プレーガオ――忘れられない痛み
「おい」
自分に向けられた低い声に、視線を上げた。声の主は誰かの机に尻を乗せ、足先をブラブラとさせていた。
本田奏。
白い開襟シャツとコントラストのように映える細長く茶褐色の肌。左右に分けた長い前髪からのぞく目が、猫のような形をしてこちらを見ていた。
なにも知らずに彼を見たら、立ち止まってもう一度見たくなるような、どこか印象的な顔の男だった。
だけど明里の目には、疫病神にしか見えない。俯いて、組んだ指先を固く握りしめた。
あのころ、明里は十四歳だった。ほかの女の子に比べて肌は白く、太っていた。椅子に座るたび、明里の重さを非難するように木造の椅子がギシリと音をたてた。
厚い瓶底めがねに、量ばかり多い髪の毛。どうやってもうまくまとまらず、仕方ないからみつあみにして垂らしていると、神社の鐘を鳴らす綱みたいだと笑われた。
奏が机から立ち上がると、明里のほうに歩いて来た。視界の先に奏の上履きが見えて、胸の真ん中が重くなる。
奏はにやりと笑いながら、明里をのぞきこんだ。
「今日委員会あるんだ。だから掃除当番、おまえが代わりにやっとけよ」
きょう。そうじとうばん。ぼんやりと言葉を心の中で反芻する。
今日は図書室の本の返却日だった。期日までに返さないと、次回の貸出しが一週間先まで待たないといけなくなる。
「委員会って」
奏を見返して、薄く開いた口がおもわず言っていた。
「昨日も、そう言ってた」
掃除当番を代わるのは今週で三度目だ。今日はまだ水曜日。つまり毎日だ。
明里の言葉が意外だったようで、奏の目が見開かれる。後ろで成り行きを見ていたクラスメイトたちが、おもしろがるように笑う。
ひとの笑い声って、どうしてこんなに大きく聞こえるんだろう。ぼうっとそんなことを思っていると、奏の目が形を歪めて明里を睨んだ。まずい、と思い体を引く。椅子がギシリと鳴った。
「誰に向かって言ってんだよ、おまえ」
低い声。奏が怒るときに、明里を苛むときに出す声。その声を聞くと、体は固く強張った。
「わかった」
諦めとともに、口の中で小さく答える。
そのときチャイムが鳴って、奏がふっと顔を上げた。周りの男女も、慌てたように席にもどっていく。明里は小さく息を吐いた時、ちょうど担任が来た。
「起立」
男子にしては少し高い澄んだ声。先生の前ではこの声を出すことにしているらしい。
「礼」
奏はそう言ってお辞儀をした。皆それに続く。初老の担任は奏をチラッと見て、小さく頷いた。
ガタガタと、椅子があちこちで音を立てる。今日も昨日と変わらない。日常が回り始めた。
ガリ、ガリ、ガリ。
竹箒の先が広がって、コンクリートを引っかく。ずっと下を向いてると、首と肩がピンと張りつめるのを感じる。明里は竹箒を両手で持ったまま、ぐっと背伸びをした。
青い鏡を嵌めたような、つるりと光る晴天。その前に建つ校門を見上げた。
門を縁どるように並ぶ桜並木。若葉の色が、日に日に濃くなってきている気がする。もうすぐ梅雨が来て、夏が来る。ひとつの季節が終わることが、こんなに長く感じたのは初めてだ。
ふぅと息を吐くと、その拍子に舞った砂埃を吸い込んだ。咳きこむ明里のそばを、見知った顔が通り過ぎる。一年生のときのクラスメイトだ。目が合ったのは一瞬で、視線は無表情にそらされる。明里なんて知らない人だというように。
明里も目を伏せて掃除を続ける。先がまとまってない竹箒は、うまくゴミが集まらない。
ガリ、ガリ、ガリ。音が耳にこびりつく。
どうしてこうなったのかなんてもう覚えてない。一年生のときは、少しは友だちもいた。二年生のクラス替えで、あの男と一緒になってから。
おまえ、女のコニシキみたい。
出席番号順の自己紹介。ニヤニヤ笑いながら言われたあのとき、なにか気の利いた言葉を返せばよかったんだろうか。あれから何度も思い返してみるけど、わからない。
覚えてるのは皆の笑った顔。笑った後の安心した顔。
こいつがこのクラスの最下層なんだと、知って悦んだ顔。
ガリガリガリ、と竹箒がコンクリートを引っかく。一心に掃除をする明里の横を、女子が数人固まって笑いながら帰っていった。
腰が痛い。いつもすぐ疲れたり痛くなったりするのは、太ってる所為もあるんだろうか。うー、と口の中で呟きながら、胸を反らす。肩の下でおさげの髪が重たく揺れる。
伸び上がったせいで視界いっぱいに広がった青空は、端っこの、めがねのレンズが届かないところがぼやけて見える。春の陽を含んできれいな空よりも、なぜかその淀んで霞んで見える水色の方を目で追った。その景色の方が今の自分には合う気がした。
はやく卒業したいな。
それで、だれも知り合いのいない高校を受験するんだ。
卒業まであと一年ちょっと。いちねん。言葉にすると絶望するほど長い。けど、一生来ないわけじゃない。
それから、人生をやり直すんだ。
明里にとって、それだけが今の夢で、目標だった。
掃除を終えて、急いで図書室に向かう。片手には返却予定の本。あと十分で図書委員が帰ってしまう。司書教諭がいなかったら、もっと早いかもしれない。
窓から切り取られた夕焼けが、廊下に四角い薄紅色を落としている。そのなかを走っていった。
ドタ、ドタ、ドタ。
足があまり上がらない所為で、自分の足音がやけに大きく聞こえる。あっという間に息が切れて、だから運動はきらいなんだと眉をひそめた。
図書室の前で、本を胸に抱いて呼吸を整える。落ち着いてきたところで、中に入ろうと扉に手を伸ばした。扉の向こうからは話し声が聞こえて、まだ人が残っていることを知り頬をゆるめる。返却時間に間に合ったようだ。
「奏」
扉をわずかに開いたところで、声がした。女の子の、甘えるような、何かをねだるような声。
おもわず手を止める。
奏?
扉の向こうから、女の子の息をひそめて笑う声と、それとなにか、表現しがたい小さな声がする。動物の鳴き声を小さくしたような。いつも静かな図書室からは、聞こえてこない類の音。
扉のすき間は十センチもない。この向こうになにがあるのか、見たいような見たくないような、こわい気もちになった。おもわず左右を見渡しても、廊下を歩いてくる人はいない。校舎の隅にある図書室は、試験前でもない限りあまり生徒が使うことはなかった。
「奏」
もう一度、声。甘い匂いがしそうな声が扉の隙間から漂う。また、鳥の鳴き声のような音がする。
薄暗い扉の間から、得体の知れない恐怖と好奇心が明里を手招きしていた。乾いた喉を飲み下すと皮膚がひりついて痛い。本を両手に抱えたまま、そっと隙間を覗きこむ。
天井近くまでの高い本棚。哲学と科学の棚の間に、奏が立っていた。すぐ脇にあるはずの窓はカーテンを引かれ、室内は暗い。
奏の腕の中には、長い髪の女の子がおさまっていた。さっき奏の近くに立っていた子だ。女の子たちからユリと呼ばれていたことを思い出す。背は小さく細く、白い肌に大きな目のきれいな子だ。
吸い込んだ息が、途中で止まった。
本棚に背を預ける形で二人は抱き合い、キスしていた。薄闇のなかで、二人の口からお互いの舌が出入りして、一匹の生き物のようだった。ときおり水音に似た音がする。
ドラマや映画以外で誰かのキスを見るのははじめてだった。ドラマでは美しいシーンのはずなのに、二人がしていることはとても動物的に見えた。ユリの制服の下に入り込んだ奏の手がユリの体を探って、ユリがまた小さく鳴く。頭が真っ白になった。
こわいのに、見たくないのに、その場から動けない。目が離せない。
そのときふっと、奏がこちらを振り返った。目があって、胸の中に抱いた本がおもわず落ちる。ガタン、と大きな音がした。
「だれ!」
ユリが目を開いて振り返る。ハッとして、強張っていた体が動き始める。慌てて本を拾い上げて後ずさりして、その間もずっと奏は明里を見ていた。暗い室内で、奏はまるで夜目が利く動物のようだった。
ユリが頬を赤らめてなにか叫んだ。本を抱えたまま、一目散に明里は走った。心臓が体を内側から叩いて、汗がびっしょりと背中をつたった。
はぁっはぁっ。
家に着いて、部屋のベッドにすがりつくように倒れこむ。喉の奥から血の味がしてきもちがわるい。
二人の間で蠢く舌。ユリの制服のなかに潜り込んでいる奏の手。振り返った奏の眼差し。
目をギュッと閉じる。ベッドに顔を押し付けると、瓶底めがねが潰れて鼻から落ちた。
耳の中まで熱い。あんなもの見るんじゃなかったと後悔しても遅かった。
だけど本当にそう思うのは翌日のことだった。
毎朝、いやだと思いながら家を出る。今すぐ交通事故に遭わないかと本気で思う。
今日は昨日よりもっとその思いが強かった。朝めがねをかけたとき、ほどいて寝ていた髪をみつあみにしたとき、スカートのホックを息を吸い込んで留めたとき。
今すぐ高熱が出て倒れてしまいたい。
そう思いながらも、まっすぐ学校まで着いてしまった。事故どころか、赤信号にさえ引っかからずに。
教室に入ったとき、それまで交わされていたクラスメイトたちの話し声がピタリと止んだ。
なに?
皆が明里を見ている。無数の視線が明里の肌に突き刺さって、それだけで嫌な予感がした。扉の前で根が生えたように立ち尽くしていると、それぞれが友だちと顔を見合わせてクスクスと笑い合った。小さく交わされる言葉は、声の輪郭がぼやけてなにを言ってるのかわからない。
「よぅ」
にこやかな笑顔と共に上げられた手。茶褐色の細長い手と手首。おもわず一歩退いた。背中が扉にあたってガタンと戸が鳴る。低く笑うクラスメイトの声と囁き声が増す。
「なにびびってんだよ」
そう言いながら、手を下げて奏がゆっくりとこちらに歩いて来た。獲物を見つけた猫が飛びかかろうとしてるような表情。鼓動がバタバタと脅えるように鳴って、それなのに頭の中で昨日の映像がぐるりと再生される。
薄闇の図書室。抱き合う影がキスをする。体を触る手と、ユリの鳴き声。
頬に熱が集まって、それとは反対に背筋は冷たく冷えた。
つめたい。あつい。こわい。
奏が、明里をまっすぐに見つめたまま近づいてくる。その姿を、刑の執行人を見つめる囚人のような気持ちで見ていた。
「昨日のぞいてただろう」
正面まで来ると、奏は口元に笑みを乗せて言った。熱い頬が、さらに赤く染まる。じわりと頭皮から汗が滲む。
「サイテーよ」
甲高い声が明里を突き刺すように放たれる。ユリが腕を組んでこちらを睨んでいた。
奏がさらに顔を近づける。明里を覗きこむように見て、囁くように言う。
「興奮したのか?」
明里は目を見開く。奏は楽しむように笑いを深めた。キャハハハハ。周囲の笑い声が大きくなる。
みんなも知ってるんだ。昨日のこと。
ぐらり、と眩暈がした。酸素の薄い場所まで来たように、呼吸が苦しい。
「デブのくせに覗きするなんて、マジキモイんだけど」
ユリがそう言って嗤う。周りの友人たちがホントだよねぇ、と頷いてなにか囁き合う。明里はめがねの奥の目をゆっくりとつむった。
言葉が棘となって全身を刺す。体は小刻みに震えていた。
「おまえきっと一生誰ともあんなことできないだろ」
奏がゆったりと腕を組んで明里を見下ろす。子どもが蟻を踏んで楽しむような、残酷な笑顔。
そうだ、と軽い口調で奏が言う。
「せっかくだから、おまえにもしてやろうか? キス」
笑っていたクラスメイトたちが、一瞬ピタリと止まった。
「おいおい、マジかよぉ」
男子が笑いながら奏に近寄って、その背中をバシバシ叩いた。
「チャレンジャーだなぁ奏君」
いいぞ、やれやれぇ、と別の男子が騒ぐ。女子の誰かが割って入って、
「ちょっと、ユリの前でなに言ってんのよ!」
と怒った。そのユリは信じられないといった顔で奏を見ていた。もともと白い肌はさらに白く青ざめている。
「ちょっと奏、冗談でしょ」
ユリの言葉にかまわず、奏は笑みを浮かべたまま明里に顔を近づけた。ふっと鼻先に奏の息がかかる。明里は状況についていけず、その場に固まって立っていた。
「してやろうか」
にやりと笑う声。開いた唇から赤い舌が覗いた。昨日ユリと絡み合っていたその舌をぼうっと見る。
言葉の意味を理解するより先に、
「ほらやれよ!」
男子の誰かが明里の腕を引っぱった。軽い衝撃と共に前につんのめる。奏の目がわずかに見開かれる。
あの時奏がどうしてあんなことを言ったのかわからない。きっと冗談のつもりだったんだろう。
真意をたしかめることは最後までできなかった。
前に倒れる身体。明里と奏、二人の身長はあまり変わらず、明里の身体は重かった。
バン、と大きな音がした。肘と脛を床に打ち付けて、痛みに顔をしかめる。めがねがずり落ちて、床にカシャンと乾いた音を鳴らす。
「キャー!」
女子の叫び声。男子のおぉっとどよめく声。おい、写真撮ろうぜと笑いながら言う。
「キスしてるー!」
誰かが興奮したように叫んだ。
――――え?
唇に、柔らかな感触。めがねのないぼやけた視界で、状況を理解した。
奏の体を押し倒すような形で、明里は奏に重なって倒れていた。目が、奏の近すぎる見開いた目と合う。
お互いの唇はしっかり重なっていた。
「――――!」
慌てて起き上がる。男子たちの興奮と笑いに包まれて、教室は異様な熱気が立ち込めていた。
奏もゆっくりと起き上がる。めがねがなくても、目の前の奏の唇にじわりと血が滲んでいるのが見えた。
…………あ。
おもわず小さな声を漏らした。
血、出てる。
あの時どうして、あんなことをしたんだろう。なにを考えていたわけでもない。目の前に立つ人が落とした小銭を拾うような、条件反射に近い動きだった。
いや、今思えば、ショックが一周回って変に冷静になってしまっていたのかもしれない。
スカートのポケットに手を伸ばす。いつも多めに持ってきているポケットティッシュを取り出して、なにも考えずに奏の唇を拭った。
クラスメイトたちがなにか言ってる。ざわめきはけれど、言葉として拾えなかった。
明里は奏の唇を拭いながら奏を見ていた。小さい子の食べこぼしを拭ってやるような、淡々とした顔で。奏は目を見開いて、驚いたように明里を見ている。彼もまた驚きすぎて無反応になっているのか、黙ってされるがままになっていた。
白いティッシュに小さな赤い染みが付いていく。めがねが無い所為で、クラスメイトたちの顔はわからない。
「ちょっと、なにしてんのよ!」
ユリの声が教室に響きわたった。ハッと弾かれたように奏が身を引いて、同時に明里も自分がどれだけおかしなことをしてるのか気づいた。慌てて離れると、傍に落ちていためがねを拾い上げる。
振り返ると、ユリは頬を真っ赤にして明里を睨んでいる。周りの友だちが同情するようにユリの腕をつかんで、冷たい目で明里を見ている。
「あんた最低、ひとの彼氏とキスとかっ」
叫ぶユリを見て、言葉を失くす。いったいどうして今までの流れで、明里が自分からしたかのような叱責を受けなければいけないんだろう。
そう考える一方で、言葉の意味が遅れてやってきた。
ひとの彼氏とキスとかっ。
キス。
ぼうっと周りを取り囲むクラスメイトを見る。ニヤニヤして囃し立てる男子たち。ユリと同じように明里を睨みつける女子たち。
キスしてしまった。
奏を見る。奏はポケットに手を突っこんで、まるでこのやり取りに興味が無いとでも言うようにぼうっと座っている。表情の抜け落ちた顔は、だれかの机のあたりをぼんやりと見ていた。
その唇にわずかに付いた赤い傷を改めて見る。傷が、身に起きたことを現実だと伝えていた。
「……いや」
言葉が小さく零れた。それと同時に、目元がじわりと緩んだ。
ぼろり、と涙が出た。なにか言おうと口を開いたユリが、そのまま止まる。奏が振り返った気配がして、だけどそれを見るより先に体が動いていた。
片手でめがねを探って拾い上げ、真後ろを振り向く。教室の扉をおもいきり引いて、廊下に出た。キュゥッとリノリウムの床が悲鳴をあげるように鳴いた。
直後、朝礼を告げるチャイムが鳴った。
「星野? どうした」
職員室の前を走ったとき、出席簿を持った担任が驚いて明里を見た。目が合ったのは一瞬で、明里はうわばきのまま昇降口を突っ切ると校門を抜け出した。
「ちょっとどうしたのよ」
玄関で泣きながら蹲る娘を見て、母親は目を丸くした。汗かいちゃってまぁ、と言いながら、自分より明らかに太い娘の腕を自分の肩に乗せて持ち上げようとする。華奢な母親は案の定よろめいて、その姿を見てはっと我に帰った。
「おかあさん」
取り繕う説明を口の中で色々と言う明里に、母親はにこりと笑いかけた。
「ちょうどよかった、あんたに話さないといけないことがあったの」
それ捨てちゃいなさい、と履いてきたままのうわばきを見て言うと、お茶を沸かしに台所に向かった。明里は鼻をすすりながら、泥だらけになったうわばきを蹴飛ばすように脱ぎ捨てた。
薄茶色のお茶がマグカップの中に溜まっている。明里はゆっくりと顔を上げた。
「タイ?」
晴天の霹靂。そんな言葉が頭の中に浮かんだ。
母親は、そう、タイ、と天気の話でもするように気楽に言ってお茶を啜った。
明里は母親を呆然と見ていた。熱いお茶の温度も感じない。
「お父さんの転勤が決まったのよ」
なにも考えられず、母親を見つめる。泣いたばかりの目は、まばたきをするとパサパサと音を立てた。
「行くの? みんなで」
そう、とやっぱり気楽に母は頷いた。
「私も?」
声がかすれる。咳払いをしている間に、あたりまえでしょ、と返事が返ってきた。
「急な転校になっちゃうから、なかなか言えなかったんだけど」
そう言って、明里のふっくらとした頬を親指で撫でた。涙の跡が残る、しめった頬。
「大丈夫、これからずっと楽しいから」
カップにポトポトと涙が落ちていく。ほっとして、心の底からほっとして、涙が止まらなかった。
それが十二年前の話。