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ΧΧΧ
走る 走る 走る 走る
何のために?
解らない。
ただ、走る、走る、走る。
頭が痛い。
息が切れてきた。
……何で走っているんだ?
俺は何で走っているんだ?
何のために?
……走れ、と命令してくる声が聞こえた、気がする。
あぁ、なんて無意味な行動なのだろう。問い掛けるための思考回路はすでに残っていない。体は俺の意思に反して走る、走る。
気付けないだろう、きっといつまでも。
この先に何があるのか、とか、本当の役目が何なのか、とか、考えもしなかった俺には……しがらみに捕らわれたままの俺では、きっといつまでも。きっとどこまでも。……救われない、なあ。
悲しいことだ。