プロローグ【ディーオス】
読みに来てくださってありがとうございます(*´ω`*)
プロローグは世界観をまとめたものなので、
読み飛ばして頂いて構いません。
ポールシフトが始まって十年。
極がズレたことによって、かつて南極と北極にあった氷は、僅か十年という歳月で溶け、海面を大きく上昇させている。
そして現在の南極点は、インドと中国の境目、北極点はチリ沖太平洋となった。
この天変地異によって、八十億近く居た人類は、食料不足や戦争の煽りを受け、五十億まで人口を減らした。
氷の解けた南極を人が住む土地とするため、調査団が世界各国から派遣されたが、それは更なる悲劇を生むことになる。
南極の氷の下に隠されていた、太古の湖に生息していた未知の細菌に、調査団が感染したことで世界中をパンデミックの嵐を巻き起こしたのだ。
ポールシフトを発端に、淘汰に淘汰を重ねられた人類の人口は、最終的に三十億人にまで減る結果となった。
だが、太古の細菌に侵され、それに耐えきった人類の身体には新たな変化と概念が現れる。
未知の病を克服したことで人類は、魔力を産生できるようになり、かつて憧れてやまなかった魔法という能力を獲得したのだった。
さらに同時期、調査団は停滞していた世界の経済を急速に動かす物を南極で発見する。
それは巨大なピラミッド。それと同時に地下に広大な空間が広がっていることを発見したのだった。
地下の広大な空間には、陽光のように輝く苔が生えており、十二時間周期で発光と消光を繰り返していることが確認される。
また、この苔は重力を感知し、天井から下に向かって成長することが知られている。
地下空間には、未知の生物が生息しており、何よりも調査団を驚かせたのは知的生命体が建造したと思われる建築物が存在だった。
次々と発見される未知の資源、未知の技術を求め、生き残った世界中の国々が調査団を送り込んだ。
そんな中、日本の調査団の一人がマスコミの取材である言葉を残す。
『そこは、深く混沌とした世界が広がっていた』
この言葉はあらゆるメディアで翻訳され、世界中を駆け巡ることなる。
いつしか、人々は南極で見つかった地下空間の事をこう呼び始めた。
【深い混沌】と。
ディーオスの発見から三百年余り。
未だに人類は最下層に到達していない。
ぼちぼち書きますので、よろしくお願いします。