家族に起きた不幸
大した当てなどないジェリーには
ロベリーの家族が一番の可能性
彼女の家族は最近引っ越しをしていて
アーリーラックの隅にある古いアパートメントに住んでいた
もしかしたらファミリーすら家族の居場所は知らないかもしれない
そう思い急ぎ足で向かった先には
きっと何かがあるはず
アパートメントはたどり着いた瞬間から
ジェリーにもわかるほど静かだった
静かすぎる階段をコツコツとヒールを鳴らし登り
軋む廊下を歩いてドアの前に立つ
ベルを鳴らす指は震えていた
何があってもおかしくない
ビーーッ
ドアの向こうから声が響く
「誰?」
聞き覚えのある声にジェリーは安心した
「私ジェリー!開けておばさん!」
重々しい扉を開けて女の顔を見た瞬間
ジェリーは抱きついた
女も彼女を抱き締める
おかしい、、
違和感がある、、、
抱き締めてくれた感触が何かおかしい
そう思い離れて
女をみると理由がわかった
「手、どうしたの。。」
悲しいことに
ロベリーの母親の左腕は
肘から下が無くなっていた
無言が何かを伝えてくる
「おじさんは?」
ずかずかと中に入ると
血まみれの部屋のソファに右腕を無くした男がいた
「ここに来てくれたことは嬉しいんだ
気遣ってくれてありがとう
でも来るべきじゃなかった
今すぐ街を出るんだ」
男は落ち着きながらも
涙を流しながらジェリーに伝えた
「あなたまで巻き込まれることないの
早く逃げなさい!」
女は強い口調で言った
「でも、でもでもっ!!」
狼狽えるジェリーを止めるかのように
廊下から強い声がかけられた
「少し黙れ」
ドクンドクンと脈打ちはじめた胸を抑え振り向くと
そこには二人の男がいた