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嘘の魔法使いと嘘の世界  作者: 録音ソラ
一章 はじまる物語
7/7

剣と女神

変なところしかないと思うから、おかしなところは指摘してください。速攻書き直し入れます。


あと、視点が少し変わってて読みにくいかもしれません

アーテル村。

知るものもほとんどいない村で、本来キャメロットに存在する名前の村でもない。

かつての戦争において、キャメロットとはまた別の土地で巻き込まれ滅ぼされた村の一つである。

生存者はただ一人。

その生存者も、今は行方不明となっており、アーテル村を知る者は他には誰一人として残っていない。


--


「ようこそ、見えない村。アーテル村へ」


俺は目の前の少女にそう告げる。

彼女は現状がさっぱり理解出来ていないという顔をしている。

まぁ、無理もない。

この国は先代の王が女神の呪いと言わざるを得ないものを無効化する結界を張ったものの不完全だったのだ。

まだ、いくつかのものが忘れ去られている。

この村を隠していた、この魔法もその一つだ。


「君を待っていた」


言ってから思ったのだが、国王に対してこの態度は無礼では無いのだろうか?

まぁ、無礼なことは他にもしているのだから、この程度のことは許してほしい。

ボーッとしていた少女がハッとしたかのように俺の方をジッと見てきた。

あらやだ、そんなに見つめないで。

美しいお顔なんですから。

そんなに見つめられると恥ずかしい。

などと、馬鹿みたいなことを考えていると


「貴方は一体…」


まぁ、それもそうだろう。

誰かもわからない男に「君を待っていた」なんて言われてもね。

まず、誰だあんたとなるよな。


「俺はプセマ。そっちの子の兄だ」


未羽を見ながら答える。

しかし、聞いてきた彼女は納得がいかないという顔をしている。


「全く似ていないけれど」

「親が違う」


この世界ではよくあることだ。

戦争で親を亡くしたもの、突然転移させられ親を失ったもの、異種族と子を作るなと言われ捨て子を養子にした親。

様々な理由で兄弟が異種族だったりする。


「そうでしたか…すみません」

「いえ、お気になさらず」


謝られるとは、意外だった。


「とりあえず村長の元へと案内しますね」

「え、えぇ…」


案内するほどの距離でも無いが、妹と共に村長の家へ。

徒歩5分ほどの距離にある村長の家に入ると、そわそわしていた村長がいた。

まぁ、国王が来ることを知っていたとしても緊張するよな。


「村長、連れてきたぜ」

「う、うむ」

「アリスィア様は此方に」

「えぇ」


アリスィアを村長の前にある椅子に座らせる。

さて、どの話から入るのだろうか?


「突然の訪問、申し訳ありません。私はアリスィア・ペンドラゴン。キャメロットの王です」

「アーテル村の村長、ジークというものです。わざわざこのような何も無い村へ来ていただけるとは」


挨拶を終えると、アリスィアは真面目な顔をして


「最近、この村が噂になっていることをご存知でしょうか?」


村長の目を見て聞いている。


「えぇ、存じております。噂になるのも仕方ない事かと」

「仕方ない?」

「えぇ、噂を起こすためにしている事ですから」


そう、この村の噂はわざと広まるようにした。

彼女を、アリスィアをこの村へと呼ぶために


「何故、そのようなことを。キャメロットでは、その噂の裏に何かあると考えるものも現れ、この村を不気味に思うものが多い。この村を潰そうと考えるものも現れることになります」

「えぇ、そうなるでしょう。不穏なものは排除すべきだと。しかし、アリスィア様も見たでしょう。簡単に入ることはできません。悪い噂は立ち続けるでしょうが…」


村長は少し悲しげに言った。


「何故そこまでして噂を?」

「あなたをここへ呼ぶためです。アリスィア様」

「私を?」


まぁ、疑問に思うだろう。

しかし、それも噂に流したはず…

どう流れているかは知らないが。


「それは、石に刺さった剣というものが関連しているのでしょうか?」


どうやら、ちゃんとその噂が流れているようだ。


「えぇ、その通りです」

「それを私にどうしろと」

「その剣をお返ししようと」


返すという言葉に何を言っているのか、と言いたそうにしている。

あと妹さんよ、暇なのはわかるが、村長の食料庫から食料取って来るな、食べるな。

それで晩飯抜かれるの俺だからな。


「返すとは、どういうことでしょうか」

「先代の王からの預かり物なのです」

「……どういうことでしょうか」


先代の王、アーサー・ペンドラゴンは行方不明となっている。

ある日、魔獣討伐へと出た王は何日経っても戻ることがなかった。

現在では死んだという扱いをされているらしい。


しかし、死んだと言うのは正しい情報だ。

先代の王の死を確認したのはこの村の者だけだからだ。

魔獣討伐に行ったものの、運悪く魔獣の群れと遭遇し、その時に致命傷を負ってしまった。

治療を施すも、その後死んでしまった。

王の残していったものが、石に刺さった剣である。

残していったのは剣だけなのだが。


「なるほど、そうでしたか…」


村長が真実を告げていた。

ある程度予想出来ていたのだろう。

驚くことは一切なかった。


「剣は我々で持つべきではないものです。お返しいたします」

「…はい」


剣の置いてある場所まで案内され、その場で彼女は剣を勢いよく引き抜いた。


--


母の形見の剣。

それがこんな場所にあるとは。


聖剣エクスカリバー。


母がこの世界に来る前に持っていた剣。

こちら側へ来る際に、加護が切れ、ただの剣となったが、最後の最後まで母が使った剣。

その剣を握り、私は引き抜いた。


その時、違和感を感じた。


私の中の何かが引き摺り出され、私がそこへと落とされていく。


意識が暗転するー


--


目の前の少女は剣を引き抜いたと同時にふらっと倒れかけた。

何がどうなったのか、さっぱりわからないと言わんばかりきょろきょろと辺りを見渡している。


まぁ、そうだろうな


「よう、お目覚めか。女神様」

「あー、君か。わたしをこっちへ引き出したのは」


目の前のアリスィアの顔をしているそれは嫌そうな顔をしている。


「そんなに嫌そうな顔をするなよ。俺がそんなに嫌いか?」

「冗談。大好きだよ。愛していると言ってもいい」


満面の笑みを浮かべている。

未羽はわけがわからないと言った顔だ。

村長は、うん、とても嫌そうな顔をしている。

俺も似たような顔をしている自信がある。


「俺は嫌いだ。死んで欲しいほどに」

「呼び出したのはその為かぁ…この身体の子も殺すの?」

「俺はお前を殺すこととかのクソッタレな世界を壊すことだけが目的だ。そいつのことなんて興味もない」


その言葉に彼女は笑う。

楽しそうに。


「嘘の世界を壊したい、嘘が嫌いなんて言いながら、君はそんな姿なの?」

「…っ!」

「ふふっ、さぁ、早く殺さないと。この子、もう戻って来るよ」


バカな、早すぎる。

彼女に見せたものはそんなに早く戻ってこれるものではない…

いや、あいつのことだ。

なにをするか、分かっているんだろう。

死んでも娘を守るか、護りの騎士王。


「戻るなら早く戻れ」


俺は手に集めていた魔力を散らばらせた。


「やめるんだ?いいの?」

「他の方法で殺すことにしただけだ」

「わーい、嬉しいなぁ」


何も聞いてないな、こいつ。

あと抱きつくな、この後どうなるかなんとなくわかるから。


「けれど、本当に殺すことにしていいのかな?」

「当たり前だ」

「それは残念だ」


更に足まで絡めてきた。

早く戻ってこい。

じゃないと、村長と妹の視線が背中に痛いほど刺さってくる。


「じゃあ、またね」


そう言って、彼女はぷつんと意識を失ったかのように倒れかかってきた。

そのまま、俺が押し倒されたかのように倒れた。


その後すぐに彼女が目覚め、まぁ、なんだ。

容赦無く叩かれた。

俺悪くないのに。


--


彼女は気を失っている間、母と話したという。

剣に込めていた想いが形になったのだろう。

今の銘は、守護の聖剣エクスカリバー。

守護の騎士王の想いを宿した剣となっている。

想いを宿し、在り方を変える剣。


その想いを見た彼女は決意した。

そこから得た母親からの想いを受け継ぎ、この剣を振るうという。

やはり、あいつの娘なんだなと感じた。

だから、言っておいた。


「お前の守る国もうないぞ」

「は?」



この日、キャメロットでクーデターが起き、王の座にアリスィアの弟が即位した。

という情報を翌日、椿がこの村に持ってくるまで俺は暴言を吐かれ、蹴られまくった。

なんでだ

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