第一章 死神からの挑戦状
シスターが言った。
「そなたの落としたパンツはこちらか、それともこちらか」
ぱっ…パンツ?
彼女の右手には、フリルのあしらわれた薄桃色の布。左手には、淵に赤いリボン飾りの付いた白の布がそれぞれ握られていた。
どちらも一目で女性用のパンティであることがわかる。
「身に覚えない(訳 童貞の俺には縁のない代物だ!)」
「ほう。どちらも違うと申すのか。そなたは、正直な奴だ……と言ってやりたいところだが、これは、どちらも、そなたの普段履きだ」
「んなわけないでしょ!(訳 童貞は変態ではない!)」
実に、心外だ。まさか、その小さな布に俺の下半身がすっぽり収まると思われていたとは!
ところで、さきほどから、太腿の内側を撫でている風が気になっている。
ぬぬ。自分のスカート姿に気付いて間抜けた格好になる。俺、セーラー服かよ。
赤のプリーツの中が、すがすがしいくらい軽い。
退化?!
さっと血の気が引いていく。
☆☆☆
ベッドから転げて、目をぱちくりさせた。はい。夢落ちね。
腰をさすりながら、ふっと一笑。
だが、月明かりに映る細腕は、相変わらず、自分のものだった。
どうやら、俺が、美少女バトルマスター“美麗アスカ”に生まれ変わったことは間違いないらしい。
事故から目覚めると、俺はこの世界の最強主人公に転生していた。
どれほど力あるヒーローも、攻略本を持ってはいまい。
俺の頭にはこの世界のシナリオが入っている。人生の第二ステージはこっちのものだぜ。
だが、こうやって素直に楽観視していてよいものか。今までの人生経験から不安がよぎるのも、また確かなのである。
とにかく、今夜は、保健室で一晩過ごさせてもらうことにした。
勝ち組美少女に生まれ変わった喜びより、突然男を降板させられた戸惑いの方が大きい。学院の女子寮は、今の俺にとって安らげる場所とは思えなかった。
☆☆☆
そろそろ立ち上がろうと手をついたタイルの先に大きな影が動いた。顔をあげて、またしても尻餅をつく。前方の窓から、鎌を背負った黒装束の女がこちらを見下ろしていたのだ。
え。こんなキャラクター出てきたか。
不安的中の予感!?
小説情報に加筆しました。エロ放棄かい!というツッコミが聞こえてきます。ああ。
作者の考える際どい表現や設定と、目の越えた読者様の間には、相当なズレがあるのだろうと思いました。
うちでは、女の子に白目を剥いて叫ばせるようなことはさせませんので、ご了承ください。
どんなおバカな文章書きでも、それだけは譲りません!
さて、本編では、やっと黒の女が登場しましたね。これからどうなるやら。
お読みいただきありがとうございましたm(__)m