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アンチジャスティス -魔王戦隊ダークトリニティ-  作者: DD22


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第21話『決別の赤、そして』

【前回のあらすじ】

組織の闇を知り、魔王たちと共に死地を脱出したライガ。

彼は全ての元凶であるカイ(ユナイト)を問いただすため、ボロボロのスーツのまま、聖断空母ジャッジメントへと帰還する。


※本作品の執筆にはAIを活用しています。


         


爆発の余波が残る地上施設を背に、ライガは空を見上げていた。

遥か上空に浮かぶ銀色の要塞、聖断空母ジャッジメント。

かつては希望の象徴に見えたその巨体が、今は冷たい墓標のように感じられた。


転送ポイントまでの足取りは重い。

一歩進むごとに、かつての仲間たちの笑顔や、カイと語り合った理想の日々が脳裏をよぎる。

だが、そのすべてが「嘘」の上に成り立っていたとしたら。

胸元のドッグタグが、心臓に合わせて重く脈打つ。


(行かなきゃならない。俺が……終わらせるために)


光に包まれ、彼は空へと昇った。


         


聖断空母ジャッジメント

足を踏み入れる。

変身を解除する余裕すらなく、装甲は砕け、煤と血にまみれた満身創痍の姿。

だが、その赤いバイザーの奥にある瞳だけは、かつてないほど澄んだ光を放っていた。


「戻ったか」


広大なフロアの最奥。

無機質なデスクの向こうで、カイ・レグリオは顔も上げずに言った。

モニターの光に照らされたその横顔は、彫像のように冷たく美しい。


「兵器開発局の消失は確認した。……侵入者(魔王たち)は始末したのか?」


「……逃がしたよ」


ライガは静かに答える。


「いや、あいつらに助けられたと言うべきか」


カイの手が、キーボードの上でピタリと止まる。

ゆっくりと顔を上げ、感情の読めない冷徹な瞳でライガを見据えた。


「何の話だ」


「とぼけるな。あそこで行われていた実験のことだ。

魔族を生体部品にする……あんな非道な真似をしてまで、俺たちは何を守ろうとしていたんだ?」


「……見たのか」


カイは表情一つ変えずに立ち上がった。

悪びれる様子など微塵もない。むしろ、「それが何か?」と言わんばかりの態度だ。


「ならば話は早い。あれは必要な犠牲だ。

魔族という予測不能な危険因子を、管理可能な『力』へと変換する。これこそが最も合理的で、無駄のない平和維持システムだ」


(合理的……? 命を、数字で測るのか?)


ライガの脳裏に、瓦礫の下で動かなくなった少女の姿が蘇る。

だが、カイの言う「平和」は、その少女のような犠牲の上に成り立つものなのか。


「ふざけるな!!」


ライガが叫び、拳をデスクに叩きつける。

強化されたガントレットが金属の天板をひしゃげさせる。


「命を部品扱いすることの、どこが平和だ!

俺たちが目指したのは、誰もが笑って暮らせる世界だったはずだろ!

あの子のように……守られるべき弱者が、理不尽に泣かなくて済む世界を!」


「お前のやり方は……ただの独裁だ!」


「独裁で構わない」


カイは淡々と告げる。

その声には、迷いも、かつての友への情けも感じられない。ただの「管理者」の声だ。


「愚かな大衆には、導く者が必要だ。

自由を与えれば彼らは争い、傷つけ合う。完全な管理下でしか、恒久的な平和は訪れない。

……ライガ、お前は感情論で理想を語るが、現実はもっと冷酷だ」


カイが指を鳴らすと、司令室の巨大モニターが一斉に切り替わった。

映し出されたのは、『統合都市アーネストシティ』の完成予想図。

人々が同じ服を着て、同じ時間に起き、同じ思想を植え付けられて生活する、巨大な管理社会の縮図。


「これが私の答えだ。

個性を消し、思想を統一すれば、争いは起きない。

誰も傷つかない世界が完成する」


「……それがお前の正義か」


ライガは拳を握りしめ、震える声で問う。

怒りよりも、深い悲しみが胸を満たしていた。


(もう、戻れないんだな。俺たちは)


「俺たちの友情も、あの日の誓いも……全部、このシステムのための踏み台だったのか?」


「感傷は捨てろと言ったはずだ」


カイが背を向け、手元のコンソールを操作した。

それは、ライガ・アランという「友人」を切り捨てる動作だった。


「私についてこられないなら、ここでお別れだ。

……システム、権限剥奪(アクセス拒否)。対象:バーニングレッド」


『了解。変身システムを強制解除します』


無機質なアナウンスと共に、ライガの身体から力が抜ける。

真紅のスーツが光の粒子となって霧散し、ボロボロの生身が晒された。

守るべき鎧を失った彼は、ただの傷ついた青年に戻った。


「なッ……!?」


「お前はもう、ジャスティスフェイスではない。ただの無力な人間だ」


カイは冷たく言い放つ。

その視線は、もはや敵を見る目ですらない。路傍の石を見る目だ。


「消えろ、ライガ。二度と私の前に現れるな」


拒絶。そして無力化。

かつての親友からの、完全なる絶縁宣言。

全てを奪われた。力も、立場も、友情も。


だが、ライガは膝をつかなかった。

むしろ、その瞳には新たな炎が宿っていた。

絶望の淵で、グリムの言葉が蘇る。

『その泥にまみれた手が、お前の本性や』


「……違うな」


ライガは、胸元のドッグタグを強く握りしめた。

冷たい金属の感触。それが、彼に戦う理由を思い出させる。

あの日守れなかった少女。彼女が俺に残してくれたのは、後悔だけじゃない。

「誰かのために立ち上がる」という、原初の想いだ。


「俺は……組織の力で戦っていたんじゃない。

守りたいものがあるから、戦えたんだ!」


バチッ、バチバチッ……!


ライガの腕に残った変身ブレスから、死んだはずの赤い火花が散る。

ライガの熱い想いが、システムの制御コードを焼き切り、強制的に回路を繋いでいく。


『エラー。エラー。……強制接続オーバーライド』

『認証コード……不明。個体名……“俺の正義”』


「俺の正義は……俺が決める!!」


ライガは叫び、火花を散らすブレスを天に掲げた。


「ジャスティス・チェンジ!!!」


爆発的な紅蓮の光が、司令室を染め上げる。

警報音が鳴り響く中、光の中から現れたのは、傷一つない真紅のスーツ。

バーニングレッド。

だが、その姿は以前とは違う。胸のエンブレムが、より激しく、荒々しい炎の形に輝いている。

それは組織から与えられた力ではない。彼自身が勝ち取った、魂の形状だ。


「……システムを、気合でねじ伏せたか」


カイもまた、懐から変身デバイスを取り出す。

その口元には、微かに皮肉な笑みが浮かんでいた。

それは、予想外の事態を楽しむような、あるいは待ちわびていたような笑みだった。


「いいだろう。不適合者は、私が直接排除する。

……ジャスティス・チェンジ」


銀色の光が奔流となる。

ユナイトレッド。

その背中には六枚の光翼が展開し、神々しくも冷酷な輝きを放っている。


「行くぞ、カイ!!」

「来い、ライガ!!」


司令室で、赤と銀が激突する。

かつて背中を預け合った二人が、今は互いの信念を懸けて殺し合う。

爆炎と重力波が交錯し、ジャスティスフェイス最強の二人の戦いが、悲しくも激しく幕を開けた。


(第22話へ続く)

ここまでお読みいただきありがとうございます!


いよいよ、ライガとカイの因縁が激突する回となりました。かつて背中を預け合った二人が、それぞれの「正義」を懸けて対峙する様は、書いていて私自身も胸が締め付けられる思いでした。

今回、一度は力を失ったライガが、組織に依存しない「俺の正義」を叫び、自身の魂の力で変身システムを再構築するシーンは、彼が真の主人公として覚醒した瞬間だと思っています。

カイの掲げる冷徹な「管理された平和」と、ライガの叫ぶ「誰もが笑える世界」——二人の理想が激しくぶつかり合う戦いは、これからさらに苛烈になっていきますので、どうぞご期待ください!


物語は次話でさらに加速しますので、どうぞお楽しみに!

もし「面白かった」「続きが読みたい!」と思っていただけたら、ぜひ下の★★★★★から作品への評価をいただけると嬉しいです。また、ブックマークや感想なども、今後の執筆の大きな励みになりますので、応援よろしくお願いいたします!

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