二人の天使
私は妊娠した。屋上で会った彼と一夜を共にしたからだ。その男子学生は私が妊娠したタイミングで行方が分からなくなった。私の親は私が子供を産むことに反対していた。しかし、そんなことを言っていた父親が亡くなり、母と私だけの生活になった。母は父が私に暴力を振るっているところを見ているだけだった。そのため、母自身が暴力を振るうことはなかった。父が亡くなり、母は明るくなった。そして母は、私が子供を産むことに賛成してくれた。
私は子供を産んだ。それはそれは可愛い子供だ。私の可愛い天使。しかし、ここで天使が二人いることになった。私にとって、どちらの天使も大切な存在だ。だが、屋上で出逢った天使は私の身体から生まれた天使のことをよく思っていない。理由として、私の身体から生まれた天使は知的障害があるからだ。それは医者から言われたことではないので本当のところはわからない。しかし、何となくそんな気がする。天使に障害など存在しない。だから、それは天使とは言わないのだと、屋上で出逢った天使は言った。そういうわけで、私は私の身体から生まれた天使を殺すことにした。
私の母は父が死んだ後、働き始めた。朝早くから仕事に行き、夜遅くに帰ってくる。そのため、私は母が家にいない間に私の身体から生まれた天使を殺そうと考えた。