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村人勇者の英雄譚  作者: ワカメ
一章 王国生活
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第二十五話 お怒り

 俺は見覚えのある所にいた、それに気づくと、この場所の管理人を一生懸命探した。

 するとどこからとも、最も聞きたかった声が聞こえ、急いでそちらに振り向くと、そこには俺の大好きなフェルトがいた。


「会いたかったよぉ〜! フェルトたん!」


 俺はフェルトに向かって走り出していた。

 そして、後数歩で飛びつける距離にまで近づいたところで。


「ストップです! ソウジ! ちゃんと私の顔を見てください」


 ピシャリと放たれたフェルトの言葉を聞き、とっさに脚を止め、改めてフェルトの顔を見て見ると、フェルトは頬を膨らませ、そっぽを向いていた。


「かっ、可愛い」


 思った事を口にしてしまった。

 それを聞いたフェルトは、より頬を膨らませ。


「なんでそうなるんですか! この顔見たら普通は怒っているって思いませんか⁉︎」

「えっ? 全然、全く、これぽっちも思いませんよ? てか何に怒ってるんですか?」


 フェルトは少し呆れたような仕草をしてから。


「今私は、二つの事を怒っています。まず一つ目が何かわかりますか?」


 そんな事を言われても、俺は何も思い当たる節がない。

 俺は返答を返せずしばらく考えていると。


「分からないようですね、なら答え合わせです。

 まず一つ目が、いきなり告白して来た事です」

「あぁ〜、それかぁ〜、ってなんでそれで怒ってるんですか?」

「何でってそれは、あの浴場までは、散々私の事を馬鹿にしてたのに、いきなりとって付けたように、好きだのハーレム作るだの言われても、こちらを馬鹿にしているようにしか思えません」

「そんな事をありませんよ!」


 とっさに否定の言葉を口にしていた、少なくとも俺はフェルトが好きだと言ったあの言葉に偽りはない。


「なら、なんで私のことが好きになったか教えてくれませんか?」

「それは・・・っ言えません」


 俺は、フェルトが言ったように、好きになった理由を言おうとしたが、それを言葉にすることが出来なかった。


「言えないということはやっぱり、冗談だったんですね」


 より頬を膨らませたフェルトを見て、俺は思っている事を口にした。


「いやそうじゃなくて、純粋に、好きになった人の前で、面向かって好きになった理由を言うのが恥ずかしいだけです。

 まぁでも、強いて言うなら、俺が求めていた物をくれたからかな」


 フェルトは、少し考えて。


「確かにソウジが言うことにも一理ありますね。ですが私は貴方に何もあげていませんよ」

「そんな事はありませんよ、フェルトは俺が一番欲しかった物をくれましたよ、それが何かは言えませんけど、俺の確かな、フェルトを好きになった理由ですよ」


 俺は真剣な顔でそお言うと、フェルトは少し微笑み。


「誤魔化された気もしますが、今はそれで納得してあげますが、いずれはちゃんと理由を教えて下さいね」


 その言葉を聞いて、ほっと胸を撫で下ろし、話を戻す事にした。


「それで、告白の事が一つ目なのは分かりましたが、二つ目は何ですか? 本当に心当たりがないんですが?」


 フェルトは忘れていた事を思い出したかのような顔をしていた。


「そうです、私怒っていたんでした。

 思い出させていただきありがとうございます」


 本気で、怒っていた事を忘れてたフェルトを心配しつつ、その笑顔に心を癒されながら、二つ目の理由を言われるのを固唾を飲んで待つ事にした。

最近、タイトルをなかなか決めれません。

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