第二十八話 告白
「すみませんお見苦しい姿を見せてしまって」
「えっ! そんなことないですよ、とっても可愛いかったですよ」
そんな褒め言葉を返すと、フェルトは照れたように。
「もっ、もお! そお言う事を言わないでください!」
「照れてるフェルトも可愛いねぇ〜」
茶化すような返しに、フェルトはふてるような仕草を返してくれた。
そんなフェルトをなだめながら、俺は言おうと決めていた言葉を言うために、片膝を尽き、視線をフェルトと同じ高さにまで合わせた俺を見たフェルトは驚いたかのように。
「急にどうしたんですか⁉︎」
「フェルトに聞いて欲しいことがあるんだ」
俺の真面目な口調に、フェルトは首を縦に振ることしかできていなかった。
俺もこのタイミングで言うのはどうかと思ったが、今を逃したら二度とチャンスが無いような気がしてしまった。
「フェルト・・・俺と結婚してください」
俺はフェルトに向けて、手を差し出し応えを固唾を飲んでまった。
そしてその時が来た。
「ごめんなさい」
俺は力なく、その場に倒れた。
「ソッ、ソウジ! 違いますよ! ソウジのことは好きですよ!! でもそれは性的とかじゃなくて! お友達としてなので!! だから! だから! ごめんなさい!!」
「ガハァ!」
とどめのストレートを受けてしまった。
両目から止めどなく涙が溢れてくる。
もう無理、立ち上がる事さえできなかった。
「あぁ、泣かないでください! えっと! えぇっと! そうです! 頑張ってくれたらキッ! キスしてあげます!!」
「よっしゃあァァァァァ!! やってやんぜぇぇぇ!!」
一気にやる気が出て来た。
その姿を見てか、フェルトは堪えなくなったかのように笑いだし、俺もつられるように笑っていた。
その後、フェルトにこの後の事や、気になっていた、魔法などの話をしてもらったりと、楽しい時間を過ごしていたが、どうしても抗えない別れの時間が来てしまった。
「じゃっまたくるよ」
「はい、楽しみにしていますね」
お互いに別れの言葉を告げると、フェルトの姿が霞んでいき、そして目の前が真っ暗になった。
俺はゆっくりと、目を開けると、横から聞き覚えのある声が聞こえて来た。
「あっ、やっと目が覚めましたかソウジ様」
そこには、フィリスがいた。
俺は酷く重く感じる体を無理やり起こそうとすると、フィリスは間入れず、肩を貸してくれた。
「大丈夫なんですかソウジ様? まだ体調が優れないようですが?」
そこでやっと昨日の事を思い出した。
そうだった昨日、血を失い過ぎたんだった、どうりで体が重い訳だ。
あっちの世界だと違和感が無かったから完璧に忘れてた。
「あの〜、やはり今日の魔物退治は、お辞めになられた方がよろしいかと」
フィリスが本当に俺のことを心配しているのだろうが、フェルトのお願いを知ってしまったら、止まってる暇なんか無かった。
「いや、大丈夫いけるよ。
だから心配しなくてもいいよ、それより、ここに朝食が無いってことは、食堂まで行けって事かな?」
「申し訳ございません、グリシア様の命でして、いろいろな用意などがあるからと言われまして」
「了解、じゃっ、食堂にまでいきますか」
立ち上がろうとすると、またフィリスが間入れず肩を貸してくれようとしたが、それを制し。
「大丈夫ですよ。
後、少し考え事もしたいので、食堂まで一人で行かせてもらっていいですか?」
この提案に対し当然フィリスは首を縦にには降らなかったが、こちらが諦めず頼むと、フィリスの意思は折れ、最終的には認めてくれた。
そして俺はまだ、ふらつく危なげな足取りで寝室から出て食堂には向かわずとある場所に向かっていた。
その間に俺はフェルトが言っていた最初にやるべきことを思い出していた。
「まずは、馭者から、騎乗以外のスキルを奪えだったな」
と一人ごとのようにつぶやきながら、初日に偶然見つけた馭者がいるところを目指しその歩みを進めたが、このペースだと食堂に着くまでに時間がかかり過ぎると考え、俺は、一か八かで身体強化を使った。
すると、体から重さが消え、むしろいつもより軽く感じる。
一か八かのかけに勝ったとこを理解し俺は地を蹴り跳躍した。
その時、誰かに見られた気もするが、気にする事なく目的地を目指し、さらなる跳躍をした。
明日が、休みの最終日になるので、出来れば二本投稿したいと思っています。




