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嘘つき英雄と嘘の妹 ~旧版~  作者: 野良犬タロ
ロキウス編
82/101

#82 廃棄場


~とある魔術師(メイジ)の女 ???~


「ん・・・!」

 頭がクラクラする。

 目を開けたらまだはっきり物が見えないけど何か真っ白な部屋にいるって事だけ分かる。

「・・・!」

 視界がハッキリしても真っ白な何もない部屋だった!

「え、ここ、どこ・・・?」

 私、確か街中で買い物中に後ろから誰かに殴られて・・・。

 で、目が覚めたらなんでこんな真っ白な部屋の中にいるの?

「あ! えと・・・。」

 目の前に人がいた!

 けどその人間はおかしい。

 服は全身に覆えるほどだが何処かの奴隷みたいに一枚の布だけの子供だった。

 けどその子の顔には仮面が付けられていて顔が隠れている。

 鉄の様な鈍い銀色の無機質な仮面だ。

「えと、声急にかけてごめんね? 私、あなたの目の前にいるんだけど・・・。」

 顔全体が隠れる程の物だったので正直前が見えてないだろうから言ってる事はおかしくない。

「あなたも此処に連れて来られたひと・・・?」



『目が覚めたか。』



「!!」

 急に何処からか声が聞こえてきた!?

 目の前のこの子じゃない!

 部屋中に反射して方角までは分からないけど遠くから普通に喋っている感じなのに大きく聞こえる声だ!

「誰!?」

『詳しく説明する暇はない。君は実験台だ。』

「じ、実験台!?」

 何の実験!?

 私、何をされるの!?

「何よ実験って!!」

『目の前のそいつが今から君を殺しにかかる。死にたくなければ死ぬ気でそいつを殺せ。以上だ。』

「は!? なにそ・・・ッ!!」

 声に食って掛かろうとしたけどすぐにやめる。

 目の前の子供がいきなり服の背中から短剣(ナイフ)を取り出して襲い掛かって来たからだ!

「くっ!」

 丁度近くに落ちていた自分の杖を拾って短剣(ナイフ)を止める。

 ある程度体術の心得はある。

 本来私は魔法を使って戦うが、詠唱中に襲い掛かって来る敵にも対応できるように護身程度の物だが自分の身を守る程度には戦える。

 子供は尚も短剣(ナイフ)で私を殺しにかかるがなんとか杖で捌いて防ぐ。

 距離を空けられれば・・・!

「くっ・・・せぇいッ!!!」

 数発目の短剣(ナイフ)を止めて鍔迫り合いに持ち込んでから杖に力を込めて子供を振り払う。

 殴られる負傷(ダメージ)を嫌ってか、子供は後ろに跳んで距離を取る。

 今しかない!!

(グラス)(カーン)放出(ホレッシ)!」

 高速で魔法を詠唱する。

 一対一(タイマン)で大技の詠唱は隙が大きすぎる。

 だからこその初級魔法の『氷弾(アイシクルバレット)』で・・・!

「・・・!」

 子供の様子がおかしい・・・!

 急に脱力したかと思うとゆらゆらと揺れ始める。

「ッ!?」

 何か違和感を感じた!

 魔覚による魔力の感じじゃない!

 けど明らかに空気が変わったような・・・!

 明らかに普通の状況じゃない!

 間違いない、何かしてくる気だ!!

 早く倒さないと・・・!



氷弾(アイシクルバレット)!!」



 詠唱を完了させ魔法を発動させる。

 だが・・・。

「・・・え?」

 何も起こらない。

「な、なんで!?」

 杖の先から放たれるはずの氷の弾丸が飛ばない。

 私の魔力は疲弊していない。

 充分に魔法が発動する程の量はあったはず・・・!

 こんなのあり得ない!

 魔法を無力化する結界が周囲に張られているなら魔覚で分かるはずだけどそれも感じない!

 どうして!?

「ッ!!」

 気づいた時には子供に一瞬で距離を詰められていた!

 魔法の不発に動揺している隙を突かれた!

「くっ!!」

 咄嗟に杖で防ごうとしたが無駄だった。

 子供は私の杖をすり抜けて短剣(ナイフ)を突き出してきた。

「あっ・・・!」

 短剣(ナイフ)が腹部に深々と刺さった・・・!

「うあああぁぁぁぁ!!!」

 あまりの激痛に倒れてのたうち回る。

「うぅ・・・あ!」

 そんな私に子供は慈悲を与えずに短剣(ナイフ)を逆手に持ち、頭の高さまで上げ、今にも私に振り下ろそうと構えていた。

「嫌・・・いやだ・・・!」

 死にたくない!

 こんな訳の分からない場所で死にたくないッ!!



「た、助け・・・ぎゃあああぁぁ!! ぐぎゃああああぁ!! あぐ・・・ぅあ・・・!」



 私の目の前の光景は真っ赤に染まり、そのまま真っ暗になった。



~室長 研究所(六年前)~


「す・・・すごい・・・!」

 何が起きたか分からなかったがとにかくすごいとしか言いようが無かった。

 単体の魔術士(メイジ)とは言え、冒険者をあんなにあっさり殺せてしまう戦闘能力、兵として量産できれば間違いなく他国に対抗できる戦力だ!!

「しかし、今になってどうして・・・!」

 今までは上手く行かなかった。

 人間の脳を解析して調べてある程度の理論は出来上がっていたが実際に調整しても能力が発現しなかったり被験体が壊れたりで成功しなかった。


「理論は小さな矛盾だらけでした。それに調整器機の周波数、投薬の分量、技術的な面に於いても細かな微調整がなっていません。()が調整しなければあの被験体も死んでいたでしょう。」



「ああ! 君が調整・・・ッ!!」

 調整してくれたであろう研究員の声が聞こえて振り向いたが言葉を詰まらせる。

「き、君は・・・!」

 目の前には、見覚えがある、いや・・・!

 今()()()()()()()()()人物が目の前にいた!

「ラ、ラベスタ君・・・!」

「どうしました? 幽霊でも見るような顔をして。」

 彼女は問いを投げながらも不敵に笑みを浮かべながら私の目を射抜く様に真っ直ぐ見ていた。

「君が何故ここに・・・!」

「私が此処に居てはいけないのですか? 散々私の能力を買って勧誘(スカウト)していたのに。」

「そんな事はどうだっていい!!」

 あんな目に合っておきながらこの研究に携わるなんて絶対にこの女は何かを企んでいる!

「誰かこの女をつまみ出せ!!」

 周りの研究員に呼びかける。

 だが・・・。

「な!?」

 研究員の二人組が何故か左右の私の腕をそれぞれ掴む。

「何の真似だ!!」

「室長、今日は疲れているんですよ。」

「研究の成果は出たんです。今まで苦労された分お休みになってください。」

「!!」

 私に呼びかけるそいつらの声色は優しい物だが明らかにわざとらしい、大根役者の芝居のように心にも無いような嘘くさい言葉だった。

「は、離せ!! 私じゃない!! この研究室からこの女を・・・!」

 叫ぶ私の声も聞かず研究員の男たちは私を引き摺って部屋を出ていこうと歩き出す。

「ああ、そうそう。」

「!」

 ラベスタは何かを思い出したかのように言葉を発する。

「この研究のデータ、『出資者』にも行くんですよね?」

「!!?」

 出資者・・・私が実業家として傘下にしている企業の重鎮達が多い!

 その事を知っていて口に出すとは、まさかこの女・・・!

「せいぜい『研究者』として恥をかかないように頑張ってくださいね♪」

「き、貴様ぁぁぁッ!!」

「あはははははははは!!!」

 怒り狂いながらつまみ出される私を、この女は嘲笑いながら眺めていた。




~ティル B.R.A.I.N基地~


「ハァ・・・ハァ・・・!」

 自分にサイコキネシスを掛けて浮遊したので私はあの穴に落ちなかった。

 でもあまりに咄嗟の出来事だったから兄さんたちを助ける事は出来なかった。

 兄さんたちはあっという間に床下の闇の中に吸い込まれて見えなくなった。

 見えなくなったらサイコキネシスで捕まえる事は出来ない。

「うぅ・・・!」

 私がもう少し早く事態に気づければみんなは・・・!



「はい、皆さんボッシュートになりまーす! ってね。」



「・・・!」

 私の目の前で彼女は場違いな冗談を口ずさむ。

「レッサさん・・・!」

 彼女も私同様に自分を操って浮遊していたので落ちなかった。

「ん~? なに~? ティル~?」

 ふざけた口調でレッサさんは私を見る。

「この穴・・・何処に続いているんですか?」

「あー、やっぱり気になっちゃう?」

「教えて下さいッ!!」

「『廃棄場』♪」

「廃棄・・・?」

 それって・・・!

「ママが使えないゴミを廃棄する『ゴミ捨て場』♪ ふふ♪」

 軽く鼻で笑うと笑顔のままレッサさんは私を睨むように真っ直ぐ見る。



「本来あんたが行くべきだった場所よ♪」



「・・・!」

 この言い方・・・明らかに普通の場所じゃない・・・!


~ウルド ???~



「う・・・うぅ・・・!」

 あんな高い所から落ちたのに生きてる?

「?」

 目の前が暗くて分からない。

「ッ!!」

 なんだこの臭い!!?

 臭いッ!!

 何日も放置した肉や野菜みたいな腐敗臭が辺りに立ち込めている。

 しかも下には何か柔らかく、べとべとした何かがある。

 気持ち悪いが多分これのおかげで落ちた衝撃で死ななかったのか?

「おい!! 誰かいるか!?」

(お兄ちゃん、気が付いた?)

「!!」

 ルタの声だ!

「ルタ!」

(しっ!)

「む!?」

 急に何かに口を塞がれる。

 恐らく目の前まで来ていたルタが口を塞いできたんだろう。

(・・・どうした?)

 俺が意図を察したのを察してルタが手を放したので小声でルタに話しかける。

(起きた時に魔覚で辺りを調べたけど、ちょっと離れたところに何かがいる。)

(何か?)

(お兄ちゃん今指輪外してる?)

(あ、ああ。)

(じゃあ魔覚で確認してみて、多分分かる距離だから。)

(おう。)

 ルタに言われるまま目を閉じて米噛みに手を当てて魔覚で探知する。

「!!」

 周囲に僅かな魔力が数個あるがこれはライやメロ、仲間の魔力だろうが少し離れた所から何か異様な魔力を感じる。

 黒に赤や青や緑が混ざったような・・・まるで絵の具を色々混ぜすぎて黒くなったような気持ち悪い色だ。

 しかもそれがドロドロと溢れたバケツからこぼれる落ちるように下に流れていくような感じだ。

 生き物の魔力は本人の精神性から違いが出て来る物だ。

 どんな精神状態になったらこんな気持ち悪い魔力になるんだってくらいに嫌になる。

(ッ!)

 すぐに魔力探知をやめる。

(ね?)

(つーか、なんなんだ此処・・・俺らやそいつ以外にも下から魔力感じるんだけど・・・。)

 探知しているとき、辺りの異常に気付いていた。

 俺達の足元、この場所の地面に当たる所から僅かだが煙のように黒い魔力があふれている。

 けどこの感じには覚えがある。

 廃墟や墓場だ。

 そう言った場所は恨みや怨念が残っているせいか、暗い色の魔力が立ち込めているときがある。

 その感じに似ていた。

(此処ってまさか・・・。)

(とにかくみんなを起こそう!)

(ああ。)


---俺達は二手に分かれてみんなを探して起こした。

 暗くて何も見えなかったが、幸い、魔覚で位置を把握できるので探すのには手間はかからなかった。

 ただ、グラに関しては見つけたはいいけど獣人の鼻の良さのせいか、起き様に辺りの腐臭に耐え切れず、また気絶したので機動部隊の一人に荷物として持たれている。

(みんな無事みたいだね。)

(ティル姉がいないみたいだけど・・・。)

(多分サイコキネシスで飛行して落ちなかったんだろうね。)

 ディグが問いを投げるとフレッドは冷静に状況を教えてくれる。

(そうか。とりあえず合流出来て良かった。)

(灯りを付けたい所なんだけど・・・。)

(しゃあねぇな。)

 ルタが気まずそうに言葉を逃がすとライは仕方なさそうにため息をつく。

 起こすついでに例の『奴』の事も伝えている。

 灯りは気づかれる可能性もある。

 魔力の質からしてどう考えても普通じゃない。

 見つかれば問答無用で襲い掛かって来る可能性は大だ。

(ビルド達はどうする?)

 一応近くに落ちていたので連れて行こうと思えば連れていける。

(決まってんだろ。置いてくぞ。)

「・・・。」

 少し心が痛むが状況が状況とは言え敵だ。

 しかもこう暗闇なら俺達はともかく魔覚を使えないライであれば背中を狙われかねない。

 起きないのなら放置しておくのが賢明だろう。

 けど・・・。

(え、お兄ちゃん?)

 歩を進めた俺の様子に魔覚で気づいていたルタは声をかける。

「ぐ・・・く・・・!」

 目の前にいるビルドは虫の息だが生きている。

「ぐ・・・?」

「・・・。」

 俺は奴の腕を取り、両肩で担ぎ上げる。

「だ・・・れだ・・・?」

「美女じゃなくて残念だったな。」

「・・・! てめぇ・・・!」

「妙な真似しやがったら殺すからな。」

「ちっ・・・!」

 助けられながら生殺与奪を握られている状況にビルドは忌々しそうに舌打ちをする。

(正気!?)

(馬鹿かお前!)

(かもな。)

 敵とは言え助けなかったら後悔しそうな気がしたからだ。

(なら無駄かもしれないが、一応拘束しておこう。捕虜の拘束具は機動部隊に持たせている。)

(助かる。)

 フレッドが良い提案をしてくれたのでビルドを運んで機動部隊員に渡す。

 テルも同じように見つけて渡した。

(さて、あとは・・・。)

 エベッカ、先ほどの戦闘で隠れていた陰気臭い女だ。

 だが奴は元来の魔力の薄さのせいか、見つけるのは困難だ。

 けどあいつも怪我をしている。

 見捨てれば助からないかもしれない。



「ぎゃああああああぁぁぁぁッ!!!!」



「!!?」

 突如叫び声が聞こえる。

 声の方角に魔覚を集中させると僅かな魔力を感知出来た。

「エベッカか!」

「い、嫌だ!! 嫌だぁ!!」

 叫び声と一緒にウゴウゴと内臓の様な物が動く音が聞こえる。

「放して!! 嫌だ!! ()()()()()()()()ッ!! 嫌あああああああぁぁぁぁぁ・・・・・・!!!」

 エベッカの叫び声が急に小さくなった何処かへ連れ去られたみたいだ!!

「くそッ!!」

 俺は走り出す。

「お兄ちゃん、そっちは・・・!」

「分かってる!! みんなはそこに居ろ!」

 エベッカが連れ去られた方角、それは『奴』の魔力の方角だ。



---「ハァ・・・ハァ・・・!」

 しばらく走ると『奴』とは目と鼻の先の距離まで来ていた。

「やだ!! やだやだ!! 助けてぇ!!」

「!!」

 エベッカの声だ!

 だが声の位置が若干高い位置にある。

 何かに捕まっているみたいだ。

「くっ・・・! 待ってろ! 今助けるッ!!」

 そう言ってエベッカの高さまで跳び上がり、魔力の手探りで彼女に捕まる形で掴む。

「!?」

 彼女を捕まえているのが何か探ると腹部辺りに何かが巻き付いていた。

 何かドロドロの液体のついたぬるぬるとした気持ち悪い蛸の触手のような何かだ。

「ッ!!?」

 俺の腹部にも巻き付いて来た!!

 エベッカから離れる形で持ち上げられる。

「くッ!! このッ!!」

 剣を即座に抜いて自分に巻き付いて来た触手に突きたてたが離れない!!

 なんなんだこれ!!?

「嫌だ!! ひぃ!! うぶぅ!!」

 エベッカの声が急にくぐもる。

 何かに頭から咥え込まれたみたいだ。

「むぐぅ!!! んうぐぅぅぅ!!!」

 彼女の声と共にバタバタと足音が聞こえる。

 咥え込まれていない足で必死に抵抗しているのだろう。

「うぶうううぅぅぅ!!!!!」

「ッ!!?」

 突如じゅるじゅると何かを吸い上げる音と共にエベッカはくぐもった叫び声をあげる。

 一体何をされているんだ!!?



(フラム)(カーン)放出(ホレッシ)・・・炎球(フレイムボール)!!」



「!?」

 突如魔法の詠唱が聞こえたかと思うと俺の横を炎の球体が通り過ぎる。

 そしてそのまま前方の何かに当たると爆弾のように爆ぜる。

「グギィァァァ!!」

 おぞましい叫び声と共に俺に巻き付いていた触手がほどけ、俺と一緒に近くでドサっと何かが落ちる。

 恐らくはエベッカだ。

 拘束を逃れたみたいだ。

「お兄ちゃんのおばかさん。」

 後ろから魔法を撃った張本人の声がする。

「ルタ、お前ついて来て・・・!」

「もう百パーバレたから仕方ないか。」

「・・・すまん。」



(フラム) (カーン) 発現(エクスプレッション) 停滞(スタグネーション)・・・赤の灯火(レッドライト)。」



 ルタが魔法を唱えると炎が灯る。

 灯りは杖の先から灯っていた。

「エベッカは・・・!」

 すぐに彼女の元へ駆け寄るが・・・!

「ッ!!?」

 見るも無残な姿だった。

 咥え込まれていなかったと思われる足はそのままだが、問題の上半身はミイラの様に干からびていた。

「ッ!! くっ!」

 また触手が飛んで来たのでなんとか反応して躱す。

「くそっ!!」

 触手を飛ばしてきた犯人を見る。

 その姿は・・・!

「おいおいおい・・・なんだこいつ・・・!」



~ティル B.R.A.I.N基地~


「どう言うことですか・・・? あの先に何があるんですか・・・?」

「だからゴミを捨てる場所だってば! ま、中には捨てても周りの失敗作を食ってでも生き残る奴がいてね? さらにその中には食べた奴を自分の一部にしちゃう奴がいるって言うえげつな~いお話♪ あたしも話に聞いただけで実際見た訳じゃないけどさ♪」

「レッサさん・・・! 正気ですか・・・?」

「なにが?♪」

「ビルドさんやテルさん達も落ちたんですよ!?」

 私と違ってレッサさんは事態に気づいていた。

 と言うかこの事態を引き起こした本人だ。

 助けようと思えば助けられたはずなのに助けなかった・・・!

「え~、だってあいつら使えないしぃ~。」

「!!?」

 この人・・・!

「仲間ですよ!? なんでそんな・・・!」

「仲間? あんた、そんな物信じてんの!? あははは!! マジウケる!! あっはっはっはっは!!!」

「・・・!」

 私の言葉を信じられない言葉でレッサさんは嘲笑う。

「あいつらも所詮は私にとって蹴落とし合いの『敵』よ。実験結果で成績を出せなかったらいつだって捨てられる。それにあいつら『男』としてもゴミよゴォミッ!!」

「そんな言い方・・・!」

「女を性欲処理の道具にしか考えてないバカに未だにお母さんの愛情とか信じてるキモ野郎、そんな奴わざわざ助ける価値ある? 使えないくせに? 所詮は利用価値しか存在意義ないんだよ あんなやつら!」

「ひどい・・・!」

「あーあー、お優しい天使ちゃん演じてるとこ悪いけどさ・・・。」

 そう言いながらレッサさんの顔から突如笑顔が消える。

「あんた。今の状況分かってる?」

「ッ!!」

 そう言うとレッサさんは両手を広げる。

 すると壁から掘り起こされるように瓦礫が何個も引き寄せられてレッサさんの周りに集まる。

「さっきはどうもありがとう。あんた、お仲間と一緒にイキって寄ってたかって何しようとしてたわけ? この私に向かって!」

「あ・・・あぁ・・・!」

 状況は最悪だ!

 さっきはメロさんがいたから何とか互角に戦えてた。

 そのメロさんがいない・・・。

 今の私は・・・!



「さぁて、ラウンドツゥ~♪」



「ッ!!」

 私も両手を広げて瓦礫を集める。

「ファイ♪」

「くっ!!」

 レッサさんが瓦礫を飛ばすと同時に私も瓦礫を飛ばして応戦した。

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