第八話 エクストラスキル
「でっ、俺に何を頼みたいの?」
さっそく、質問をさせてもらうことにした。
「覚えていてくれたのですね」
「たりめぇだろうが、あんな悪夢見せられたら、嫌でも覚えるよ!」
「まあまあ、そんなカリカリせず心を落ち着かせましょう、はい深呼吸、吸って、止めてはいて」
言われる通りに、深呼吸をしていた。
フェルトと話すとどうも調子が狂う。
いや俺が、焦っているだけか。
フェルトの言うとり、一端落ち着こう。
もう一度、大きく深呼吸をした。
「すまん、落ち着いた」
「それは良かった。では話を戻しますね」
「あぁ、頼むよ」
俺はしばらくフェルトの話に耳を傾けることにした。
「まずソウジにえの頼みごとですが、そちらは話すより見てもらった方が早いので、今晩夢の世界で話したいと思います」
「そうか、分かった」
一番気になる事を、後回しにされてモヤモヤは残るが、今は仕方ないと、自分を納得させてフェルトの話を聞くことにした。
「それでは、私が今回、ソウジに伝えたかったことは、ステータス・ウィンドウの開き方と、エクストラスキルの説明ですね」
「えっ? 今エクストラスキルって言いませんでしたか?」
「えぇ言いましたよ」
ついに俺にもチートスキルが手に入る時が来たのか。
「ヤッ・・」
「ヤッ?」
「ヤッタァーーー‼︎」
この喜びを口に出さないなんて無理だ。
最初はチートなしで異世界なんてやってられるかって、絶望したけど、やっぱり神様はみててくれたんだね、もう今日から神様を信じちゃう、仏教もキリスト教もヒンドゥも信じちゃうよ。
いや、複数は無理か。
なら俺は、性のロリ神フェルト様を崇拝しよう。
「ソウジ様終わりましたか」
「ごっごめん、まっまだ全然なんだ、後十五分ぐらい待ってもらえるかな?」
「わっわかりました」
そうだった、外にメイドさん達がいるんだった。
危ない危ない、大声は控えた方がいいね。
「ごめんフェルト様嬉しくってついね、じゃあエクストラスキルについて教えてもらえるかな?」
「きゅ・・」
「きゅ?」
「急に! 大声を出さないでください‼︎」
「ギャアァァァァァァァァァァ」
頭が割れるようだ。
「だっ大丈夫なんですか! ソウジ様! すみませんが入らせていただきます!」
やばいメイドさんが入って来る。
なんでも良いから誤魔化さなきゃ。
「だっ大丈夫だよ、ちょっと新しい刺激が欲しくて、ベットからダイブした勢いでアレを床にぶつけてみただけだから」
「それ絶対大丈夫じゃないですよね⁉︎ 入ります」
「待って、入らないでぇー⁉︎ お願いします! 一生のお願いです!しばらく一人にさせてください! 反省させてください! 入ったら恥ずか死しますよ!」
自分でも、早口で何を言っているかわからなかった。
それでも、メイドさんには効いたみたいだった。
「そこまでおっしゃるのでしたら入りませんが、本当に大丈夫なんですよね?」
「大丈夫だから心配しないで」
「わかりました」
なんとか切り抜けることができたぜ。
「あのお言葉ですが、そお言った特殊なプレイは控えた方がよろしいかと思いますよ」
絶対メイドさん達の中で、度し難い変態ってレッテルを貼られたな。
それで、場内では影口言われたり避けられるんだろうなぁ。
やばい涙が止まらない。
「泣くのは構いませんが、まずは私に謝ってください」
「謝る? なんで俺が?」
わけがわからない。
こっちは、いきなり大声出されて頭が割れるような思いをしたんだぞ、未だに痛むし、謝るなら普通はフェルトの方だ。
「なんでって、いきなり大声を出されて頭が割れるような思いをしたんですよ!未だに痛むし、謝るのは当然だと思います」
俺が思っていたことと、全く同じこと言われ驚いた。
言われて気づいたが、確かに最初に大声を出したのは自分だ、つまりフェルトの言う通り謝るのは当然だよね。
「フェルトすまん」
「分かればいいのです。では話を戻しますね」
「待ってくれ、俺は謝ったんだから、今度はそっちが謝る番だろ?」
「謝る? なんで私が?」
またまた惚けちゃって、こちだって心身ともに被害を受けたんだ、主に心だけど、謝ってもらわないと気が済まない。
「そっちだって大声を出したじゃないですか、そのうえ、悲鳴を聞いたメイドさんがおし入ろうとするのを止めるために嘘を言って、そのせいで、自分の息子を地面に叩きつけて快感をえる、もう手遅れの度し難い変態にされたんですよ、これからは、歩くわいせつ物扱いですよ」
「後半私関係ないですよね?」
この後に及んで、自分の罪を認めないつもりか。
そんなこと、神様、仏様は許しても、俺は許さんぞ。
あっ、相手神様だったは。
それでも引くことはできない。
「謝ってください」
「も、元はと言えばあなたが大声を出したからで」
「謝ってください」
「私が、したのは正当防衛で」
「謝ってください」
「だっだってぇ……」
最終的には、神様が負けて、蚊の鳴くような声になっていた。
この神様、押しに弱いな、ならば今こそ勝機。
「なんですか? 聞こえませんよ。謝れば済むのになんで謝らないんですか?
あれですか? 神様のプライドってやつですか?
ハッ、笑わせないでくれよロリ神、そんなもんは、朝のアレとともにトイレに流してもらってこい」
「ごめんなさい」
謝ってくれたが、このまま押して言った方が面白そうだから、続けることにした。
「なんですか? 聞こえませんよ、もっと大きな声で言ってくださいよ」
「ごめんなさい…」
「だから聞こえないって」
「もお…イジメないでください…グス」
あ、これアカンやつだ、泣いちゃうやつだ。
楽しくて、歯止めが効かなくなってしまった。
「ウゥ、グス」
やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい。
「ピエェェェェェ」
ギャァァァ、頭が割れるぅ。
早く泣き止ませないと命の危機だ。
「ごめんなさい許してくだしい、調子に乗ってました、いくらでも謝しますから、もうイジメませんから、泣き止んでくださいぃ」
「グス、本当ですか」
「本当ですから、泣き止んでください」
「わかりました」
なんとか神様を泣き止ますことができた。
後少しでも、泣き続けられたら、頭がパッパカパーンになってたと思うと震えが止まらなかった。
「見っとも無いところを見せてしまいましたね」
「いっいえ、そんなことはありませんよ、ちょっとでもフェルトのことが知れて嬉しいですよ」
「そお言ってもらえると、嬉しいです」
よくわかったよ、フェルトを泣かすといろいろやばいことがな。
「話が脱線してしまいましたね、では話を戻して、ステータス・ウィンドウとエクストラスキルの説明をしますね」
「ちょっと待ってもらえるかな?」
「はい? なんですか?」
確かにそれは、とても気になるが、それよりも、命の危険まである、この通話機能の方が気になって仕方ない。
「このフェルトと話してる、これについて説明してもらえるかな?」
「わかりました、ではこの〈神託〉について説明させていただきますね」
では教えてもらおうか、〈神託〉の性能とやらを。