サキュバス降臨
こちらの作品は、カクヨム様にも掲載されていただいております。
ハァ〜…お腹空いたよぉ…。
いきなり試練とか言って人間界に放り出さ
れるなんてひどぉ〜い‼︎
これからどうすりゃあいいのさー‼︎
夜の空を飛び回るわたし。
あ、わたしはサキュバスなんだけど猫との
ハーフちゃん♡
…
なんてかわいく言ってるけどさ‼︎
実際いきなり猫耳羽あり尻尾ありの女が現
れたら、みんなドン引きだよね…⁈
あーお腹空いたー‼︎
「お腹空いたよー‼︎」
‼︎
アレっ⁉︎
あの制服着た学生さん…
さっきからこっち見てる？
ってか、わたしのこと盗撮してない⁉︎
ぴゅ〜っ
と地上に降りてみた。
トンっ。
「ちょっと、あなた今何してたの？」
「うおっ…あ…あのー珍しい生き物が飛んで
たからつい」
…
ジーっ
「えっ…なんっすか」
なかなかのイケメンじゃない♡
「ねー、あなた夜ご飯何食べた？」
「は？カレーだけど…」
「カレーかぁ。食べたい‼︎ねーキスして」
⁉︎
「はぁー⁉︎意味わかんねーし‼︎ってか、なら
盗撮のお詫びにカレーおごりますよ。すぐ
そこにカレー屋あるし」
ぐいっ。
「えっ？」
「キスして。カレー食べたい」
…
「あのー…いくら夜だからって一応ここ人が
通りますんで…キスとか…ってか、恋人じ
ゃないし、キスなんてできません」
「あ…そ、そうだよね。人間ってそんな感じ
なんだね。そっか…なら、まず人間と交際
ってやつからはじめないとご飯にありつけ
ないってことか…あ、じゃあ失礼しました
…」 ぶつぶつ…
…試練失敗…
よし、他をあたるか…
ぐらっ
「お、おい！大丈夫かよ」
「あー、さっきの盗撮人間…まだいたのです
ね…」
「まだいたのかって…そりゃ数秒しか経って
ねーし…。ってか盗撮人間って…おい‼︎、
大丈夫か⁉︎」
あー、どんどん意識が遠のく…
もう…ダメだ…
「あー、イチカバチカだ‼︎」
チュ〜♡
チュルルルン♡♡
「あー、お腹いっぱ〜い♡死ぬかと思ったわ
ー。カレーごちそうさま！じゃありがとね
ん♡」
…
ピュ〜っ
あっという間に飛び立つサキュバス。
えっ？
今のって夢⁉︎
暗くてよく見えなかったけど、サキュバス
だよな⁈
飛んでるし…
んっ⁉︎
もしかしてー…
…
キス逃げ⁉︎
えっ？
やり逃げならぬキス逃げ？
何⁇
どういうこと⁉︎
と思う少年なのでありました。
あれは…夢。
うん。夢。
…でもくちびるの感触が。
‼︎でも夢‼︎
そういうことにしておこう。
で、次の日学校にて。
「じゃー、みんな席につけー。転校生を紹介
する。」
ガラッ
‼︎
サ、サキュバス…
昨日ーのサキュバスじゃん‼︎
髪の毛で耳隠してる…
羽と尻尾もしまいこんでる…
に、人間になりきってるじゃん‼︎
「はあぁー…マジかよー」
オレは机に顔を伏せた。
「おぉ、三木谷寝るなー。あ、ちょうど三木
谷の隣空いてるから咲蓮さん三木谷の隣な
ー。」
マジかー…。
「うおー、かわいい♡」
「マジかよ。三木谷ー‼︎」
と、男どもが騒ぎ立てる。
…みんな騙されんなよ。
こいつサキュバスなんだぞ…
…
「よろしく！三木谷くん。昨日は、ごちそう
さま♡で、早速なんだけどお腹空いた」
「はぁっ⁉︎」
「おい、三木谷静かにしろー」
…先生に怒られたじゃん。
…
ぐぅ〜。
キュルキュル〜。
グルルぅ〜。
あーもー、しゃーねーなー…
「なぁ、消しゴム落としたから拾って」
「えっ、自分で拾いなさいよ」
「いいから、早く」
？なサキュバスが消しゴムを拾おうと席を
立ちしゃがんでオレのそばの消しゴムを拾
った。
なので、オレはそれを受け取るフリをして
顔を傾けてサキュバスにキスをした。
「んっ♡…」
チュルルルン♡
パァ〜ッ
「あ、朝ごはん。フレンチトーストだ」
「あたり」
「ごちそうさまでした♡」
…
やっぱりこいつキスするとほんとに満腹に
なるんだ…
オレが食べたものがキスするとこいつにも
移行する？のか⁈
オレはサキュバスをジーっと見入った。
…
あ、よく見るとすんげーかわいい。
…
ってかさー‼︎
オレの…オレの…
今さらだけどオレのファーストキス
サキュバスのご飯のために奪われた‼︎⁉︎‼︎
…
バタっ。
「おー、三木谷ー。寝るなー」
…本日二度目の注意。
…
これからどうなるんだー‼︎
オレー‼︎
続く。
