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天使の死と僕と屋上
私は自分の身体から生まれた天使の首にナイフを当て、思い切り手前に引いた。すると、首から血が流れ、天使は静かに息を引き取った。
僕は屋上で空を見るのが好きだ。一人でいることも好きで、周りの目を気にせず、ただ空を眺めることができる時間はとても貴重だ。今日も昼休みに屋上へ向かった。ここには誰もいない。空と僕だけが存在している。
ポケットには、今日コンビニで買ったラムネが入っている。それを一つ口に入れると、口の中で甘さが広がった。僕がラムネを食べていると、一人の女の子が屋上にやってきた。彼女はずっと足元を見つめている。上には広がる壮大な空があるのに。
彼女は屋上の片隅に座り込んだ。僕には気づいていないようだ。しばらく彼女を観察してみたが、動く気配はない。腕時計を見ると、昼休みがあと10分で終わることに気づいた。そろそろ教室に戻らなければならない。僕は屋上を後にした。