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村人勇者の英雄譚  作者: ワカメ
一章 王国生活
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第31話 武器選び

これからの投稿は、平日はこのぐらいの時間になると思います。

 食堂を後にした俺はフィリスに肩を借り、静かに武器庫を目指し歩いていた。

 お互いに、何かを話そうとしても、あの後なので、何を喋ればいいのか分からなかった。

 そのまま、何を喋るわけでもなく、もくもく歩みを進めていると。


「先程は、構って頂き、ありがとうございます」


 また、唐突に感謝の言葉をかけられた。

 それに対して、こちらも言葉を返した。


「いえ、お礼を言われるような事じゃありませんよ。

 それにフィリスは、俺をかばって、あんな事を言ってくれたんですから、お礼を言うのはこっちの方です。

 あの時は、ありがとうございます」


 こちらも、感謝の言葉を返すと、フィリスは嬉しそうに返事を返してくれた。

 その後は、お互いに他愛のない事をしながら、歩き続けた。

 しばらく歩くと、フィリスの足が止まったので、俺は前方を確認すると、そこには、スパルスと同じ鎧を着込んだ男が立っていた。

 その男は、こちらに気づくと、駆け足でこちらに向かって来ていた。

 そして、その男が俺たちの前にまで来ると、礼儀正しく腰を折り。


「お待ちして折りました、ソウジ様。

 私は、これより武器庫の案内をさせていただきます。

 王国騎士団の、キエロと申します、以後お見知り置きを」


 と丁寧に名乗られたが、俺は嫌そうな顔をしながら。


「俺的には、このままフィリスに案内して欲しんだけど?

 だから、キエロ君はもう消えろ」


 ちょっと言ってみたかったが、残念ながら反応を示してくれたのは、隣にいるフィリスが、苦笑いをしてくれただけだった。

 ちょっと小馬鹿にされたはずのキエロは、動じる事なく。


「すみませんソウジ様、これより先は、王国騎士団に順ずる者だけと、規則でなっておりますので、どうか、お我慢を」


 隣のフィリスに確認してみたが、どうやら本当らしので、俺は渋々、フィリスから離れ、武器庫の方に向かってゆっくりと歩き出した。

 キエロが肩を貸そうとして来たが、野郎と密着したく無かったので、丁重にお断りし、案内だけを頼むと、承諾し、俺の前を、ゆっくりとした歩調で歩き出した。

 俺は、後方にいるフィリスに軽く手を振り、武器庫の中に入っていった。


 武器庫の中には長い通路が続いており、その通路の壁には、様々な種類の武器が、綺麗に立てかけられており、その所々には扉もいくつか見えた。

 イメージしていた武器庫とは違い、綺麗に整理されていた武器庫に感心しながら歩いて行くと。

 前を歩いていたキエロの足が止まった。

 俺もキエロが足を止めた所を確認すると、そこには、扉があった。


「ではこちらの中にあるのが、ソウジ様、ご要望の得物になります」


 そお言いながら、キエロは扉を開き中に入っていた。

 俺もつられるように、中に足を踏み入れると、そこには、見渡す限りいっぱいに、槍や剣など、要望通りの物があった。

 そして、その中から、自分の武器を決めようしたがその前に、厄介払いをする事にした。


「すみませんが、そんなにみられると、恥ずかしいですし、落ち着きませんので、外に出ていてもらえませんか?

 まぁ、この数ですと、三十分もあれば決まると思いますので、その頃にまた来てもらってもいいですか?」


 俺のそんな提案にキエロは。


「分かりました。

 ではドアの前で待たせていただきます」


 と俺の提案を承諾してくれたが、扉の前ではまだ足りないので、さらなる要件を出した。


「我儘がてら、もお一つお願いしたいことがあるのですがいいですか?」


 キエロは頭を縦に振り、返事を返してくれた。

 承諾を確認したので、俺はもお一つの提案を伝えた。


「武器庫の前で待っているフィリスの事なのですが、実は先ほど食堂でちょっとしたいざこざがありまして、かなり落ち込んでいると思われるんです。

 なので、知的でたくましく、まさに男の中の男のキエロにお願いしたいのですが、俺が、武器を選んでいる間、フィリスを励ましていてくれませんか?」


 男らしいなどは適当に言った出まかせだが、その事に分かっていないキエロは気を良くしたのか、疑うこともなく承諾し、フィリスのいる武器庫前にまで、早足で去って行ってしまった。

 それを最後まで確認し、俺は扉を閉め、一息ついてから、鑑定を発動した。


 これもフィリスから聞いた話だが、鑑定で武器を見ると、名と効果以外に、耐久値を見る事が出来るらしく、武器はその耐久値がゼロになると、壊れてしまうらしい。

 なのでこの場で、一番耐久値の高い武器を選びたかったが、ここにあった武器は、思っていた通り、どれも耐久値が一割を切っている、おんぼろ品しかなかっので、そこらに転がる剣と短剣を拾い、剣は左腰に、短剣は後ろ腰にかけ、約束の時間までにもお一つしておきたい事があったので、そのまま、他の武器の束に近づき、時間が来るのを待った。

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