04 プロジェクトと友人の仲直り:結果
プロジェクト参加メンバーに声をかけて、会社の外へ。
俺は友人との仲直りを選ぶ事にした。
建物の外に立っていた人間に声をかける。
「よう、久しぶりだな」
あいつの顏はすぐに分かった。
俺は、できるだけ笑顔を浮かべて近づく。
だが、あいつの表情は変わらなかった。
「ああ、久しぶりだな」
俺は、そのままあいつに近づいていく。
あいつは、ポケットに手をつっこんだままだった。
気まずい思いをしながら、アイツの目の前に立った。
「覚えてるか? 最後に会った時の事」
「忘れるもんか、忘れられるわけがねぇ」
それは数年前にあった出来事だ。
友人は俺のせいで、栄光を掴み損ねてしまった。
だから、それを謝りたかったのだ。
「あの時の事は」
「今更謝っても遅いんだ。お前の人生もめちゃくちゃにしてやる」
わき腹に鋭い痛み。
視線を向けると、ナイフがささっていた。
ぼうぜんとしていると、あいつが逃げていくのが見えた。
ああ、やっぱり。
俺はこうなる事が分かっていた。
それでもきっとこの選択肢を選んだ事を後悔はしない。
血が足りなくなって地面に倒れ込みながら、俺はアイツに向けて謝罪の言葉を呟き続けていた。