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第1話『赤き空、黒き反逆』

以前作った正義撲滅 魔王戦隊ダークトリニティをいま一度読みやすくしてみようとリメイクしてみました。読んで応援いただけると励みになります。

※本作品の執筆にはAIを活用しています。


異世界ノクタリア。

多種族が独自の文化を織りなし、時に諍いながらも共存するその世界に、唐突な「終わり」が訪れた。

夜空に幾何学的な亀裂が走る。そこから吐き出されたのは、この世界には異質な無機質の光――「転送光」だった。

光の中から降り立ったのは、五つの影。

彼らは皆、血のような深紅のスーツに身を包んでいた。

だが、その姿は一様ではない。

白き装甲を纏う者、黄金の重装備を誇る者、蒼きラインを走らせる者――。

それぞれが異なる色と形状を帯びながらも、全員が等しく「レッド」の名を冠する異形の集団。

地球から来訪した“正義”の執行者――「聖断戦隊ジャスティスフェイス」。

中央に立つリーダー、白き装甲のレッドが一歩前に出る。

「現地座標確認。文明レベル、低。思想統一、未達成。――これより“浄化”を開始する」

彼の言葉を合図に、背後の四人もまた、淡々とタスクを開始する。

「魔力反応が規定値を超過。この村の存在自体が、世界秩序へのノイズと認定。判決、有罪ギルティ

黄金の装甲を持つレッドが、巨大な剣を地面に突き立てる。

「効率的な排除を推奨。生存確率はゼロに設定済み」

蒼きラインのレッドが、バイザーのデータを冷徹に読み上げる。

「ヒャハ! 燃やしていいんだな? 全部、灰にしていいんだな!?」

全身がマグマのように脈打つレッドが、凶悪な殺意を滲ませた。

そして、銀の翼を持つレッドが静かに告げる。

「全会一致だ。……執行せよ」

刹那、放たれたのは必殺技ですらない。ただの「焼却作業」としての火炎放射だった。

木造の家々が一瞬で飲み込まれる。逃げ惑う人々、泣き叫ぶ子供。だが、彼らに慈悲はない。彼らにとってこれは虐殺ではなく、ただの「秩序のインストール」に過ぎないのだ。

――その地獄絵図を、村外れの丘から見下ろす男がいた。

ボロボロの黒革コート。はだけた胸元には、かつて同じように“正義”に焼かれた古傷が生々しく刻まれている。

グリムだ。

「……またか。また、繰り返すんか」

彼の瞳が憎悪で赤く発光する。拳に巻かれたバンテージが、握りしめられ血に滲む。

「守るため? 世界のため? 笑わせんな……ッ! お前らのソレは、ただの押し付けがましい暴力やろうが!!」

怒号と共に踏み出そうとした彼の前に、冷ややかな風が吹いた。

「落ち着け、グリム。あの装備、解析不能な未知のテクノロジーだ。今飛び出しても犬死にする」

青いローブの男、ネビュロス。その片眼鏡の奥の瞳は冷徹だが、手にした魔導書は微かに震えている。

「あーあ、酷いありさまだねぇ。美しくないよ、こんな一方的な脚本は」

紫の幻影蝶と共に現れたのは、ヴェルミリオン。妖艶な笑みの裏で、その瞳は冷たく侵略者たちを射抜いている。

三人の魔王が集う。

背後では、村が崩れ落ちる音が響いていた。

グリムは足元の土を強く踏みしめる。チンピラのような、育ちの悪い笑みを浮かべた。だがその目には、決して折れない反骨の灯が宿っていた。

「逃げる? アホ抜かせ」

グリムはコートを翻し、燃え盛る地獄へと向き直る。

「正義が人を殺すんやったら……俺が“悪”になって、あいつらをぶっ殺してやる。今日から俺たちが――世界のヴィランや」

爆炎の向こうで、五色の輝きを放つ正義が振り返る。

瓦礫の丘で、泥臭い三色の悪が牙を剥く。

世界を更生させるための、最悪の戦いが幕を開けた。

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