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村人勇者の英雄譚  作者: ワカメ
一章 王国生活
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第二十二話 ラッキースケベ

投稿時間はまばらですが、しばらくは、毎日投稿できそうです。

 俺は外の木陰の下に座りこみ、休憩をとっていた。

 そのおかげで、今では嘔吐感も引いていた。

 体が少し楽になったのを確認してから、隣に立たずむフィリスに話かけた。


「もう大丈夫なんで、次に行きましょうか」


 それに対する答えは、予想通りのものだった。


「それは出来ません、先ほども言いましたが、こちらが無理だと判断した時は、自室で休んでいただくと、現に今のソウジ様は、とても案内を続けられる状態ではないと判断します、ですので、今日はここまでにして自室で休憩をとって頂きます」


 それは自分でも理解していたことなので、否定する事なく受け入れた。


「分かりましたが、出来れば戻る途中にも、簡単な説明をして貰えれば嬉しいです」

「分かりました、では戻りましょうか」


 フィリスは流れるような動作で俺に肩を貸してくれた。

 俺はそのご厚意に甘える事にし、長い廊下をゆっくりと歩き出した。

 そしてその帰り道の途中でも、フィリスは俺の望み通りに、簡単な説明をしてくれていた。


「あちらに見える館が宝物庫で、あそこには他国から友好の証として送られて来た武具や、この国の金貨などが置かれている所ですね」


 フィリスの説明を記憶の片隅に置いて、歩き続けていると、他の建物とは趣の違う建物が目に入り、気になり尋ねた。


「あそこは、鍛治場ですよ。

 王国兵の武器のほとんどは、あそこで作られています」


 俺は、鍛治師に謎の憧れが有ったので、ちょうど中から出て来た者に狙いをさだめ、フィリスに一言「ちょっと全体重を預けてますね」と断りをいれて、憑依を発動した。

 憑依を発動すると、急に体が軽くなるのを感じ、目を開けた。

 そして体を確認したが、無事に憑依は成功しており、体のどこにも異常は見当たらなかったので、手っ取り早くスキルを奪い、元の体に戻る事にした。

 元の体に戻ると、体には怠惰感に加え、謎の重たさと、頭部に痛みを感じた。

 俺は恐る恐る目を開けると、息のかかるぐらい近い所に、フィリスの顔があった。

 なにこれ? 逆ラッキースケべ? 普通こう言う乗って、俺が上で胸を触ってしまうのがお約束だと思えるんだけど? なんで俺の胸が触られてるの?

 俺の上に倒れているフィリスの片手は俺の胸を触っていた。

 フィリスは頬を赤らめながら「以外に硬いんですね」などと言っていた。

 出来れば、さっきのところをもお一回言ってもらいたい欲を抑え。


「お粗末様ですが、そろそろ、どけてもらえますか?」


 それを聞いたフィリスは、思い出したかのように、俺の上からいそいそと、立ち上がった。

 それに続いて、俺も立ち上がり、一息ついてから、フィリスに向き直ったが、フィリスはこちらに視線を合わせようとせず、早口にいろいろ言うと、先に行こうとした。

 その歩行速度は先程より早く、今の俺では、ついて歩く事さえままならないので「肩を貸してもらえますか?」と尋ねると、またも思い出したかのように、こちらに歩みよって来てくれた。

 俺はフィリスの肩に手を回すと、フィリスの体が、遠目からでも分かるぐらいに震え、その顔はどんどん赤くなっていていた。

 何これ? もしかして、フィリスルート入っちゃった? などと考えながらゆっくりと歩いて行き、その後もフィリスはこちらを視線を合わせず、こちらから話題を降っても、慌ただしく応えるだけだった。

 その姿が面白く、ついつい遊びすぎてしまっていたが、気がつくと自室に辿りついていた。


「では、お夕食はこちらにお持ちしますので、ゆっくりとお休みください」


 フィリスは最後まで早口で言うと、部屋から早足で出て行った。

 フィリスがいなくなり、静まりかえった部屋に取り残された俺は、暇つぶしでフェルトに神託をしようとしたが、これ以上フェルトの魔力を使ってもらうのは気が引けたのでやめたが、そうなるとやることが無くなってしまい、本当に暇になってしまう。

 俺はやることがないかを必死に考えて、新たに手に入れたスキルの事を思い出し、それの確認をする事にした。

前回のタイトルを間違えていました。


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