私のプロローグ
ある国の一人の少女のプロローグ
私は母に憧れていた
ある時は騎士、ある時は王、ある時は母
そんな母に憧れていた
けれど、私にはそのように振る舞うことなど出来なかった
それでも、母に近付くため、剣術や魔法を鍛えた
近付くためには他にも成さなければならないことは分かっていた。でも、自分に出来るのはこれしかないと思って、それだけをただひたすらにやっていた
ある日、母は言った。この世界の全てがこの国のように、あるべき世界の在り方であって欲しい、と
何を言っているのか、私には理解できなかった。聞けば、この世界は神によってあらゆる欲や思想、希望が奪われてしまった。そんな自由のない世界から、偽りの世界から、本来の姿を取り戻し、真実の世界を見たいとそう言っていた
私はそんな母の力になりたいと、真実の世界を見たいと思った
だからこそ、その為にも今はこの剣を抜こう
ー君自身にはそんな力はないよ
それでも、私は母のために、真実のために
ーそんなにも見たいのなら、わたしが力を貸してあげよう
力をくれると言うのなら、その力を使ってでもあるべき姿へ
ーなら、わたしは君の力になろう。君の望むままに
そして、私は王となった
世界をあるべき姿へと戻そうとする、私のお話