#8 本当の理由
~ウルド 自宅~
レレとルタが食事を持ってきてくれた。
動けない身としてはありがたいことだ。
「で?」
まずは目の前の状況にツッコませてくれ。
「なんでお前らも一緒の部屋で食うわけ?」
レレとルタはわざわざ俺の部屋に椅子を持ってきてトレーを膝に置きながら食事していた。
「なんでってお兄ちゃん、動けないから食事不便でしょ?」
「ぐっ・・・!」
看病に関してはレレに釘を刺されただけに断りづらい・・・!
「で、レレは?」
「それは、その・・・そう! 見張ってんの! 看病に託つけてあんたが妹さんに変な事しないかをッ!!」
「なんでだよッ!! 普通逆だろッ!! こいつの方が前科あるだろついさっき!!」
「お兄ちゃん? 『男は狼』って言葉知ってる? 男女が二人同じ空間にいてまず信用されないのはいつだって男の方なんだよ?」
「おお? 『羊の皮を被った狼』がいけしゃあしゃあとよく言いますなぁ!」
「ふぅたぁりぃとぉも?」
「「すいません。」」
レレのドスの入った声に俺とルタは速攻で口論を止めて謝罪する。
「それじゃ早速・・・。」
「?」
ルタはスプーンでスープを掬い、俺の口まで運んでくる。
「・・・おい。」
「あーん。」
「やらねぇぞ。」
「あーん。」
「・・・。」
「あーん。」
「だからやらねぇって・・・う!」
なんか視線を感じる。
ヤバイ!
看病拒んでるから多分レレが怒ってる!
「・・・?」
レレに視線を移すと・・・。
「ぁぁ・・・ぁぁぁ・・・!」
「・・・?」
何故か顔を真っ赤にして慌てふためくように両手を口元に添えながら俺を真っ直ぐ見ていた。
「レレ、どうした?」
「え、いや、何でも!? そ、そうだよね! ウルド怪我人だし、仕方無いよね! ほら、食べさせて貰いなさいよ!」
「・・・?」
なんか様子がおかしい。
「あーん。」
「・・・くっ!」
ウゼェ・・・!
けど他に選択肢ねぇし・・・。
「あー・・・。」
口を空け、今にも食べそうな時・・・。
「・・・。」
途中でやめてレレに視線を移すと・・・。
「くぅ・・・!」
レレは何やら歯を食い縛るように力んだまま目をぎゅっと閉じてそっぽを向いていた。
「レレ・・・。」
「・・・な、何?」
俺が声をかけるとレレは片目で此方を見る。
「食べづらい。」
「き、気にしないで食べなさいよ!」
「なんだよさっきから・・・。」
「レレさん。」
「な、何?」
「やります?」
ルタがスプーンをレレに向ける。
「え!」
レレは急に顔をパッと此方に向ける。
「あ、いやその・・・。」
が直ぐに視線を反らす。
「別にどっちだろうがやらねぇぞ。今日一日休んだから腕くらい動かせるっての・・・・・・ん?」
手に違和感が・・・。
「うおぉいッ!!! なんの真似だこれはッ!!」
なんと俺の手が後ろのベッドの骨組みに縛り付けられていた。
「ルタッ! てめッ! いつの間にやりやがったッ!!」
「ふっふっふ、お兄ちゃん? 怪我人なんだから大人しくしとかないと駄目じゃない!」
「ふざけてんじゃねぇ! 裁判長! ルタの奴また悪ふざけしてまーすッ!!」
「意義あり! 先に看病拒んで条約違反したのはお兄ちゃんでーすッ!!」
「え、その・・・!」
急に話を振られて戸惑うレレ。
「自分で出来ることまで看病求めてねぇ!」
「今出来ないでしょー?」
「お前が出来なくしたんだろうが! もうアッタマきた! こうなったらもう食わねぇ!!」
「えー、折角レレさんも作ってくれたのにー。」
「誰が作ったって一緒だ! 食わねぇ! 絶対食わねぇぞ!」
「・・・ッ!」
「ひどーい! うわーん! お兄ちゃんの鬼畜ー! ドSー!」
「やかましいッ!! わざとらしくウソ泣きするな腹立つッ!!」
「誰が作ったって・・・一緒・・・?」
「「え?」」
レレがゆらりと立ち上がる。
「レレ・・・?」
俺の呼び掛けにもお構い無しにレレはベッドに片足を乗り上げ、俺の目と鼻の先まで顔を近づける。
その顔は満面の笑み・・・いや、明らかに仮面でも着けてんじゃねぇかってくらいの作り笑いだ。
「ウ~ル~ド♪」
「え、あ、はい。」
取り合えず返事を返す。
「今から私の言葉を復唱しようか♪」
「復唱?」
「『怪我人は、絶対安静』♪」
「いやだから、自分で出来ることはッ!?」
反論しようとすると突然レレに片手で胸倉を掴まれる。
「『怪我人は、絶対安静』♪」
ほぼゼロ距離でその笑顔の仮面を見せるレレ。
「・・・『怪我人は、絶対安静』。」
つい気圧されて復唱する。
だって仕方ないじゃん?
怖いもん!!
「じゃあ今あんたがするべきこと・・・。」
レレはスプーンでスープを掬う。
「分かるよね♪」
そんで俺の口の前に持ってくる。
「いや、だから・・・。」
「わ・か・る・よ・ね♪」
「い、イエス・・・。」
レレに更に気圧されてつい思ってもない言葉で返事をする。
「ならつべこべ言わずにさっさと食べろぉ!!」
「ぶぐぅっ!?」
鬼の形相に変わったレレはスプーンを俺の口に無理矢理突っ込む。
かなり深く突っ込まれたので一瞬吐きそうだった。
だがレレからの謎の制裁はこれでは終わらない。
「ほら次はパンッ!! サラダッ!! 魚ッ!!!」
次々に料理を口に突っ込まれる。
「ちょ! もがっ! そんなに、むぐッ!! 一気に、はぐッ!! 入らない・・・てかこの魚、ちょっとコゲて・・・!」
「五月蝿い黙って食えぇ!!」
―――数分後。
「・・・。」
俺は白目を向いたままベッドに横たわっていた。
「ふぅ・・・。」
レレは一息つくと立ち上がる。
「さてと、気が済ん・・・コホン、ご飯も食べさせたし私帰るね!」
おい今なんて言おうとした?
「今日はありがとうございます。」
「良いって良いって! それよりもウルドの事、ちゃんと看てあげてね?」
「はい♪」
なんか良いことしたみたいな会話だけど違うからな?
いつから『看病』って字は『看病』って読むようになったんだ?
「ウルド! 妹さんあまり困らせちゃ駄目だからね?」
「・・・はい。」
最早逆らう気力もなかった。
理不尽過ぎて涙が出るぜ・・・!
「じゃ! お大事に!」
レレは足早に去っていった。
「・・・凄い人だったね。」
「俺なんかよりアイツの方がよっぽど鬼畜だろ。」
「うん、お兄ちゃんあの人と付き合ったら絶対尻に敷かれるね。」
「うるせぇ、ってかなんで付き合う話になるんだよ。」
「さぁてね♪ それよりも・・・。」
「ん? あぁ・・・。」
ルタが急に真面目な顔になって話を察する。
お互い充分な休息を取って万全だ。
ならやることは決まっている。
「お兄ちゃん色々知りたがってたもんね、何から話そうか。」
「お前の真の目的だ。」
ルタが問いを投げたが二つ返事で返す。
「・・・迷いがないね。」
「当然だろ、急に現れた霧魔の狂戦士、それに対して迅速に俺を助けたお前。まるで奴が俺を狙って現れることを分かってたみたいじゃないか。」
「うん、大体お兄ちゃんの読み通りだよ。」
「お前の目的はなんだ? いや、お前は一体何と戦ってるんだ?」
「・・・『魔王を生み出す存在』、って言ったら分かるかな?」
「魔王を生み出す・・・?」
「そう、私達は『原初の悪魔』って呼んでる存在なんだよね。」
「原初の悪魔・・・それが魔王を生み出す?」
「うん。いや、でも『生み出す』って言うよりは『作り替える』って方が正しいかな?」
「作り替える・・・つまり・・・。」
生み出す訳じゃなく作り替える・・・ってことは。
「『零から魔王を生み出す』訳じゃなく、『元からある別の物を魔王に作り替える』・・・?」
「正解!」
「で、作り替える元ってのは?」
「ん。」
ルタは俺を指さす。
「・・・え?」
「ん。」
困惑する俺にもおかまいなしにルタは俺を指さして来る。
「俺!? なんでだよ!!」
「お兄ちゃんが魔王倒したから。」
「それだけで!?」
「それだけの事したんだよ! 原初の悪魔は人間に乗り移って魔王にするけどただの人間には乗り移らない、強い人間に乗り移るんだよ。」
「それが・・・俺?」
「そ、魔王が倒された時、魔王が見た一番強い人間・・・それは勿論・・・。」
「・・・『自分を倒した人間』か。」
「そゆこと! つまり、お兄ちゃんは『次の魔王候補』って訳。」
「冗談じゃねぇ! こっちは魔王になんかなるつもりもないのに勝手に話を進めやがって・・・!」
「そうそう! で、そんな原初の悪魔の身勝手をさせない為に、私が来たって訳なのだ!」
言いながらルタは誇らしげに腕輪を見せる。
「・・・で、その為のこの腕輪? これ一体なんなんだ?」
俺も自分に着けている方の腕輪を見ながら聞く。
「『感応器』・・・私達はそう呼んでるけど、正式名は『親愛なる絆の証』。聖堂教会が作った特注品の腕輪だよ。」
「聖堂教会・・・!」
「そ、かつて聖女がいた場所。」
「セレスが・・・。」
「湿っぽい話は今は無し無し! で、この腕輪は奴等がお兄ちゃんを魔王にするために精神を壊そうと侵入してくるのを防いでくれる優れ物なのだ!」
「・・・。」
あの時のアレか。
「でもこれがまた厄介でね、特定の条件を満たさないと効果を発揮してくれないのよ。」
「特定の条件?」
たしかあの時、ルタの指示に従って抱きしめて・・・。
「・・・まさか。」
「ん?」
「まさかこの『妹ごっこ』に関係してる・・・とか言わないよな?」
「ごっこなんて酷いなお兄ちゃん! でもま、そんな感じ!」
「・・・。」
俺は黙って右手で顔を覆い、俯く。
自分で聞いておいてアレだが後悔する。
「対になる腕輪を着けた二人がお互いに『特定の愛情』を持ってないと発動しないの!」
「特定の愛情・・・。」
「うん、『友達』とか、『仲間』とかじゃ駄目なの。」
「駄目か。」
「うん! 多分愛情の念の種類が違うからだろうね、で、当てはまるのが『家族』とか『恋人』なんだよね!」
「・・・で、『妹』?」
「それが一番手っ取り早いの! じゃあ聞くけどお兄ちゃん、見ず知らずの女の子がいきなり『好きです付き合って下さい!』って言って付き合う?」
「・・・俺は付き合わないけど、それで付き合う奴もいるだろ。」
「うん、でも確実じゃないよね!」
「まぁ、うん、そうだな。でもあのやり方もどうかと思うぞ・・・?」
そう、今でも鮮明に覚えている。
俺が誰もいないと思って帰った家でいきなり飯を作って出迎えて来たあの時の事は。
「あれでも気を使ったんだよ?」
「あれで?」
「お兄ちゃんの事は事前に調べてたからね、だから恋人になるって言うのはナシにしたの!」
「・・・。」
「・・・あ、ごめん。」
「いや、いいんだ。」
セレスの事を思い出して黙り込んだ俺を気遣ってか、ルタは謝る。
まぁ、話の流れの都合上、言わないといけないってのは分かるからこいつは悪くない。
「で、残った選択肢がご存じ妹って訳なのさ!」
「つまり俺はシスコンにならなきゃいつでも魔王になる準備が出来ちゃう訳だ。」
「そゆこと! だから遠慮なくこの妹に甘えて良いんだよお兄ちゃん?」
「・・・ふざけんなよ?」
「ふぇ?」
「ッ!」
急に起き上がってルタの肩を掴み、向き合わせる。
まだ身体は痛むがそんなのは関係ない。
「なんであの時言わなかったッ! なんで最初から説明しないッ!」
そう、俺がムカつくのはそこだ。
説明の機会はいくらでもあった。
最初に会って俺に説明した事だって魔王なんて関係ない、ただ俺が魔王並にヤバいから監視するとかいい加減な説明だ。
「・・・。」
ルタは薄目で薄ら笑みを浮かべる。
「・・・いきなり押し掛けて腕輪を渡し、『魔王にしようとする奴がいるから着けて』なんて言われて貴方・・・信じます?」
「ぐっ・・・!」
確かにそうだ。
実際に見るまでにそんな事言われたら、ホラ話と思って聞き流す可能性は否定できない。
何も言えない俺を見て心中を察したのか、ルタは呆れ気味に目を閉じて溜め息をつき、俺の手を振りほどく。
「それにあの時話した事も本当です、各国はプロテアの王が貴方を取り込むことを失敗した時、我が我がと貴方を管理することを主張している始末・・・まぁ最も、そう言った連中は魔王の事情までは知らず、貴方の驚異に託つけてただ武力獲得の事しか考えてないですけどね。」
「どいつもこいつも勝手ばかり・・・俺はただ全部忘れて静かに暮らしたいだけなのに!」
「そう・・・。」
「・・・!」
ルタは俺を抱き締める。
「貴方はそれで良かったんです。国の勝手を貴方に押し付けるなんて烏滸がましい事です。」
「・・・。」
「貴方はあの戦いで大事な物を奪われた。これ以上、貴方の周りを騒がせるのは、身勝手ですよね。」
「・・・知った風な口を聞くな。」
「知ってます・・・貴方がどれだけ仲間想いなのかも・・・王が騎士団の仕事を断られて代わりの報酬を聞いたとき、貴方が求めた報酬・・・。」
「・・・。」
覚えている。
みんなの事を考えれば当然だ。
「『仲間の墓を作って欲しい』、他に望めばいくらでも手に入ったのに貴方はそう願った。」
「・・・それがどうした、そんなの当たり前だろ。」
そうだ。
富も名声も、仲間のいない俺には必要ない。
いや、寧ろ欲しくない。
仲間が犠牲になった上でそんなものを手に入れたら、まるで仲間を生贄にして金や名誉を手に入れたみたいだったからだ。
英雄の名だってそうだ。
俺にとって『英雄』の名は『疫病神』の烙印と変わらないからだ。
あの時の仲間だけじゃない。
それ以前に自分と関わった人間を何人も死なせている。
そんな自分に耐えられるわけもなく、俺は『英雄』とか言うくそったれな称号と共に『アルト』の名を捨てた。
「貴方の仲間も、きっと貴方のしてくれた事を喜んでくれています。」
「だから知った風な口を聞くなッ!」
「ッ!」
振りほどこうとするがルタは俺の服を握って抵抗する。
万全の俺なら振りほどけたかも知れないが今は腕が痛くて引き剥がせない。
「さっきレレさんから聞きました。この街に来た貴方の事を・・・。」
「!」
「居場所も仇も失って脱け殻になった貴方を、この街の時間が癒した・・・だからこの街での暮らしがどれだけ貴方にとって大事なのかも分かります。」
「それがどうした・・・お前らには関係
「ごめんなさい。」
「・・・は?」
なんだこいつ?
謝った?
「貴方の静かな時間を乱したこと・・・貴方の過去を引っ掻き回したこと・・・ごめんなさい。」
「・・・。」
なんだよ。
なんだよこれ・・・!
「なんでだよ・・・。」
「・・・。」
「なんでお前が全部謝るッ!」
ルタを引き剥がす。
「ああそりゃお前も俺にやってくれたなッ!! 胸くそ悪い事思い出させやがったなッ!! その上で理不尽にこんな妹ごっこ強制しやがってなッ!!」
「はい。」
「けど国だ魔王だ云々はお前がやってる事じゃないだろッ!! なんでお前が謝るッ!!」
「・・・私以外謝る人がいると思いますか?」
「だからってお前が代わりに謝るなッ!!」
「・・・じゃあどうすれば良いんですか?」
「何もしなくていいッ!! 魔王にしようとしてる奴がいるならぶっ潰すッ!! 俺を利用しようとか考えるクソな王様共にはベロ出して言ってやるッ!! 『誰が付き従うか』ってな!!」
「・・・!」
ルタは呆気に取られたかの様に目を見開いて固まっていた。
「・・・なんだよ。」
「いえ、魔王の件は分かりますけど・・・王族にそんな事、本気でする気ですか?」
「当たり前だろ!! そいつらも俺の身の周りを引っ掻き回そうとしてる時点で原初の悪魔だかなんだか知らんがそいつと同罪だ!! しかも私利私欲って時点で余計にタチが悪いッ!!」
「・・・。」
「なんだよ、何黙り込んで・・・。」
「ふふ。」
ルタは何故か噴出したかのように笑う。
「今度はなんだ。」
「おかしな人ですね貴方。あんな事言った私を庇うとか、普通有り得ませんよ?」
「勘違いすんな、お前のやったことは勿論許せないけど全部お前に謝らせて能々と生きてる奴等が気に入らないだけだ。」
「怒りに身を任せるかと思ったら意外と冷静なんですね。」
「・・・曲がった事が嫌いなだけだ。」
「ふふ、あはははは!!」
ルタは堪えきれなかったかのように笑い出す。
「笑うなよ!」
「仕方無いですよ! だって貴方面白いですから!」
「悪かったな。」
「それにそう言うさりげなく優しい所・・・好きですよ?」
「は?」
「エヘヘ♪」
「わ、ちょ・・・!」
ルタは無邪気に笑うとまた俺に抱きつく。
「これからも妹で居させてね! お兄ちゃん♪」
またいつもの妹モードに戻っていた。
「ったく・・・シスコンになれっていきなりなれるかっての。」
「んふふ、お兄ちゃん? 嘘はいかんぜよ~?」
「あ?」
ルタは俺から離れるとまた腕輪を見せる。
「この腕輪の事は知ってるよね?」
「ああ、さっき聞いた。」
「で、この腕輪が上手く働いた訳だから・・・。」
「・・・ッ!」
まさか・・・!
「フフン、お兄ちゃんが私の事好きかどうかなんて、この腕輪着けてたら分かるんだからね!」
「だあぁッ!! やっぱこの腕輪外すッ!!」
「ダメだって! 魔王になっちゃうよ!?」
「ちきしょぉ!」
最悪だッ!!
完全に嘘発見器じゃねぇかこれッ!!
「それと・・・。」
「!?」
ルタはいきなり近づいて顔も数センチ先まで近づけてきた。
「これから先やること・・・分かるよね?」
「・・・。」
まぁ、仕方無いか。