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靴磨きの聖女アリア  作者: さとう
第三章
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その後の聖女

「クロードーっ!! そっちのブルーベリー、こっちに運んでーっ!!」

「ああ、わかった」


 三年後……私とクロードは、メイヤード子爵領地でブルーベリー詰みをしていた。

 なぜ、こんなことになったかというと……まず、私とクロードはカイセル先輩を説得。やる気を出させ、次期国王として頑張ってもらうことになった。

 そして私は魔法の腕を磨き、クロードの記憶を治療……私のことを思い出した。


「アリア、少し休憩しないか?」

「そうね。喉乾いたし」


 椅子に座り、ブルーベリー農園を眺めながら果実水を飲む。

 クロードは言う。


「ところで、ケイムスは?」

「まだ王都。レイラとデート三昧よ」


 ケイムスは、レイラの婚約者になった。

 クロードが王になるつもりがないとわかると、あっさり離れた。そして、なぜかケイムスが気に入り、毎日付きまとっているうちにケイムスも気になり出し、ついに婚約者になったのだ。


「ね、カイセル先輩は元気かな」

「さぁな。メイリアス令嬢と仲良くやっているだろう」


 そしてメイリアス。彼女はカイセル先輩の婚約者となった。

 ま、あっちも聖女だし問題ないでしょ。私は田舎で、のんびり農園で働きながら治療院でも開きますって言ったらあっさり賛成してくれた。

 ま、悪役令嬢ポジションみたいな人だけど、そんな悪い感じの人じゃない。


「な、アリア……その」

「あ、そうだクロード。結婚式いつやる? 学校卒業したし、そろそろ結婚式上げよっか」

「…………」

「ふふ、子爵家の後継者もできたってみんな喜んでるわ」

「アリア……そういうのは、俺に言わせろよ」

「え、駄目だった?」


 クロードは、土で汚れた手で、同じくらい汚れた手をしている私の手を握る。


「アリア、俺と結婚してくれ」

「もちろん。これからもよろしくね……って、クロードの手、怪我してる!!」


 マメが潰れたのか血が出ている。

 私はクロードの手を魔法で治し、タオルでごしごし磨く。

 そして、顔の汗をぬぐい、汚れた靴も磨いた。


「お、おい」

「はい、綺麗になった。ふふ、靴磨きは得意なのよ」

「……さすが、靴磨きの聖女様だよ」


 靴磨きの聖女。

 この呼び方、実はけっこう気に入ってるんだよね。

 そんな風に思い、私は籠に入ったブルーベリーを一つ摘んで口に入れた。

駆け足でしたが、これにて完結です。

次回作はもう少し構想を練ってから投稿します。

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― 新着の感想 ―
[良い点] とても心が温まるお話でした。ありがとう。ただ、後書きにもあるようにボリューム不足感はあります。早い話もっと読みたい!公爵令嬢には痛い目をみてもらう必要がありますしwこの無駄にハイスペックな…
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