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ベニスト3世

チョッダルカン王国の王子、ベニスト3世はダスキニアン帝国に向かう道中、西側のパームサレンダー村に寄り道をした。パームサレンダー村はジョックヘモン卿が治めるスラべ国の支配下で村人達はポンへという動物を飼っていた。村で一番大きいポンペ小屋はパームサラブィー川のほとりにあるベルムサライという建物と隣あっていた。


「この光景はまるでザキアヌスのナンテセウスの様だ。」


王子は言った。だがザキアヌスのナンテセウスはこの光景よりややベルムサライとポンペ小屋の距離感が左に34メートルほどずれていて、どちらかというとモジダのヌチツルマンの様だった。しかしだからと言ってこの光景がザキアヌスのナンテセウスらしくないかというとそうとも言い切れなかった。何より角度が非常に似ていたし、左からこう斜めに来る感じがベルムサライとポンペ小屋の迫りくる雰囲気と非常に良く似ていた。モジダのヌチツルマンはそれよりもっとこうよくある感じの位置で収めてくる傾向がある光景で、決定打にかける印象を残した。


王子は家来に言った。


「ダスキニアン帝国はどんな所じゃ。」


家来は言った。


「右の方はいいんですけど左の方がよくない感じですね。」


王子は怪訝な顔をした。


「どこが右でどこが左じゃ。」


家来は言った。


「入ってすぐの所が右なんですけど、ずっと道があって、真ん中くらいから左になってきて奥から完全に左になるんですけど、やっぱ左はあんまりよくないんで右でやめといた方がいいですね。」


王子は答えた。


「それでは右にとどめることにしよう。真ん中のどのあたりまでは右になっているのだ?」


家来は言った。


「上の方が下と違う感じの色になってるんでそれがかなりすごい感じになってきたあたりですね。だいたい斜めの角度からこう沿うような感じで左っぽい色になってくるのでそれを目安に進んでくれれば大丈夫だと思います。ただあんまり勢いよく進んでしまうとたまに左擦れ擦れの所に来てしまうので、こうゆっくり右から真ん中のあたりまで行っていただいて、上と下の間くらいの色がこう明るくなってくるあたりでビューっと勢いつけて逆に進んでもらえばそんなに右の方に行かないですむんで、でも暗い所だとかなり右っぽい色の左もあるんで、そういう時は上見てくれればだいぶ下と違うんで大丈夫だと思います。」


王子は言った。


「そうか。上の方はどんな色になっている。」


家来は答えた。


「だいぶ切ない感じの色になってます。」


王子は言った。


「青より切ないのか?」


家来は答えた。


「青ですか。あの水道出す奴につけるホースの色に比べるとだいぶ切ないんですけど、高2の時履いてたジーパンに比べるとそんなに切なくないです。」


王は聞いた。


「今は履いてないのか?」


家来は答えた。


「一応タンスには入ってるけどもう履かないですね。」


王子は聞いた。


「売ったりしないのか?」


家来は答えた。


「売れないですね。ブランド物ではないので。傷もついてるんで。」


王子は聞いた。


「どれくらいついてるのだ?傷。」


家来は答えた。


「けっこうありましたね。全体的にいっぱいついてました。」


王子は聞いた。


「100より多い?」


家来は答えた。


「100・・・まあ小さいのも含めたら100くらいいきますかね。真ん中に大きいのがついてるんですけど、その下に中くらいの奴があって、そこを中心に15から18くらいかな、かなり小さい奴がついてて、右の方にも中くらの奴が3つ並んでて、でその中の右の奴と左の奴の間に最初に言った中くらいの奴の周りにある小さい奴とおんなじくらいの奴がいっぱいついてるんですよね。」


王子は満足して言った。


「そうか。それならばダスキニアン帝国への旅を始めるとしよう。案内をしてくれ。」


家来は言った。


「分かりました。前へまっすぐ進むといけるんでずっと前の方にまっすぐ進んで下さい。足は後ろから前に出して下さい。前から後ろに出すと戻ってしまうので。この間ここに来た人がさっきついたらしいので、けっこう歩いてればすぐ着くと思います。だいぶ前に三人くらいあっちから逆に来たんですけど二人くらい来れなかったんでだいたい一人くらいの人数でこっちきてすごい時間かかったと言っていたんでそっちの方に着くまでの時間より長くかかると思います。それで左の方から風吹いてるんですけど右の方に吹いてからもう一回戻ってきて左に吹いてくるんで逆にそれで真ん中で合わさって風吹いてないのと一緒になるんで風は吹きません。で上の方が暗くなってくることあるんですけどその時は下も暗くなってきて大変なのであっちの方に明るいのが出てくるまで暗い感じで我慢してください。明るい奴は最初前の方に出てくるんですけどだんだん上の方にきて斜め方向に後ろへ行くんで、その時はまた暗くなります。でも全部前の方にいけば結果的に西なんでそれが。そういう感じでよろしくお願いします。」


王子は言った。


「分かった。」


ダスキニアン帝国への旅路は始まったばかりだ。

時代は私の実家の前の通りでよく工事をやっていた頃より1300年程前のことだ。

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