の一歩を踏み出そうとした時。


 北条へ向かって行って弾き飛ばされた寺尾の身体が、文字通り宙に浮いていた。あのままだと壁に激突してしまう。


 考えるよりも先に、身体が動いていた。


 想像していた以上の重みが周の身体全体に加わる。


 寺尾は上背があり、身体もがっしりしている。その上に防具の重みを加えたら。

 周は彼の身体を受け止め、そのまま道場の端まで滑って行く。


 そして2人を受けとめたのは壁だった。


 周は左手首に微妙な違和感を覚えた。

 すぐ全身に鈍い痛みが追いかけてくる。


 寺尾はと言えば。

 周というクッションのおかげで無事だったようだ。

 立ち上がって再び、懲りずに攻撃をしかけていく。


 しかしすぐ、カエルの潰れるような声がして、今度は彼が反対側に飛ばされて行くのを周は見た。


 負けてたまるか。


 周はぐっと足に力を入れて再び立ち上がり、竹刀を構える。

 振り上げようとしたその時。


 ズキン、と左手首が痛んだ。背中もズキズキ痛む。


 すると突然、

「……あ、そろそろ時間だわ」

「……え?」


「時間外勤務はこれで終了!! あんた達、ここ片付けておいてね?」


 北条はタオルを手にとって額を拭きつつ、とっとと道場を出ていく。


「周……大丈夫か……?」

 自分だって息も絶え絶えのくせに、倉橋が心配して訊ねてくれる。


「なんとか……な。寺尾は?」


 寺尾は壁に縋るようにして立ちあがると、竹刀を床の上に放り投げて道場を出て行く。


 心配するだけ無駄だったみたいだ。

えーとね……わたくし、剣道も柔道も経験ないエビよ。


だから……

なので……

細かいことは書けないの!!


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