第五話 ガラスのハート
今回も何とか投稿できたけど、段々と投稿するのが遅くなっていってる。
俺は、壁の隅で、体育座りをして、丸くなっていた。
俺の隣で、エミュさんが背中をさすってくれていた。
「そろそろ、開きなおってください勇者様、あっ! でも、結局は勇者じゃなくて、村人だったので、村人様と呼んだ方がよろしいでしょうか? 」
「うぅ、もうやめてください」
エミュさんの発言の一つ一つが胸に刺さる。
「何を気になさって、いるのですか? もしかして、永遠の下っ端の兵士よりも弱いって言われたことですか? それとも、散々バカにしてた姫様にさえ負けて、さっきまで、いけしゃあしゃあと、してたことを後悔されてるですか?」
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
もうやめて、俺のライフはもうゼロよ。
あの下っ端達にさえ、同情したような目で見られてる。
もうやだ、お家帰りたい。
「エミュ、もうやめてあげなさい」
「えっ? 奥様、私は村人様を慰めているだけですよ?」
「貴女の場合、慰めは、中傷になるのよ、ほら、勇者様を見て見なさい、更に塞ぎ込んでるじゃない」
「そんなことある訳ありませんよ、たとえ、この場で一番弱くて、メンタルも豆腐以下の残念村人でも、この程度で、ふさぎこむ訳ありませんよ」
グッ
両腕を掴む手に力を込めた。
俺の聖域は、この壁の隅だけだ、絶対にここだけは、守り抜いてみせる。
心に決めた。
「もう何も受け付けないぐらい、塞ぎ込んじゃったじゃない。
もう良いから、そこを退きなさい、エミュ」
エミュはおとなしく、グリシアに場所を譲った。
「あのぉ、勇者様と呼ぶのもあれなんで、ソウジ様と呼んでもよろしいですか?」
小さく頷いた。
「ならソウジ様、一つ提案があるのですが、今回の件は、勇者召喚で無理やり連れてきてしまった、私達にも問題があるので、こちらの世界で、手厚く保護させてもらえませんか?」
伏せた顔を軽くあげ。
「なんの、存在意義もない残念村人ですよ?」
「それでもですよ」
「何もできませんよ?」
「構いません、むしろ、何でもお願いしてきてください」
「本当にいんですか?」
「本当にいいんですよ」
「うっうぅぅぅぅ」
俺は泣きながら、グリシア様に抱きついた。 グリシアも最初は困っていたが、すぐに抱きしめ返してくれて、頭や背中をさすってくれた。
ついでに、胸が押し付けられ、まさに、至福の時間だった。
やばい、目覚めてはならない物が目覚めそうだ。
しばらく、グリシアに慰めたもらったお陰で、調子が戻ってきた。
「みっともない姿を見せてしまって、すみませんでした」
俺は皆んなの前で、頭を下げた。
「私は、大きな赤ちゃんを、あやしてるみたいで、楽しかったですよ」
「イヤァン、そんな恥ずかしこと言わないでくださいよ。
思い出しただけで、顔から火が出そうじゃないですかぁ」
グリシア様とは、普通に話せるようになっていた
次にエミュが微笑みながら「その年にもなって、ピーピー泣いた挙句、グリシア様にあやしてもらうなんて、姫様より子供ぽいですね」と天然を発揮していた。
兵士達は羨ましそうにこちらを見ていた。
そして、最後に。
「あんな姿、私なら恥ずかしくて、できませんわ。クスクス」
「んっ? まだいたの? ごめん、存在を完璧に忘れてた」
「本当なんで貴方は⁉︎ 私にだけはそんなに強気ですの⁉︎」
しばらく、アリシアとの口喧嘩を楽しみ、本調子に戻ることができた。
もしかして、アリシアって俺の精神安定剤なのかも。
「そろそろ、話を戻してもよろしいですか?」
アリシアとの口喧嘩に、グリシアが割って入ってきた。
おっと、俺としたごとが、アリシアの相手をしすぎて、グリシア様をないがしろにしてしまった。
「すみません、アリシアが突っかかって来たので、相手をするのに忙しくて、話を戻しましょう」
「ちょっと何で私が、相手してもらってたみたいに言うんですか⁉︎」
「アリシアうるさい、遊ぶのは構わないけど、時と場所ぐらいわきまえなきゃダメだぞ。
それで、話って何ですか?」
「急に真面目にならないでください!」
「アリシア、しばらく静かにしててください」
アリシアは「うぅ、お母様までぇ」と項垂れていた。
アリシアって、気がついたら、おちょくってんだよなぁ。
グリシア様達も、俺と同じ気持ちなんだろなぁ、と思う。
まぁ、なんだかんだで、アリシアって皆んなの愛されキャラなんだなぁ。
「まず聞きたいのですが、ここで暮らすにあたって、何か必要な物はありますか?」
俺が暮らすにあたって必要な物か。
何だろうなぁ、急に言われても思いつかないな。
とにかく、思いついた物から適当に言って行くか。
「じゃあまずは、個人部屋、ネット環境とPC、HDDと、メイドと他に」
「まっ、まってください」
「何です?」
困った顔を作るグリシアを気にせず続けようとしたが。
「個人部屋と、まぁメイドもわかります。
ですが、その他の物がわからないんですが、ピーシー?」
やっぱり分からないか、まぁここら辺のは、期待してないからいいけど。
「それは、俺の世界での娯楽ですよ」
「すみません、それを用意することは出来ません、ですが個人部屋とメイドでしたら用意させていただきます」
個人部屋とメイドまで用意してもらえただけでも十分だが。
王宮のメイドさんだと、手が出せないから、息子を慰める方法が右手になるわけだが。
「それだけでも、いいんですが、そこにティッシュもつけてもらえれば、最高です」
そう、皆んな大好き、夜の友達、ティッシュ先輩である。
毎晩、息子がお世話になってます。
心の中で、ティッシュ先輩に敬礼した。
「ティッシュて何ですか?」
「えっ、ティッシュ知らないんですか?」
「聞いたこともありません」
俺は驚愕した。
この世界には、ティッシュ先輩もいないのかと。
まぁ作れないものでもないから、頼んだら作ってもらえるだろう。
「ティッシュと言うのはですね。使い捨ての、薄い紙なので、作っていただけませんか?」
グリシア様達は互いに顔を見合わせ困ってい
た。
なんか俺、みんなを困らせてばっかだなぁ。
でも、簡単な物だし、困る理由がわからないんだよな。
「大変言いにくいのですが、この世界では紙は高価な物で、とても使い捨てにできる物ではないのです、ですのでそのティッシュと言う物を用意することはできないんです」
「なん・・・だと・・・」
まってくれ、ティッシュ先輩が無い、この世界で、俺はどうやって生きていけばいいんだ?
脚に力が入らず膝をついてしまった。
俺は生きがいまで失ってしまうのか。
持てる力の全てを使い、なんとか立つことが出来た。
そして、俺は静かに背を向けた。
「あの、ソウジ様?」
「少し泣く」
俺は、1人男泣きした。
しばらく泣かせてもらって心はスッキリした。
息子はスッキリできないけど。
「泣くほど、必要な物だったんですね、ご期待に添えずすみませんでした。」
「いえ、個人部屋とメイドさんだけでも、ありがたいです。後できれば、今日はもう休ませてもらってっていいですか?」
「そっ、そうですね、もう遅いので休みますか」
気を使ってくれたのだろう。
みんな賛同してくれた。
もういろいろあって疲れた。
今すぐ横になりたい気分だ。
「では、私達について来てもらえますか?」
「分かりました」
短く返事を返して、ついて行った。
扉を潜ると長い通路が続いていた。
通路は、ランプの光に照らせれ、ところどこにある、窓から差し込む月の光が幻想的だった。
通路を行き交う人達は、皆脚を止め、道を開け、深く頭を下げていた。
そして、歩きながら壁などをマジマジと見ると、ここが異世界なのを改めて実感する。
そして、通路の突当りにある螺旋階段を上がり、ちょっと進んだところで、脚を止めた。
「では、こちらがソウジ様の部屋になります」
と言いながら、ドアを開けてくれた。
「おぉ!」
そこには、畳が余裕で50以上入るぐらい広かった。
「ここは、客人用の部屋なので、何もございませんが、今日からはソウジ様の部屋になりますので、好きに使ってください。」
部屋に入って見渡したが、グリシアの行った通り、中央に置かれた天幕付きの大きなベット以外は、壁際に小さな小棚があるだけだった。
「満足いただけましたか?」
「満足も満足、大満足ですよ」
子供みたいに興奮してしまった。
「喜んでいただけて良かったです。
それで、今日はもうこのままご就寝なさいますか?もしお腹がおすきでしたら、後でメイドに運ばせますが?」
「いや、ご飯はいいよ、すぐにでも眠りたい気分なんだ」
「そうですか、分かりました。では明日の朝食の時間に、メイドに起こしにいかせますので、朝食の時間に、この国の王様の紹介をさせていただきますね」
「それでお願いします」
「では私達は、これで失礼します」
俺は出て行く、グリシア達に軽く手を振り、中央にあるベットに倒れ込んだ。
そしてそのまま、深い眠りについた。
そろそろ一日投稿がきつくなって来ましたが、頑張っていきたいと思います。