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人柱─ヒトバシラ─  作者: 十三使徒
プロローグ
1/31

ΧΧΧ

 走る 走る 走る 走る

 何のために?

 解らない。

 ただ、走る、走る、走る。


 頭が痛い。

 息が切れてきた。

 ……何で走っているんだ?

 俺は何で走っているんだ?


 何のために?


 ……走れ、と命令してくる声が聞こえた、気がする。


 あぁ、なんて無意味な行動なのだろう。問い掛けるための思考回路はすでに残っていない。体は俺の意思に反して走る、走る。




 気付けないだろう、きっといつまでも。

 この先に何があるのか、とか、本当の役目が何なのか、とか、考えもしなかった俺には……しがらみに捕らわれたままの俺では、きっといつまでも。きっとどこまでも。……救われない、なあ。


 悲しいことだ。

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