表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の匂い  作者: 水野 聡
1/2

黄金に輝く風に身を委ねていた。


空では春色が赴くままに交差しあい、木々達はその風に寄り添いささやかに音を立てる。

どこかで赤子の泣く声が聞こえたと思えば、またどこかで赤子をあやす声が聞こえる。


「どれ一つとっても希望よ。楽しいわ。黄金の風に身を任せ、私は一体どこへいくのかしら。ああ、希望とは未来のことだったのね。」


この子はそう言って微笑み、より一層気分和やかになって呟いた。


この子は頭に真白い綿をつけ、体一面うす茶色の花の種なのだ。なんの花かは預かり知らず、どこへ咲くかは春風の意思なのである。

希望とは未来のことだとしたならば、絶望とはなんであろうか。


この子はまだ絶望がなんたるかを知らず、己の匂いも知らず、何も知らないが故の華やかさを身に纏っている。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ