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プロローグ
その日は春先の暖かい日だった。
本当になんのへんてつもない、そんな日に、僕____|岡田悠人«おかだゆうと»のパソコンに、見に覚えのないデータが現れた。
「なにこれ?
なんか間違えて送られてきたのか?」
僕が小さく呟いて、データを軽い気分でクリックした。
それがどんなものなのか、まったく考えずに。
「ん、なになに・・・?
『あなたは
勇者に選ばれました』・・・っ!?」
それが、身を危険に晒す行為だったなんて、まったく考えずに。
吐かれた息を追うように、僕の意識は引っ張られた。