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第3部 第5話『孤独な太陽』

【前回のあらすじ】

ジャスティスタワー中層で、レッドたちはカイが用意した強敵《Σ=機甲四騎》(シグマ・リビルド)と対峙する。シグマたちはレッドたちの攻撃パターンを学習し、必殺技すらも吸収する能力で圧倒。アシュレイ、レクス、セイジは捕獲され、その能力を奪われて悲しき「シグマ・スーツモード」へと変貌してしまった。残されたライガ一人が、絶望的な状況で孤独な戦いを強いられることになる。

※本作品の執筆にはAIを活用しています。




 ジャスティスタワー中層、円形プラットフォーム。

 そこは今、真紅の炎と漆黒の殺意がぶつかり合う、絶望的な処刑場と化していた。


「ガ、アアアアッ!!」


 ライガ(バーニングレッド)の身体が、砲弾のように吹き飛ばされる。

 背中から壁に激突し、数トンの鉄塊である外壁が蜘蛛の巣状に亀裂を走らせた。


「……ッ、ハァ、ハァ……!」


 ライガは膝をつきそうになるのを堪え、燃え上がる視界で敵を見据える。

 目の前に立ちはだかるのは、四つの絶望。

 かつての仲間たちの能力を奪い、異形へと変貌した《Σ=機甲四騎シグマ・リビルド》。


「逃がさねェぞ、ライガ……いや、B-01」


 獣のように四つん這いになった肆号機(アシュレイ同化体)が、アシュレイの声で、しかし抑揚のない機械的なトーンで嘲笑う。

 その背中からはマグマのような排気煙が上がり、地面を溶かしている。


「無駄だ。逃げ場はない」


 弐号機(セイジ同化体)が、背部のセンサーアイを一斉に明滅させ、無数に分身したかのような高速機動で退路を塞ぐ。


「判決。……死刑」


 参号機(レクス同化体)が、肥大化した右腕の巨大刃を振り上げ、重戦車のようなプレッシャーで迫る。


 そして、それらを統率するように中央に佇む壱号機シグマ・ワン

 四対一。

 しかも相手は、互いの手の内を知り尽くしたかつての仲間たちの「最適解」を持った化け物だ。


(……諦めるな。ここで俺が倒れたら、あいつらの魂は永遠にシステムの一部だ!)


 ライガは胸元のドッグタグが焼きつくほどの熱を発しているのを感じた。

 恐怖はない。あるのは、友を救えなかった悔恨と、今度こそ守り抜くという灼熱の意志だけ。


「こっちだ!!」


 ライガが吠える。

 右腕のガントレットからジェット噴射のような炎を吹き出し、強引に加速する。


「《炎の突撃バーニング・チャージ》!!」


 弾丸と化したライガが、参号機レクスの懐へ飛び込む。

 巨大な刃が振り下ろされる直前、ライガはスラスターを逆噴射し、急制動をかけた。


「遅い!」


 振り下ろされた刃が空を切り、地面を砕く。

 その隙だらけの胴体に、ライガの拳が突き刺さる。


「《爆熱剛拳バーニング・ナックル》!!」


 ドゴォォォォン!!


 炸裂する熱量。参号機レクスの巨体が浮く。

 だが、その瞬間だった。


『予測済み』


 背後から、凍りつくような電子音が響く。

 弐号機セイジだ。

 ライガの攻撃パターンを完全に解析し、攻撃の硬直ディレイを狙って死角から双剣型のエネルギー刃を突き出してくる。


「くっ、読み通りかよ……!」


 ライガは振り返ることなく、背後に超高温の空気の壁を展開した。


「《熱波防御ヒート・シールド》!!」


 ジュウウゥッ!

 超高温の空気の壁が、迫る刃を蒸発・拡散させる。

 だが、防ぎきれない。衝撃が左腕を貫き、装甲が砕け散る。


「ぐ、ぅぅ……ッ!」


「隙ありだァッ!」


 さらに上空から、肆号機アシュレイが爆発的な加速で降ってくる。

 《爆砕拳エクスプロージョン・ビート》の乱打。

 ライガは片腕で防御するが、雨あられと降り注ぐ爆撃に、足元の床が崩壊していく。


 ――強い。

 個々の能力が強化されている上に、セイジの演算能力で完璧に連携されている。

 こちらの攻撃は読まれ、防御の上から削られ、一瞬の隙も許されない。


『どうだライガ仲間と戦うのは?』


 タワーのスピーカーから、カイの愉悦に歪んだ声が降ってくる。


『君のデータは既に丸裸だ。君がどう足掻き、どう叫び、どう“友情”とやらで力を振り絞るか……すべて私のシナリオ通りだ。

 さあ、絶望したまえ。君の愛した仲間たちの手によって解体される気分はどうだ?』


「黙れ……カイッ!!」


 ライガはよろめきながらも立ち上がる。

 スーツのエネルギー残量は残りわずか。

 全身の骨が軋み、視界がノイズで霞む。


 それでも、彼の瞳から光は消えない。


「俺は……絶望なんてしない。

 あいつらがその黒い鎧の中で……『助けてくれ』って叫んでるのが聞こえるんだよ!!」


 ライガの叫びに呼応するように、壱号機シグマ・ワンがゆっくりと歩み出た。

 他の三機が攻撃を止め、道を空ける。


『……B-01。エネルギー枯渇カクニン。捕獲シークエンスへ移行』


 壱号機シグマ・ワンの胸部装甲が、生々しい音を立てて左右に展開した。

 そこには、機械部品ではない、どす黒い粘液状の「闇」が渦巻いていた。


 ――シグマ・スーツモード。

 対象を取り込み、生体部品として融合・支配する捕食形態。


「……俺も、食うつもりか」


 ライガは拳を構えるが、足が震えて力が入らない。

 限界だった。


『抵抗ハ無意味。……統合セヨ』


 壱号機シグマ・ワンから、黒い触手のような液体金属が射出される。

 ライガは最後の力を振り絞り、「《爆熱剛拳バーニング・ナックル》!!」で迎撃しようとする。


 だが。


「……ッ!?」


 ライガの拳が届くより速く、死角となっていた所から、肆号機アシュレイ弐号機セイジが伸びてきた。

 両足を掴まれ、地面に縫い付けられる。


「しまっ……!」


 動けない。

 その目前に、壱号機シグマ・ワンの開かれた胸部――底なしの闇が迫る。


『オマエモ、部品ニナルンダ』


 黒い闇が、ライガの顔面を覆おうと襲いかかる。

 視界が黒く塗りつぶされ、冷たく粘着質な絶望が喉元に触れた――その時。



 ドガァァァァァァァンッ!!!!!



 突如、プラットフォームの床が爆砕された。

 飛び込んできたのは、赤黒いマグマの輝き。


「ライガァァッ!!」


 聞き覚えのある怒号。

 そして、間髪を容れずに叩き込まれた灼熱のドロップキックが、ライガを飲み込もうとしていた壱号機シグマ・ワンを真横から吹き飛ばした。


「な……ッ!?」


 ライガが目を見開く。

 拘束されていた両足元に、何かが突き刺さる。


 カキンッ! カキンッ!


 鋭利な氷の刃が、肆号機アシュレイ弐号機セイジの腕を正確に貫き、凍結させたのだ。


「離れろ、ライガ! 巻き添えは御免だぞ!」


 冷徹な声と共に、空間そのものが凍てつく。

 拘束が緩んだ瞬間、ライガの身体がふわりと浮いた。

 紫色の霧が彼を包み込み、安全圏へと優しく運んでいく。


「おやおや、主役が泥だらけじゃ締まらないねぇ。

 ……少しは休んだらどうだい? 熱血リーダーさん」


 霧が晴れると、ライガの前には三つの背中があった。


 全身に包帯を巻き、ボロボロのコートを羽織りながらも、両拳に赤黒い炎を宿して仁王立ちする男――グリム。

 片眼鏡モノクルを光らせ、無数の氷剣を周囲に展開する蒼き賢者――ネビュロス。

 そして、傷ついた身体を優雅な所作で隠し、不敵な笑みで紫煙を燻らせる道化師――ヴェルミリオン。


 瀕死の重傷を負い、カプセルで眠っていたはずの魔王たちが、そこに立っていた。


「お前たち……! どうして……まだ動ける体じゃ……!」


 ライガの問いに、グリムは振り返りもせず、拳をガチンと鳴らして答えた。



「ようライガ!この通り復活や!カイに、とびきりの“お返し”をするため駆けつけたったわ!

 いつまでも寝てられんへんでカイに、とびきりの“お返し”をするため駆けつけたったわ!」


 ネビュロスが魔導書を開く。

「計算上、我々はまだ安静にしてないといけなかった……だが、理屈よりも仲間を優先する気持ちが勝った」


 ヴェルミリオンがウインクを投げる。

「最高のクライマックスには、最高の悪役ヴィランが必要だろう?

 さあ……第二幕の開演だ!」


 復活した魔王たちが、四機の機械人形を見据え、不敵に笑う。

 絶望的な戦場に、反逆の狼煙が再び上がった。


(第6話へ続く)

最後までお読みいただき、ありがとうございます!


今回は、絶体絶命のライガを救うべく、まさかの魔王たちが駆けつけるという熱い展開でしたね。かつての仲間たちが敵として立ちはだかる中、ライガの「絶望なんてしない」という信念が、きっと彼らに届いたのでしょう。瀕死のはずの魔王たちが満身創痍のライガを助けに来るシーンは、書いていて私自身も胸が熱くなりました!


ここから一体どうなるのか、物語はますます加速していきますので、次話以降もぜひご期待ください。


もし「続きが気になる!」「面白かった!」と感じていただけたなら、ぜひ下の★★★★★から評価をお願いします!ブックマークや感想も、今後の執筆の大きな励みになりますので、どうぞよろしくお願いいたします!

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