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後編



 部屋を飛び出していったゴルド様――さんは、すぐに部屋に戻ってきた。

 流石に寒かったのかと思ったが、実際は私の服を取りに行っていたようだ。

 店の暖炉で乾かしていたようで、ホカホカしてとても温かい。

 早速着替えようと上着を脱ぐと、またしても怒られてしまった。

 もしかしたら、貴族様に私のような粗末な体を見せるのは失礼にあたるのかもしれない。



「着替え終わりました」


「……」



 ゴルドさんは私が着替えている間は背を向けており、さらに耳を塞いでいるようで声をかけても反応がなかった。

 仕方ないので、後ろから控えめに上着を引っ張ってみる。



「ん? 着替え終わったか?」


「はい」


「それじゃあ、外に出るぞ」


「え?」


「なんで不思議そうな顔してるんだよ」


「だ、だって私は……」



 外に出ることを禁じられている――と言おうとしたが、そもそもここにいる時点でそんな禁はとっくに破っていることに気づく。



「いいから行くぞ!」



 そう言ってゴルドさんは私の手を握り、強引に宿の外に連れ出す。

 そして、私は目の前に広がる光景に息をのんだ。



「どうだ? すげぇ活気だろ?」


「……はい」



 窓から見たときも活気のある街だと思ったが、こうしてその場の空気に触れると改めて人の多さが実感できる。

 行き交う人々、店の呼び込み……

 道には沢山の人が溢れていて、喧騒に包まれている。


 この世界にはこんなにも多くの人々が存在したのかと、心の底から驚かされた。



「この街以上に人がいるとこなんて王都くらいだからな。驚いたろ?」


「っ!? お、王都は、この街よりも人が多いのですか!?」


「まあな。もっとも、アッチはもう少し上品なんでルーリスほどの活気はないぜ。なんでまあ、この国じゃ一番賑やかな街と言ってもいいかもな。さて、つっ立てないで行くぜ」


「行くって、どこへ?」


「さっき言ったろ! 飯食いに行くんだよ!」



 ゴルドさんはそう言って、有無を言わさず私を引っ張っていく。

 その力はとても強く、私じゃたとえ抵抗しても意味なく引きずられそうだ。

 だというのに、私の手を握る力は優しくて、とても気遣われていることが理解できた。

 こんな扱いをされたのは初めてのことなので、恐れ多いというか、身に過ぎた扱いな気がして罪悪感が込み上げてくる。


 しばらくそんな状態で歩いていると、ゴルドさんが古い建物の前で立ち止まる。

 この街の建物は綺麗な作りで新しそうなものが多いため、この建物は悪い意味で目立っていた。



「ここだ。悪人面(あくにんづら)が多いが、そこまで悪いヤツはいねぇから心配しなくていいぜ」


「はぁ」



 生返事を返しつつ店(?)に入ると、何人かの鋭い目つきをした男が私達を睨みつけてきた。

 少し怖かったが、男たちが私達を見たのは一瞬のことだったので、ホッと息をつく。


 やはりこの建物は、食事のできる店のようだ。

 鼻につく濃い香りは、恐らくお酒のニオイだと思う。父や兄が時々飲んでいたので覚えている。

 となるとここは、酒場という場所なのかもしれない。

 村には存在しなかったみたいだが、よく父が「街なら酒場があるのに……」みたいな不満を口にしていた。



「なんだ、ゴルドじゃねぇか! 久しぶりだな!」


「ようオヤジ! 元気にしてたか!」



 っ!? お、親父……?

 つまり、この方がゴルドさんのお父様、マーズ男爵様なのだろうか?

 しかし、あの汚れた服装を見るととてもそうは思えない。



「ゴ、ゴルドさん、この方が、マーズ男爵様なのですか?」


「はぁ? いや、ちげぇけど、なんでそんなこと……ってそういうことか。いや、オヤジっていうのはこの場合オッサンって意味だ。こんな貧乏そうなオッサンが男爵なワケねぇだろ」


「そう、ですよね……」


「おいお前ら、俺に喧嘩売ってんのか?」



 しまった……、私はなんて失礼なことを!



「も、申し訳ございません! 償いはこの命――いえ、命はゴルドさんに捧げてしまっているので、それ以外のことであればなんでもいたします! どうか、お許しを!」


「いや、そんなマジな反応されても……。おいゴルド、なんなんだこのお嬢ちゃんは」


「ちょっとワケありでな。世間知らずなんで色々教えてるとこなんだよ。で、まずは美味いモンを食わせてやろうと思ってココに連れてきた」



 ゴルドさんはそう言って私を正面の席に座らせ、自分も隣に座る。



「おい、それならもっとお上品な店があったろうが。わざわざ俺の店に連れてこんでも――」


「もちろん他にも色々連れていくつもりだが、俺はこの店がこの街で一番美味い店だと思ってる。だから一番最初に連れてきた」


「……嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか。だが、そのお嬢ちゃんの口に合うかはわからんぜ?」


「だから色々試すんだよ! とにかく、この店で一番美味いモンを頼むわ!」


「おっしゃ! 腕が鳴るぜ!」



 そう言って店主と思しき初老の男は、腕をグルグルと回しながら店の奥へと消えていった。



「あの……、もしかして、この店って凄く高級な店なのですか?」


「いや? 普通の酒場だぜ」


「でも、この街で一番美味いって……」


「俺はそう思うってだけだがな! だが、これでも貴族として暮らしてきたボンボンだから、舌は肥えている自信はある。その俺が言うんだから心配しないでもいいと思うぞ」


「あ、味の心配はしていないんですけど、もし高級な食べ物でしたら、いただくワケには……」


「金のことなら気にすんな! こう見えて俺はA級の冒険者なんだぜ? 金には困ってねぇ!」


「しかし――」


「んなことはいいから、食の好みとか聞かせてくれよ。これから行く店の指針にすっから」



 そんなことを言われても、私は豆や硬いパンくらいしか食べたことがないので、食べ物を好むという感覚がわからない。

 強いていうなら、余りもので出てきた魚の皮のスープが味気あったなぁと思ったくらいだろうか。


 私がそれを伝えるとゴルドさんは再び悲しい顔をしていたが、そうこうしているうちに料理が運ばれてきたので話は終わりとなる。



「できたぜ! 名付けてベアウルフ三昧! コイツが今ウチで出せる最強料理だ!」



 そうしてテーブルの上に並べられたのは、恐らく肉を焼いた食べ物とスープ、それにこれは……麦?



「げっ……、これベアウルフの肉かよ……」


「なんで嫌そうな顔すんだよ。ベアウルフっつたら全身美味いって評判の高級食材だぞ? 冒険者やってんだから狩るのがどんだけ大変かくらい知ってるだろーが! もっと嬉しそうな顔にしやがれ!」


「わかってるんだけどよ……、どうにも共食い感があるっつーか……」



 ゴルドさんはボソッと言ったので店主には聞こえていないようだが、私にははっきり聞こえた。

 聞き覚えのある名前だと思ったけど、共食いという言葉を聞いてハッキリと思い出す。

 確かベアウルフとは、私達の護衛をしていた冒険者が、ゴルドさんの変身した姿に対し口にしていた名前だ。

 そういう意味では、ゴルド様が共食いという印象を持つのは頷ける気がする。



「まあいいから冷める前に食えよ! 味は保証するからよ!」



 店主にそう言われ改めて料理を見る。

 今まで嗅いだことのないような香ばしい匂いが漂ってき、自然と手が出そうになる。



「っ!」


「ん? どうした? 食っていいんだぜ?」


「し、しかし、今店主様は高級食材と……」


「だから気にすんなって言ったろ! むしろ食わなかったら怒るぞ!」



 ゴルドさんは口にしなかったが、それはつまり命令ということだ。

 命令であれば、従うしかない。

 私は恐る恐る、切り分けられた肉をフォークで刺し、口に運ぶ。



「っ!? ~~~~~~~~~っ!?」



 弾力性のある肉は、口の中に入れた瞬間溶けるように口内に広がった。

 溶けた肉とかけられた調味料が混ざり合い、言葉では言い表せない気持ちが胸いっぱいに広がる。

 思わず顔を上げると、店主は満足そうな顔で笑い「どうだ、うめぇだろ?」と言った。



「複雑な気分だが、こりゃマジでうめぇわ」



 ゴルドさんも夢中になって肉を(むさぼ)っている。

 どうやら、これが本当に美味い料理というものらしい。

 気付けば勝手に手が進み、肉もスープも、麦のような食べ物も、全てあっという間に食べつくしてしまった。

 どれも、信じれれないくらい美味しかった。



「へへっ、満足したみたいだな」


「よく……、わかりません。今までこんな美味しい食べ物は食べたことがなかったので……。ただ、凄い満足感があります」


「顔見りゃわかるぜ。今までで一番幸せそうな顔してるからな」


「っ!?」



 そう言われて顔を触ってみると、目尻が下がり、口角が上がっているのがわかった。

 笑顔……

 人の笑顔を見ることはあったが、自分が実際に笑うのは恐らく10年以上ぶりだと思う。



(これが、幸福感というものなのでしょうか……)



「さてオヤジ、俺も詳しくねぇから尋ねてぇんだが、女向けの店でどこかオススメはねぇか?」


「同業者の俺にオススメの食事処を聞くんじゃねぇよ。……でもまあ、ウチが野蛮人向けなのは間違いねぇからな。お嬢ちゃんのために教えてやらぁ」





 そうして私たちは、紹介された店や評判の店を何件も食べて回った。

 流石にお腹がいっぱいで休憩を小まめに取っていたこともあり、気づけばもう日が落ちかけている。


 宿に戻ると、ゴルドさんが袋から何か丸いものを取り出し、手渡してくる。



「これは?」


「胃薬だ。食い過ぎってのもあるが、嬢ちゃんは普段味の濃い飯や油ものを食べてなかったんだろ? 恐らく胃がビックリしてるだろうから飲んどいた方がいいぜ」



 そう言われれば、最後の方は満腹感とは別にお腹の調子があまり良くなかった。

 私は言われるがまま丸薬を口に含み、迷わず噛み砕き嚥下した。



「……っ! これは、そんなに美味しくありませんね……」


「薬だからな。不味いのは当然だ」



 私は薬を飲むのも初めてだったのだけど、ゴルドさんがくれるものなら何でも美味しいに違いないという勝手な妄信から、何も考えず口にしてしまった。

 遠慮もしなくなってしまっているし、正直調子に乗っていたと思う……



「おいおい、折角さっきまでイイ顔してたんだから、そう暗い顔するんじゃねぇよ。さっきまで食ってた美味いモンのこと思い出せって! それで、嬢ちゃんはどの料理が一番口に合った?」


「それは……、どれも美味しかったですけど、強いて言うなら砂糖入りの卵に浸したパンを焼いた料理が……」


「シュガーエッグトーストな。最近街の女の間で流行っているらしいぜ。やっぱり嬢ちゃんも女の子らしく、甘いモンが好きなんだな」



 私は果物も食べたことがなかったので、甘い物を食べたこと自体が初めてのことだ。

 あんなに口の中が幸せになる食べ物が存在してたなんて……、正直想像すらしたことがなかった。



「一般的な女性は、甘い物が好きなものなのですか?」


「だと思うぜ。少なくとも俺は、甘いものが好きじゃないなんて言う女とは会ったことがねぇ」


「そうですか……。しかし、印象に残ったという点であれば、やはり最初に頂いたお肉の料理が一番だと思います」



 私はあの料理を食べた瞬間、世界が色づいたような、私自身が生まれ変わったような、不思議な感覚を覚えた。

 あれ程の衝撃を受けたのは、生まれて初めてのことである。



「お! そうかそうか! 味の好みが合うのはいいことだ! これからの道中、食生活で気を使わなくていいからな!」


「……? これからの道中、とは?」


「おっと、言ってなかったな。今後の計画だが、まずは俺の実家に戻ろうと思っている」


「っ!? それって、マーズ男爵家ということですか!?」


「ああ、その通りだ。正直メチャクチャ気は進まねぇんだが、嬢ちゃんの境遇をどうにかするにはそれしかねぇと思ってな」



 私の、ために……?

 ゴルドさんは確か、長男の義務を放棄して家を飛び出したと言っていた。

 貴族のルールは知らないが、義務を放棄したというのだから家族関係が上手くいっているとは思えない。

 だというのに、私の境遇をどうにかするために実家に戻ろうとするなんて……



「いけませんゴルドさん。私なんかのために、気の進まないことをしないでください」


「やだね! 俺は嬢ちゃんを幸せにしてやるって決めたんだ。たとえ嬢ちゃんが拒否しようとも、絶対に幸せになってもらうぜ」


「そんな……」



 そんな風に言われてしまうと、断ろうにも断ることができない……

 こうなればやはり、ゴルドさんの負担にならぬよう命を絶つしか……



「あ、自殺も禁止だからな。これは命令だ」


「っ!」



 ゴルドさんは私の心を読んだかのうように、先回りして自害する道を絶ってくる。

 私はゴルドさんの所有物なので、そう命じられれば従うほかない。



「それと、次からは嬢ちゃんのことを名前で呼ぶようにするから、まずは名前を教えてくれ」





 ◇







 ――それから、私とゴルドさんの二人旅が始まった。


 マーズ男爵領はかなり遠く、徒歩だと一か月以上もかかるとのことで、かなりの長旅になるようだ。

 ゴルドさんが変身して駆ければ数日で到着するらしいのだが、日中の移動はかなり目立つうえに、最悪討伐依頼が発令される可能性もあるのでやらないと言っていた。

 それに――



「トリアにはこの世界の常識や一般的な生活を教えなきゃならねぇからな。長旅は丁度いいぜ」



 とのことで、私はゴルドさんから毎日色々なことを教わった。

 幸い私は、家の仕事を手伝うため読み書きを覚えさせられていたので、歴史書なども買い与えられた。

 ゴルドさんが言うには私は物覚えが良いらしく、教え子として見れば大変優秀らしい。

 そんな風に褒められたことなど一度もなかったので、ただ素直に嬉しかった。





「ってだからなんで俺の前で脱ぐんだよ!」


「私はゴルドさんの所有物ですし、何も問題無いかと」


「問題あるんだよ! 普通女の子は、慕っている異性以外には裸は見せないもんだっつってるだろ!? 他のことはなんでもすぐ覚えるのに、なんでこういうことは覚え悪いんだよ……」



 私は別に忘れているワケではない。

 ゴルド様のお話や、書籍で知った常識の通りに振舞っているだけだ。



 ……もう認めてしまうが、私は間違いなくゴルドさんのことを慕っている

 今まで誰かを好きになるという経験のなかった私にとって、これが世間一般で言うところの恋愛感情なのかは正直わからない。

 ただ、こんな風に優しくされたこと自体、生まれて初めてのことなのだ。

 私がそんな感情を持ったとしても、何も不思議はないと思う。


 それでも、私の思いをゴルドさんに伝えることはできない。

 何故なら彼は貴族で、私は平民以下の存在でしかないからだ。


 だから私は、彼の所有物として生きていくことを誓った。

 ただ、元々私の人生は全てゴルドさんに捧げるつもりだったし、やること自体変わるワケではない。

 今まで義務感だったものが、身命を賭した目的に変わっただけである。










 そうして長い旅は終わり、ついに旅の終着点に辿り着く。



「俺が家を出たのは12の頃だから、大体7年ぶりだな。流石に懐かしいぜ。……ようこそトリア、ここがマーズ男爵家だ」


「すごい……」



 目の前に広がるのは、広大な敷地と、とても大きくて豪奢なお屋敷。

 長い旅の中で大きな建物はいくつも見てきたけど、そのどれよりも存在感を感じる(王城を除けばだが)。

 男爵家というのだから大きな屋敷であることは想像していたけど、マーズ家はその想像を明らかに上回っていた。

 これで男爵なのであれば、伯爵や侯爵は一体どれ程の巨大な屋敷に住んでいるのだろう……



「ハッハ! ビックリしたろ! これだけデカい屋敷は貴族の中でも珍しい方なんだぜ?」



 どうやら、爵位の高さに比例して屋敷の大きさが変わるというワケでもないらしい。



「さて、んじゃ入るぜ」



 そう言って私の手を引き、ゴルドさんは堂々と門を潜る。

 その瞬間、凄まじい速度で黒い服を着た人達が駆けつけてくる。

 既に日は暮れかけているので、まるで影が近づいてくるようだった。



「「「「おかえりなさいませお坊ちゃま!」」」」


「よお、久しぶりだな! 相変わらず元気そうにしてるじゃねぇか! ……いや、つーかよく一目見て俺だってわかったな?」


「私共が、お坊ちゃまを見間違うハズありません」


「嘘こけ! こんだけ見た目変わってるってのに、一目見ただけでわかるハズがねぇ! さては、検閲所辺りから連絡を受けたな? ……嫌な予感がしやがるぜ」



 そういえば、領境の検閲所では荷物のチェックとともに、入領者として名前の登録も行った。

 ゴルドさんは堂々と本名を書いていたが、マーズ家の名が記載されれば領主に何らかしらの確認が行われたとしても不思議ではない。

 恐らくだが、私たちは入領した瞬間からマーズ男爵家に捕捉されていたのだと思われる。



 屋敷の前まで辿り着き、執事らしき人達が扉を開いてくれる。



「どうぞお入りください。ご当主様がお待ちです」



 ゴルドさんが珍しく緊張した面持ちで屋敷の中に入る。

 私はどうしようと立ち止まっていると、ゴルドさんに腕を引っ張られ強引に中に招き入れられた。


 中は広々としており、王都で泊まったホテルのロビーを彷彿とさせる。

 その中心に、大柄なゴルドさんよりもさらに大きく見える男性が立っていた。



「……久しぶりだな、親父」



 同じ響きでも、今度は間違いなく父親という意味で使われたことがはっきりとわかる。

 それだけの風格を、マーズ男爵は放っていた。



「フン、体だけはそれなりに成長したようだな」



 ピリピリとした空気を肌で感じる。

 私の気のせいでなければ、あまり歓迎されているようには見えない。



「お前が家を飛び出してから7年。今更戻ってきたのは一体どんな心境の変化があったのか……。やはり、その少女が原因か?」



 鋭い視線が私に向けられる。

 それだけで、私の体はすくんでしまった。



「……まあな」



 それに気づいたゴルドさんが、マーズ男爵の視線を遮るように前に立つ。



「そう睨まないでやってくれ。この子はトリアっていって、聖女なんだがちょっとワケありでな。正式な聖女としては働くことはできねぇんだ。だから、できればウチで面倒見れねぇかと思ってよ」


「……そういうことか。つまり、それをどうにかするためマーズ家の力を利用したいと。放蕩息子が、随分と都合の良いことを言う」


「そいつぁわかってる。……だから交換条件として、俺は家に戻ってもいいと思っている」


「っ!?」



 その言葉に、私の中で衝撃が走った。



「ゴ、ゴルドさん!? そんな話、私は聞いてませんよ!?」


「たりめぇだ。今初めて言ったんだからな」



 ゴルドさんは大したこともなさげに言うが、私からすればとんでもないことだった。



「おやめくださいゴルドさん! 私なんかのために、自らを犠牲にするような真似はしないでください!」



 ゴルドさんは、自由を求めて家を飛び出したのだ。

 その自由を、私のために手放すなんて……、絶対に有り得ない。



「別に犠牲になるつもりなんかねぇよ。俺は最初から、やりたいようにしかやってないぜ」



 そんなの、信じられるワケ――



「娘、ゴルドの言っていることは嘘ではないぞ。此奴(こやつ)は幼い頃から何も変わっていない」


「……?」


「わかりやすいように説明してやろう。ゴルドは、恐らくお主に惚れているのだ」


「っ!?」



 ゴルドさんが、私に、惚れている……?

 マーズ男爵は、いきなり何を言い出すのだろうか?

 言っていることはもちろんだが、話の流れも理解できない。



「つまり此奴はな、交換条件で家に戻るなどとほざいていたが、実際はお主と一緒にいるため口実を作ろうとしたに過ぎないのだよ。自己犠牲でもなんでもない、ただ自分の得となることだけを考えている――というワケだ」



 そんな荒唐無稽な――と思ったが、何故かゴルドさんから否定の声が上がらない。

 いつものゴルドさんであれば、真っ先に「いやちげぇよ!」と否定するというのに。



「……ま、そういう魂胆がなかったワケでもねぇから否定はしねぇよ。だが、惚れているっていうの勘違いだ。俺はただ、トリアを必ず幸せにすると誓っただけだ。その誓いを果たすまで、俺はトリアのそばを離れるつもりはねぇ」



 ゴルドさんの言葉に胸が熱くなるのを感じ、同時に少し寂しさを覚える。

 喜びと悲しみ――この二つの感情は正反対のようでありながら、場合によっては同時に感じることもあるんだな……



「本気で言っているのか? ……だとすれば、お前はとんだ大馬鹿者だ」


「ああ? 貴族が平民に尽くすのがおかしいってか? んなこと今更だろ」


「確かにお前は、幼少の頃から貴族としての自覚がなく平民とも対等に接する悪癖があったが、これはそういう問題ではない。よく考えてみろ、お前は仮にも歳の近い異性に対し『必ず幸せにすると誓った』のだぞ? それは言い換えれば伴侶に決めたと言っているようなものだ」


「っ!?」



 口説き、文句……?

 私は知らず知らずのうちに、口説かれていた……?



「お、俺はそんな意味で言ったワケじゃ――」


「お前がどういうつもりで言ったかは重要ではない。重要なのは吐いた言葉に対する行動だ。お前はここに戻るまでの旅路で、実際に言葉通りの行動を取ったのだろう? そしてそこには、必ず情があったハズだ。縛られるのが嫌いなお前がここまで他者の面倒を見るのは、情以外あり得ないからな。そして、男が女に対して情をもって接すれば、その情は時間とともに愛情へと変わっていくものだ。違うか? 違うのであれば否定してもいいぞ」


「ぐぬっ……」



 ゴルドさんは、まるで痛いところを突かれたかのように言葉を詰まらせる。

 その反応は、マーズ男爵の指摘が事実である証拠……とも思える。

 しかし、本当にそんなことがあるのだろうか?

 少なくとも私は、自身に惚れられる魅力などないと思っている。


 今まで生きてきて栄養のある食事をしてこなかったため当たり前なのだが、私の体はとても発育が悪い。

 今まで同年代の子と見比べる機会がなかったので気づかなかったが、都会で見た同年代の少女はほとんど私より背が高く、発育も良かった。

 ゴルドさんと私の年齢差は5歳だが、恐らくそれ以上に幼く見られていることだろう。

 そんな私のことをゴルドさんが好いてくれているとは、とてもじゃないが思えなかった。



「……そんなことは、あり得ません」



 私が思わずそう口にすると、二人の視線が注がれる

 会話が止まっていたせいか、私が独り言のようにボソッと言った声も二人の耳に届いたらしい。

 ゴルドさんは、なんだかとても悲痛そうな顔をしていた。



「あり得ない、か……。では、その娘には娼館の仕事を斡旋してやろう」


「なっ!? ふざけんな! そんなこと許すワケ――」


「何故だ? お前は娼婦も立派な仕事だとのたまっていただろう。ならば、何も問題あるまい?」


「あるに決まってんだろ! トリアはその、満足に食事も取れてなかったせいで健康面に不安があるし、何よりそれじゃ幸せにはなれねぇ!」


「健康面は我が家が責任を持って面倒をみればいいだけの話だ。それに娼婦は高給取りだ。それで幸せを掴んだものも大勢いるぞ?」


「……っ!」



 私は娼婦の仕事というのがよくわからないので、ゴルドさんが何を怒っているのか理解できない。

 娼婦自体は一度目にしたことがあり、ゴルドさんにどんな仕事か説明を求めたことがあったが、残念ながら教えてくれはしなかった。

 ただ、娼婦の女性は豊満な体つきの人が多かったので、確かに私には勤まらないような気がする。



「……あ~、もうわかった、認めるぜ。俺は、トリアを他の男の手に触れさせたくない。これでいいか?」


「下らん意地を張らず最初からそう言えばいい」


「言ったら、親父はトリアの存在を認めねぇだろうが」


「当然だ。お前には貴族の妻を迎える義務がある。そして、その不和の原因になり得る危険な存在を我が家に招き入れるワケにはいかない」


「最初からその気はねぇっつってんだろうが! ったく、こんなことなら帰ってくるんじゃなかったぜ。トリア悪いな、また別の案を考えるわ。行こうぜ」



 そう言ってゴルドさんは振り返り、私の手を引いて歩き出す。



「行かせると思うか?」


「っ!?」



 背後から声が聞こえたのと同時に、ゴルドさんが私を抱えて横に飛び退く。

 次の瞬間、私がさっきまでに立っていた場所に獣化した腕が突き刺さっていた。



「っ! 親父、てめぇ!!! 俺じゃなくてトリアを狙いやがったな!」


「危険分子は排除して当然だろう?」


「上等だぁ! ぶっ殺してやる!」



 そう叫ぶと同時に、ゴルドさんの手足が獣化する。



「フン、まずは第一段階で様子見か?」


「るせぇ! 手ぇ抜いてる相手に本気なんか出せっかよ!」


「相変わらず甘い」



 ゴルドさんとマーズ男爵は、舌戦を繰り広げながらも凄まじい速度でぶつかり合っている。

 最初は部分獣化だった形態から完全に獣人へと変化し、次の瞬間には下半身を馬に変えさらに速度を増す。

 その後は熊、牛の巨人に変化し……、最後にあの晩見た姿――ベアウルフへと変じた。



「……風の噂で、お前が第六段階(・・・・)に至ったとは聞いていたが……、見事なものだな」


「へっ! 俺みたいな若造に同じ土俵に立たれて悔しいか?」


「悔しい? 喜ばしいに決まっていよう。我が家は安泰だとな」


「ほざけ!」



 ゴルドさんの猛攻を、マーズ男爵は軽々と受け止める。



「だが、まだまだ未熟だ」


「っ!?」



 次の瞬間、マーズ男爵のつま先がゴルドさんの腹部に突き刺さり、壁まで吹き飛ばされる。



「ゴルドさん!」



 慌てて駆け寄り確認すると、ゴルドさんは腹部には4つの穴が穿たれ、大量の血が流れだしていた。

 どう見ても、致命傷である。



「ゴルドさん! ゴルドさん!」



 頭から血の気が一気に引き、溢れるように涙が流れだす。

 傷口を手で押さえるが、当然そんなことをしても血は止まらない。



「……トリア、あぶねぇから、下がってろ」


「嫌です!」


「安心しろ娘、第六段階(・・・・)に至っている以上、その程度では死なん」



 そんなことを言われても、とてもではないが信じられない。



「思い知ったか? お前はまだまだ未熟だ。だが、泳がせておいた意味はあった」


「……ああ? どういう意味だよ」


「言葉通りの意味だ。私は外の世界でお前が成長するのを見込み、あえて好きなようにさせていたのだ。まあ、20歳になれば私自らの手で強制的に連れ戻す気だったがな。その手間が省けたという点では、その娘には感謝してやってもいい」



 それはつまり、私がいなければこんなことにはならなかったということ……?

 そんなことって……



「おいトリア、また変なこと、考えてやがるな? 相変わらず、すぐ顔色に出やがる……」



 モンスターの顔をしていても、ゴルドさんが笑っているのがわかる。

 こんな状況でもこの人は、私を安心させようと笑いかけるのだ。

 本当に、なんて優しい人……

 こんな状況だというのに、私の内からゴルドさんへの思いが溢れてくるのを感じる。

 ……その瞬間、私の手から鮮やかな緑色の光があふれ出した。



「っ!? トリア! お前……」


「ほぅ、聖女というのは偽りではなかったか」



 私自身何が起きたのかと驚いたが、マーズ伯爵の言葉とゴルドさんの流血が止まったことで答えに思い至る。

 この光は恐らく、回復魔術の元となる……、治癒の光なのだ。



「どうして……」



 私は聖女として簡単な知識を学んだことがあるが、才能がなかったためか回復魔術を覚えることはできなかった。

 それが何故今になって使えたかはわからないが、とにかく使えるのならゴルドさんの力になることができる!



「ハ、ハッハ……、マジかよ。今まで何人かの女に思いを告げられたことはあるが、これ程嬉しいと思ったのは初めてだぜ」



 そう言ってゴルドさんは、私を掴んで体から遠ざける。



「いけませんゴルドさん! まだ傷が――」


「大丈夫だトリア、最高に元気を貰えたぜ」



 ゴルドさんは立ち上がり、再びマーズ男爵の元へ近づいていく。



「……何度やっても、結果は変わらんぞ」


「ああ、そうだろうよ。このまま(・・・・)じゃ、なぁ!」



 次の瞬間、ゴルドさんの体から黒い煙が噴き出る。



「っ!? この強烈な魔素……、ゴルド、お前、ま、まさか……」



 その反応で、私はさっきから抱いていた違和感に気づく。

 マーズ男爵は先程、部分的に獣化した際に第一段階と言っていた。

 そして、ベアウルフに変化した際、それを第六段階(・・・・)と言っていた。


 しかし、ゴルドさんは私に部分的獣化を見せた際、「これに加えあと6パターン(・・・・・)バリエーションがある」と言っていたのだ。

 それはつまり――第七段階(・・・・)が存在するということを意味する。



「お、おお……」



 ゴルドさんの変化が終わる。

 その姿は、巨大な黒い狼のように見えた。



「魔狼フェンリル……! まさかお前が、その領域に至っているとは……」


「俺も変化できるようになったのは、つい最近のことだがな。……まあ、んなワケでこれが、今の俺の本気ってヤツだ!」



 同時に放たれた咆哮で、マーズ男爵がバランスを崩す。

 そして次の瞬間、ゴルドさんの体が消えたと思ったと同時にマーズ男爵の体が吹き飛んだ。

 吹き飛んだマーズ男爵は階段に当たって一度跳ね上がり、鈍い音とともに床に落下した。



「やべ、やり過ぎたか?」



 私も死んでしまったのではないかと思ったが、マーズ男爵はうめき声を上げながらも片手で起き上がろうとする。

 しかしそれ以上力が入らないのか、立ち上がることはできなかった。



「流石に頑丈だな。ま、生きててくれて安心したぜ」


「グッ……、貴様……」


「聞こえてるなら、一応別れは告げておくぜ。俺はもう、この家には戻らない。トリアとともに生きていくつもりだ。もし追ってきても、返り討ちにしてやるから覚悟しておけよ。……それじゃあな」



 ゴルドさんはそうマーズ男爵に告げてから、私の方に近づいてくる。



「すまねぇ。こんなことになっちまったから、今後もまた苦労させることになるかもしれねぇ」



 そんなことを言いながら、ゴルドさんはシュンと首を垂れる。

 その姿は大きな子犬のようで、なんだか少し可愛かった。



「フフッ……、何も問題ありませんよ。私は、ゴルドさんと一緒にいるのが、一番幸せみたいなので♪」



 幸せだと断言できなかったのは、私の気持ちにまだ自信がないからだ。

 でも、仮に違ったとしても、私は後悔なんてしないだろう。



「そう言ってくれて嬉しいぜ。さて、こんな所からはさっさとオサラバだ!」



 ゴルドさんはそう言って私を咥えると、首を真後ろに向けて背中に乗せる。

 バランスが悪いので落ちそうと思ったが、毛が勝手に巻き付いてきてしっかりと固定された。



「じゃ、飛ばすぜぇ!」





 ◇





 凄まじい速度で景色が流れていく。

 この速度であれば、確かに500Kmの距離でも2時間はかからないだろう。

 これでも私を気遣って速度を落としているというのだから、恐ろしい話である。

 風除けの結界が張られていなければ、目を開けることすらできないのではないだろうか。



「っ!?」



 会話することも不可能なので黙って流れる景色を眺めていたら、急激に視界がブレる。

 どうやら急停止したらしく、凄まじい負荷がかかり吐き気がこみ上げた。

 しかし、これ以上の粗相をしては罪悪感で死にたくなりそうなので、全力で(こら)える。



「……シルバか」


「お久しぶりですね、兄上」



 顔を覗かせて確認してみると、ゴルドさんの前に身なりの良い若い青年が立っていた。



「何の用だ? 待ち伏せしてた――ってワケじゃなさそうだな」


「そうですね。父上からの伝言を伝えるため、頑張って追いつきました」



 追いついた!? あの速度に!?

 いくら私を気遣って速度を落としていたとはいえ、あとから追って追いつくというのは尋常じゃない。

 それはつまり、彼もまた……



「ハッ! マーズ家は安泰ってか? まさか同じ世代に第七段階に至ったヤツが出るとはな!」


「まあ、これでも努力したんで」


「そうかよ。で、なんだ? 俺を連れ戻しに来た……って感じじゃなさそうだが」


「当たり前じゃないですか。僕としては兄上がいなくなってくれた方が好都合ですからね。兄上がいなければ、労せずマーズ家を継げますので」


「そりゃ良かったな。で、親父の伝言だって? 勘当でも言い渡しに来たのか?」


「いいえ、兄上にはこのままマーズ家を名乗ってもらうことになりましたので、それを伝えよとのことです」


「あん? どういうことだよ」


「簡単なことです。第七段階に至った兄上であれば、今後冒険者としても眩い功績を残すことでしょう。それは同時にマーズ家の名声を上げることにも繋がる。僕としてもそれはとても助かるので、それを伝えるため嬉々として追いかけさせていただきましたよ」



 その言葉に、少なからずゴルドさんが動揺したのが背中越しに伝わってくる。



「あの親父が、そんなことを……」


「まあ、僕に感化されたのだとは思いますけどね」


「……お前は相変わらず、あの家の評価を改めさせるなんて夢を追ってるのか」


「ええ、僕はマーズ家の正当な評価を望んでいますので。ということで、僕からのお話は以上です。あ、それと当然ですが追手は出しませんので安心してください。むしろ定期的に顔を出しに来てもいいのですよ?」


「ドアホ! 二度と行くか!」


「それは残念です。では、用が済んだので僕は行きますね。今後も兄上のご活躍を期待しています。それでは!」



 そう言ってゴルドさんの弟――シルバさんは白狼に姿を変え、一瞬にして走り去ってしまった。



「……ったく、末恐ろしいヤツだぜ」



 その言葉からは、僅かながら安堵感のようなものを感じた。

 よく考えればゴルドさんは手負いだし、戦いとなれば危険だったのかもしれない。



「ま、気を取り直して、行くとするか」


「そういえば、どこに向かっているのでしょうか?」


「ん? 前に聖女関連に詳しい知り合いがいるっつったろ。その人に相談しようと思ってな。折角回復魔術にも目覚めたんだから、そっち方面の勉強もしたいだろ?」



 無知だった私は、知識に対してすっかり貪欲になってしまった。

 だからゴルドさんの配慮がとても嬉しい。



「はい。お気遣いありがとうございます。回復魔術をしっかりと学び、いつかゴルドさんと一緒に冒険したいです」


「いや、そんな危険なことはさせねぇよ!」


「嫌です。さっきも言いましたが、ゴルドさんと一緒にいられることこそが、私の幸せだと思うので」


「……う~む、嬉しいっちゃ嬉しいんだが、少し複雑な気分だな……」


「フフッ♪」



 そんな他愛のない会話をしつつ、私達は再び夜の闇を駆ける。

 その先にどんな未来が待つかはわからないが、ゴルドさんと一緒であれば、たとえどんな困難が待ち受けていようとも何も問題は無いハズだ。


 今が幸せだとはっきり言える日も、そう遠くないだろう。

 ネリネさん、見事にアナタの狙い通りになってしまいました。

 でも、悔しくはありません。むしろネリネさんには最大の感謝を。


 いつかそれを、直接伝えたいと思います。

 それがいつになるかはまだわかりませんが、必ず会いに行きます。

 もちろん、ゴルドさんと一緒に……







 おしまい




>補足

・回復魔術

このステラでは回復魔術が発現しやすいが、そのきっかけとなるのは愛の心と言われている。


・マーズ男爵家

古くから存在する貴族で、引き継がれている秘術『獣変化』による戦闘力が高いため、戦場でも数々の功績を上げている。

しかし、ステラでは獣人に人権が認められておらず、それを想起させる『獣変化』により正当な評価がされないため、男爵止まりとなっている。


『獣変化』の段階ごとの変身状態は以下となる。

第一段階…部分獣化

第二段階…獣人化

第三段階…下半身の馬化(ケンタウロス化)

第四段階…熊に変化

第五段階…牛頭の巨人に変化(ミノタウロス化)

第六段階…狼の顔に馬の体の巨人に変化(ベアウルフ化)

第七段階…巨大狼化(魔狼フェンリル化)

第八段階…???


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私の書く異世界恋愛作品は、全て同じ世界観を共有しています。 物語は独立していますが、設定や用語は共通になりますので、良ければ少しだけでもご覧になってみてください↓
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繋がりのあるお話↓
生贄に捧げられた聖女(?)の前に現れた者は、神でも化け物でもなくイケオジだった――
― 新着の感想 ―
[良い点] ハッピーエンド最高! [気になる点] もう少し長く連載して、色々と掘り下げて欲しかったです。 [一言] こんばんは。 まずは前編・中編・後編とお疲れ様でした。 トリアの、自ら幸せを求める心…
2023/03/02 21:19 退会済み
管理
[良い点] トリアさんの両親と特に兄がクズ過ぎて……、本当に酷いですね。 ネリネさんにも興味を引かれましたので、他のお話も読みに伺うつもりです。 ゴルドさんがケダモノ(笑)と自分で言いつつ、意地でも手…
[一言] 第八段階!! どうなるんだろう( ˘ω˘ )
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