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村人勇者の英雄譚  作者: ワカメ
プロローグ
1/73

第一話 勇者召喚

今回が初投稿になります。

毎日更新は無理かもしれませんが、頑張っていきたいと思います。

見切り発車なので、変更などが多くあると思います。


ご指摘ご感想は常にお待ちしております。

 眼が覚めると、そこには、見慣れた低い木の天井ではなく、高く、汚れひとつ無い純白の天井が広がっていた。


「・・・んっ?」


 寝ぼけたままだが、身体を起こし周りをみわたしたが、屋根と同じく、白を基準とし、装飾の施さられた、壁や柱に囲まれ、時々、人と柱の間に人がいた。


「ゆ・・・ゃさ・・しゃ・さま」


 前から誰が何かを言いながら駆け寄って来た。

 意識がはっきりするに連れ、言葉が聞き取れて来た。

 そして、気がついた時には、駆け寄って来てた、誰かが、自分の横に両膝をつき、心配そうな顔をしていた。


「勇者様大丈夫ですか!? 私のことが見えてますか!? 声は聞こえていますか!? どこかいたむところはございませんか⁉︎ 」


 寝起きなのに、耳元で騒がれて、頭がガンガンする。


「あのぉ、耳元で騒がないでもらえますか?」

「えっ? あっ、す、すみません」

「だいたい、君さぁ、親に耳元で騒ぐなって、教わらなかったの?」

「えっ? えっ? えぇっと、すみません、そのようなことは、お父様にも、お母様にも、教えてもらっておりませんでした。本当に申し訳ございません」

「あっ、うん、俺も教わったことないよ」

「えぇ〜」


 軽い冗談なのに、ちゃんと反応してくれる、育ちの良さそうな女の子をほっといて、また周囲を見渡してみた。

 分かった事がいくつかあった。

 この建物がドーム状のこと。

 自分を中心に、地面に魔法陣が描かれていた。

 そして、ひとつしか無い扉の方から、甲冑を身につけた人たちが、鬼の形相でこちらに迫って来てた。


「小僧が、姫様を侮辱しよって、ぶっ殺してやる‼︎」


 先頭を走る男が、怒鳴っていた。 俺は、周囲を見渡して。

 

「小僧って、俺のこと?」

「お前以外に、誰がいるか‼︎」


 火に油を注いでしまった。

 男達が腰に下げている、剣を抜き始めた時、建物内によく響く声が放たれた。


「剣を下ろしなさい」

「っ、でっ、ですが、その者は、姫様に不敬を働いたのですよ」

「私はかまいません、彼も、いきなりこのような場所に呼ばれて、表面上は平気そうですが、きっと、内心は気が気でないはずです。

  だから、貴方達も落ち着きなさい」

「そうだよ、俺も内心はかなりテンパってんだから、大目に見てね」


 ウィンクしたら、顔がさらに険しくなった。 姫さんも、力なく笑っていた。

 冗談が通じないので、本題に入ることにした。


「でっ、聞きたいんだけど、ここどこ?」

「急に、真面目になられるですね」

「えっ、あぁ、俺さぁ、リアルの人と話すの数年ぶりだから、会話のリズムとか、分かんないだよねぇ〜」

「えっ?」


 若干引かれた気がするけど、気にしないでおこう。


「でっ、質問に答えて欲しんだけど」

「えっ、すみません、えっと、ここはですね、シン王国の王宮にある、勇者召喚のための儀式部屋です」

「ふぅ〜ん」

「あれ? 驚かないんですか? 、普通はここで驚くと思うんですが?」


 そお言われても、と思ってしまった。


「いや、急に、シン王国や勇者召喚なんて設定、言われても、頭の整理が追いつかないってか、なんてっか、もおチョット分かりやすく教えてもらえない?」

「そうですよね、ですが、今から詳しく話すには、時間が足りないので、詳しい説明は、明日に回して、今回は、簡単な説明でもかまいませんか?」

「それでいいよ」


 でも、この会話の流れって、「私たちの国が、魔王軍によって危機に瀕しています、だから、勇者召喚で異世界から、貴方を召喚させてもらいました。」とか、そんなテンプレ展開だろ。


「実は、私たちの暮らす人間界の領域が、魔王軍によって侵されて、危機に瀕しています。

 その為、私たちは、異世界から強い力を持った、勇者様を召喚することにしました。

 そして、召喚に応じてくれたのが、貴方様になります。

 ここまでで何か分からないことはありましたか?」

「うんっとねぇ・・・思った通りのテンプレ回答をいただいたよ‼︎俺の夢ならもっとマシな展開ぐらい考えとけよ‼︎」

「ひっ⁉︎きゅっ、急に怒鳴らないで下さい。

  何か、勇者様を怒らせるようなことでも言いましたか?」


 姫様が目尻に涙を為震えながら訪ねて来た。

 まぁ、いきなり大声出されたら、そりゃ誰でも怯えるよね。

 でも、考えて欲しい、こっちは、夜遅くまで働いて心身共にクタクタで、やっとオフトゥンで寝る事が出来たのに、寝たら、こんなテンプレ展開の異世界物の夢を見て楽しいか? 俺は思う、テンプレ異世界物は、アニメやラノベで十分だ、せっかくの夢の世界ならセクシーなお姉さん達とキャッキャッウフフしたいと思うのは、漢として当然だと言える。

 なのに、目の前にいるのは、見た目も幼ければ、胸も幼い、幼女と、むさ苦しい野郎どもと来た。

 こんなの許せるか? いいや、許せない、だから、怒るのは当然の権利だと言って良いはずだ。

 まぁ、仕事つっても、深夜に行われた、ゲリラクエストなんですけどね。


「あっ、あのぉ〜」


 暗い顔で、姫様の方に顔を向けた。


「なんですか?」

「ひっ、あのぉですね、怒ったと思ったら、急に落ち込んでいるように思えたので、心配で」


 ため息一つつき。


「いやだってねぇ、せっかくの夢の世界が、見た目は良くても、胸が残念な幼女と、野郎どもと来た、これで、落ちこむなって言う方が、無理な話でしょ」

 

 姫様から、表情が消え、場が凍りついたことに気づけなかった。

 そして、冷たく凍えそうな声で。


「誰の何が、残念ですって?」

「いやだから、姫様の胸が」


 そこまで言って、気づいたが、姫様がうつむいて、握り拳を作り、プルプル震えていた。

 兵士達も、怯えた表情を作り、慌てていた。


「なんだよいきなり、震えたり、慌てたり、騒々しい奴らだなぁ、夢なんだから、自分達の役割ぐらいちゃんとしろよ。

 まぁ、せっかくの夢だし、胸ぐらい触っておくか」

「へぇ?」


 ペタ

「んっ!」

「全然、楽しくないなぁ」

 ペタペタペタ

「あっ、んっ〜」


 なんだか虚しくなって来た。

 初めてのパイタッチが、幼女だと思っただけで、息子から元気が無くなって来た。

 再び、ため息一つ。


「なんで、そんなに残念そうなんですか?」

「そりゃ、まな板触っても、興奮するやつなんていないだろ」

「まな板、そうですか、勇者様、ちょっとこちらを向いてもらえますか?」

「なんだよ」


 姫様の方を向くと、そこには、絶対零度のスマイルと、持ち上げられた右手があった。


「えっ?」

「ここは!夢の世界でも‼︎残念な!まな板の!幼女でも‼︎ありませんわー‼︎」

 

 バッチィーン


 あぁ、この世界は本物だ。

 右頬に紅葉を作り床に倒れた。


最後まで見ていただきありがとうございます。

次の話はいつになるか分かりませんが、明日投稿出来るように頑張ります。

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