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村人勇者の英雄譚  作者: ワカメ
一章 王国生活
42/73

第42話 王達の場4

 席に着きしばらくすると、扉の向こうから、急いでいる足音が聞こえて来たので、メイドが戻って来たと思っていだが、それはどうやら違ったらしい。


「ソウジ様は、こちらですか⁉︎」


 その声を聞いただけで、フィリスであることが分かった。

 俺も椅子から立ち上がり、フィリスの方を向くと、フィリスもこちらに気づき駆け寄って来た。

 駆け寄ってくるその顔は、嬉しそうだった。


「ソウジ様、ご無事だったんですね。

 騎士団も帰って来ないし、私とても心配してたんですよ」


「まぁ、いろいろとあったんですよ」


 と返すと、フィリスはいろいろを聞きたいのか、その続きを求めて訪ねようとしていたが、それは後から、狙った様に入って来たメイドによって止められた。


「エルス様、ソウジ様、ギアスをお持ちしました」


 そう告げると、まずメイドはエルスの元に向かい、手に持つ一枚の紙を目の前に差し出した。


 エルスはそれを受け取ると、契約内容を確認しているのか、その目はゆっくりと下に移動して行っていた。


 どうやら問題が無かったようだ。

 そして王は、メイドからナイフとペンを受け取ると。

 まずは、ナイフで指の腹を切ると、垂れそうになる血をペン先につけ、紙に何かを書き出した。


 それが終わると、ギアスをまたメイドに渡し、受け取ったメイドは、今度はこちらに向かって歩いて来た。


 そして、エルスと同じ様にギアスを目の前に置いた。


 そこには、先ほど俺が告げた内容がしっかりと書かれおり、特に問題が見当たらなかったので、エルスに視線を向けると。


「どうやら問題が無かったようだな、なら下の儂の名前の下に、自分血で名前を書いてもらえるかな?」


 そう言われると、横にいたメイドがエルスが使った物とは別のナイフとペンを差し出して来たので、それを受け取り、言われた通り名前を書くことにした。


 部屋には、俺がペンを走らせる音だけが響いていた。


 そして名前を書き終わりペンを置いた。

 それを確認したメイドは、ギアスを取ると、またエルスの方に向かって行っていたので、この間に、一つ質問をする事にした。


「ギアスの事で一つ聞きたいんですが、もし契約を破ったらどうなるんですか?」


 ちょうどメイドからギアスを受け取っていたエルスは、少し考え。


「そうだなぁ、ギアスにはいろんな種類があって、今私たちがしたのが、ギアスの中の血の契約といったもので、これは、契約を破れば、その瞬間命を落とす」


 えっ‼︎ 何それ怖い。


 瞬間で命を落とすについてもう少し詳しく教えてもらいたかったが、エルスの話しは終わっておらず、続いていたのでそちらに集中する事にした。


「だが、名を書くだけの契約ならば、身体に何らかのダメージがある程度だ。

 後、これはソウジ君には関係ないかもしれないが、奴隷契約と言った物もあって、それは、奴隷に対していかなる命を下すことができ、逆らったりすれば、ギアスの力で、痛めつけることも、殺す事も出来る。

 とっ、そろそろか」


 イッ‼︎


 そう言うと同時に右手首に焼ける様な痛みが走った。


 俺は、何かされたと思いエルスを見たが、エルスも同じ様に、痛みに堪えている様だった。

 エルスもこちらに気づいたのだろう。


「安心したまえ、これはギアスを表すための、儀式みたいなものだ。

 時期に引く、ほら痛みが引いて来ただろ?」


 エルスの言った通り痛みが引いていき、そして、先ほどまで痛みがあった右手首には赤い紋様が、手首を囲む様に出来ていた。


 そんな歪な紋様を見ていると。


「これで、お互いにギアスが発動した事になる。

 後この痛みは、血の契約の時だけなので、そこは安心してくれ」


 と言って来たので、その紋様を見ながら返事を返し、俺が椅子から立ち上がり、この場を後にしようとすると。


「どこに行くのかね?」


 とエルスの声がかかったので。


「資料館に行かせてもらいます。

 リンスさんにはいろいろとお世話になりましたので、そのお礼もかねて、後、今日はそのまま資料館で休息を取るので、宝物庫の件などが決まりましたら、資料館にまでお願いします。

 では、失礼します」


 そう返し、なぜか驚いた様に突っ立ているフィリスに、「いきますよ」と告げると、やっと我に帰ったのか、俺の後をついてきた。


 そして、そのまま、王達の場を後にした。

投稿が遅くなりすみません。

次話の投稿もいつになるか分かりません。

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