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3/3

学園に戻らないといけないようです

「……で?」


朝の陽光が差し込む部屋で、私はベッドに座ったまま、使用人が差し出した紙を見つめる。


「休学はできないって、どういうこと?」


「……それが、お嬢様」


いつもは静かな執事、ロイドが珍しく困った顔をしている。


「王立アカデミーは、王子との婚約者としての立場を重視しておりまして……無断で欠席を続ければ、“婚約者としての責任を果たしていない”とみなされ、正式な査問が入るとのことで……」


「えっ、そんなのずるくない!?」


“婚約者”を盾に出席させるって、どんな地獄仕様よ!?

私もうその立場、降りる気満々なんだけど!


「そもそも、私、ステージのために時間が必要なのよ!? アイドル活動に集中しなきゃ!」


「ですが、お嬢様……“アイドル”とは、なんの爵位でございますか?」


「爵位じゃないの!職業よ、しょ・く・ぎょ・う!」


私が思わず机をバンと叩くと、レオニスが部屋の扉をノックもせずに入ってきた。おい、今度もノックなしかよ!


「……さっきからうるせぇな。声、丸聞こえだぞ。こっちが熱出しそうだわ」


「ノックしなさいって言ってるでしょ!!」


「聞こえてたら入る必要なくね?」


「その理屈がわからないよ!!!」


口論のようで漫才のようなやり取りをしていると、ロイドがそっと退室した。空気読んでる。ありがとうロイド。


「それで、何しに来たの?」


「“迎え”だよ。馬車の用意できたって。今日からまた学園な」


「えっ……今日から!?」


「決定事項。王族からの命令。拒否権なし」


「はあああああ!?」


なんなの、世界一スパルタなアイドル育成環境なの!?

前世の妹が大好きだったゲーム世界、こんなにブラックだった!?


「……学園に戻ったら、まず何があるの?」


「戦えるぞ」


「何、嬉しそうなのよ嫌だからね!」


「なんだよ、騎士の憧れだろ、、、」

しょぼん


「仕方ないねぇアイドルのなでなでは高くつくよ」


「要らねえ要らないから!」


「そこで、何をしているのかな?」


「そこで、何をしているのかな?」


背後から低く響くその声に、私とレオニスは同時にビクッと肩を跳ねさせた。


「お、おうじぃぃぃいい……!」


扉の前に立っていたのは、漆黒の髪を持つ、完璧すぎる立ち姿の男——この国の第一王子、セシル=アーデン。


あああ、妹が一番推してた攻略対象その2、来ちゃったよ!!


「……部屋に男が二人。しかも私の婚約者に触れようとしていたようだが?」


「ち、違います!!!」

レオニスがバネみたいに跳ね起きて、速攻で土下座した。


「やましいことは何もしてません!!ただ、“なでなで”とか言われただけでっ!」


「なでなでってなんだよ」


王子の目が細まる。レオニス、死んだ。


私は必死に取り繕う。


「セシル殿下、誤解です! レオニスはただの騎士で、アイドルのなでなでを希望していただけです!」


「余計に誤解を招いてる!!」



次回、



第4話「王子の視線が痛すぎます」

どうぞ、お楽しみに♡


続きもテンポよく、ラブコメ×異世界×アイドルとして展開していけます!

また続きを書くときや別の案がほしいときは、いつでもお知らせください♪


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