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月が出たら謎は解ける  作者: 迎 カズ紀
俺が部活を変えた日
12/60

導入:招集

 生物部は俺が入学した時は3年が2人、2年が2人いた。

 週2回活動日があったがすることは大したことない……なんて言うと失礼だろうが、そんなに大がかりなことはしなかった。

 水中の微生物を顕微鏡で観察する、昆虫を捕まえてきてスケッチをする、動物の生態のレポートを読み漁り文化祭などで自分たちでまとめ展示するなどが活動内容だった。

 この7月から新入部員である1年生の小西こにし晴喜はるよし水戸部みとべ浩一こういちと3人で活動してきたが……。

「なんであいつら退部したんだよ……」


 引退した先輩に廃部になったことを報告しに行くと、意外にもあっさりした答えが返ってきた。

「んー、まあ仕方ないよ。俺らの時だって廃部ギリギリだったし」

「一緒に活動したのはすっげえ楽しかったけどさ、無理に部活を存続してほしいまでは思わないし。今までお疲れさん」


 正直なところ、俺自身も廃部を悲しんでいるが存続させる気はない。仕方がないことなんだから。

 植物をメインに研究して、そこから昆虫類も観察していた日々。学校から出て、小学生みたく虫取り網と虫かごを持って歩き回った日々。それももう終わり。

 それよりも、不満などなさそうだった小西と水戸部が辞めたことが気がかりだった。




「え、桜部活決めたの?」

 放課後掃除が終わって教室に帰ってくるとすでに桜は入部届けを手にしていた。

「うん、ボランティア部にした。多少融通きくみたいだし、街に出ていろんな人と仲良くなることは捜査の時に大事だしね」

「そっか……善は急げってこのことを言うのか」

「朔は? どこに入るか決めた?」

 一応、と答え鞄を手に持つ。

「俺も入部届けもらってくる」

 何部かはなんとなく秘密にしておきたい。長田さんに誘われたからって、すっごい軽率な理由を桜の理由のあとで言いたくない!

 教室を出る直前、何かを思い出したかのように桜があっと声を上げた。

「朔、放課後片丘さんのところに来てね!」

 先程までとは別の意味が心臓がキュッとした。

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