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第三十六話 明日からは探索だ

 人間に見えるように偽装したアルフィアたちと一緒に牛丼を食べたり、閉店まで色々な店を巡ったり。

 そうしてのんびりと過ごした俺たちは、日付を跨ぐかどうかになった所で、《範囲空間転移(エリア・ワープ)》を使って、第600階層にある拠点に戻った。


「わ~楽しかった~~~~!!!」


 地上観光から帰還したルルムは、にこにこと上機嫌に笑みを浮かべながら、くるくると子供のバレエのように軽やかに回る。


「うむ。牛丼とやらも、美味かったのう。肉は今までもよく食べておったが、あれは別格じゃった……!」


 アルフィアもアルフィアで、満足気な笑みを浮かべながら、そう言った。

 冷静なのは、ロボさんだけだな。

 まあ、ロボさんに冷静という概念があるのかは、甚だ疑問に思うところではあるが……


「……それにしても、明日からの飯。マジでどうしよっかなぁ……」


 上機嫌に笑う2人をよそに、そう言って、俺は腕を組みながら天を仰いだ。

 まず前提条件として、明日からは普通にダンジョン探索を進めるつもりだ。

 俺にとって、ダンジョン探索は――ダンジョンの果てへと向かい、強くなる事は、俺が初めて露わにした意思。離れるつもりはさらさら無い

 で、そうなると魔力の都合上、気軽に地上へ行けなくなる訳で……


「《空間収納(インベントリ)》の中に、多少の飯は入っているが……これじゃあ、直ぐに無くなっちゃうな」


 もう夜遅くだった事もあってか、弁当系はほとんど売ってなかったんだよね。


「んー……しゃーない。明日の早朝に買ってくるか。それに、他にも方法はあるからな」


 そう言ってニヤリと笑いながら、俺は《空間収納(インベントリ)》に入れたあるものを一瞥する。

 やっぱ、ただ飯を買うだけじゃ、味気ないもんな。

 これは、気が向いたらやってみるとしよう。それまでの、お楽しみだ。


「ふぅ……取りあえず、寝る前に一応明日の探索について軽く言っとくぞ」


「む? ……ごほん。分かったのじゃ」


「は~~~い! マスター!」


「リョウカイシマシタ。マスター」


 俺の言葉に、アルフィアは気恥ずかしさを誤魔化すように咳払いをし、ルルムは元気よく声を上げ、ロボさんは通例通りに頷いた。

 さて、聞く準備は出来たみたいだし、始めちゃいますか。


「まず、前回の探索は、トラブルがあったせいで、早々に打ち切ってしまったが……まあ、あの短い間にも地形探知はそれなりにやってて、大方下へ続く階段の場所は特定できた。恐らく、次の探索で第893階層に行けるだろう」


「ほう、あの時間で結構進めておったのか。相変わらず、抜け目ないのう」


「抜け目ないってか、最下層へ行く事が、目標の1つでもあるんだからな? 流石に疎かにはしないよ」


 感心するアルフィアに、俺は「マスターすご~~い!」と言いながら抱き着くルルむの頭を撫でながら、小さく肩を竦めた。


「で、流石にここまで来たら迷う事も無いだろうから、《屍山血河(デストブラッド)》で一気に下まで駆け抜けるつもりだ。そして、第893階層の魔物も掃討するから、その間に《転移拠点(ワープ・ポータル)》を設置する下準備をしといて欲しい」


 普通に転移する場合は、ただその空間を視ればいいだけなのだが、第601階層からは、ダンジョンから転移を妨害されてしまうせいで、普通に転移できないんだよ。

 だから、わざわざ時間をかけて《転移拠点(ワープ・ポータル)》というものを設置し、第600階層とパスを繋がなくてはいけないのだ。


「うむ。了解したのじゃ。そこら辺は、妾たちに任せよ」


「ルルム、頑張る!」


「……何度も言うようじゃが、ちゃんと妾の指示には従うのじゃぞ? ご主人様の指示が無いからと、勝手にやるでないぞ?」


 ルルムに何度も念押しをするアルフィアと、それに対して「む~~~~!!!」と不機嫌そうに頬を膨らませるルルム。そんな状態で、淡々と「リョウカイシマシタ」って言うロボさんは、なんと言うか……すっごくシュールだ。


「まあ……ちゃんと、アルフィアとロボさんの言う事も聞くんだぞ」


「うん。分かった~~!」


 俺の言葉を聞いた途端、パッと花開いたかのような笑みを浮かべて頷くルルム。

 流石のアルフィアも、なんだか複雑そうな表情だ。


「……ごほん。まあ、ルルムの心配もそうなのだが……ご主人様もじゃ。それを使って、ちゃんと()()()()()()()のじゃろうな?」


「確かに、昔はぶっ倒れる寸前まで戻ってこられなかったが、流石に今は大丈夫だよ」


 アルフィアの無用な心配に、俺は肩を竦めて笑った。

 だが、その笑いは次に出てきた言葉で止まる事となる。


「じゃが……最近人間と接したせいで、精神が色々と不安定になっておったじゃろ? 《屍山血河(デストブラッド)》は精神を強く持って無いと、今のご主人様でも戻ってこられない代物じゃろうし……」


「ああ、なるほどね……」


 その言葉には、激しく同意出来るな。

 あの魔法はどうしても、基礎的な精神力だけでなく、その場その場での精神状況も、結構左右されてしまう。

 昨晩、あれだけ不安定な様子の俺を見せてしまったのなら、流石に心配しちゃうよね……


「まあ、大丈夫だ。そこら辺は、もう色々と割り切っているし。戦闘時まで、それを引きずるような愚行は、絶対に犯さない」


 だが、別に俺も弱くは無い。

 アルフィアの言葉を借りるようだが、侮るでないわ……だ。


「さて、もう夜だ。明日から探索だし、さっさと寝るぞ……アルフィア。今日は一緒に寝るか?」


「うむ。一緒に……じゃな」


「ルルムもルルムも~~~~!」


「リョウカイシマシタ」


 楽しそうな会話と共に、俺たちは家の中へと入っていくのであった。

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