「顔がよければ、きっと——」
努力は、裏切らない。
そう信じて、私はここまで来た。
「九条 藍那さん、最終審査……合格です!」
——アイドルオーディション最終審査、合格通知。
ついに、夢だったアイドルデビューが決まったのだ。
歌もダンスも全力で磨いた。
表現力もステージングも、誰より練習してきた。
顔以外は、完璧だったから。
……そう、“顔以外は”。
「顔さえよければね〜」
「なんか地味っていうか……センター顔ではないよね」
「声はいいのに、惜しいわー」
そんな陰口にも耐えてきた。
努力で埋めて、やっと掴んだチャンスだった。
このチャンスを絶対に逃さない——そう思った、帰り道。
——私は、トラックに轢かれて死んだ。
……マジかよ。
気づいた時、私はベッドの上にいた。
豪華すぎる天蓋付きベッド、ふわふわのクッション。
白くて細い腕、小さな手。……何これ、私?
鏡を見ると、そこにはありえないほど整った顔が映っていた。
「…………」
「……こ、これは……!?」
金色の巻き髪、パッチリした大きな瞳、透き通るような肌。
あれ? え? え? 可愛すぎない????
その後、侍女の話から驚きの事実が判明する。
・私は『レイヤ・エストレーゼ』という名の9歳の貴族令嬢
・妹が大ハマりしていた乙女ゲーム『恋と魔法の舞踏会』の悪役令嬢キャラ
・そしてこのキャラ、ストーリー後半で婚約破棄&断罪&断頭コース!
「いや、死ぬのは痛いから! マジでやめて!?」
でも、ふと思った。
この顔……めちゃくちゃ可愛い。
センター顔ってこういうこと!?
カメラ映えどころじゃない。これ、世界取れるレベルじゃん?
私は決意した。
「アイドル、やるしかないでしょ!」
乙女ゲームの中? 貴族社会? 婚約破棄?
知ったことか! 私はステージに立つんだ!
でも……なぜか王子や攻略対象のイケメンたちが、こぞって私に絡んでくる。
「君の歌声、心に響いたよ」
「今度、舞踏会でパフォーマンスを見せてくれないか?」
——いやいやいや、ちょっと待って!
私、恋愛とかいいんで! 王子、引っ込んでくれる!?
「だって、私が世界一可愛いから、仕方ないよねっ!」
こうして私は、“顔以外完璧だった元アイドル”から
“顔がチートな異世界悪役令嬢アイドル”として——
第2の人生、全力でアイドル活動スタートします!
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
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