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高等部3年Cクラス 金田 まひる(かねだ まひる)


「くっそっ!人数がたりねぇぞ!」


前線に立っていた国連軍の一部が崩れたらしいからそこの補助に回って欲しいなんて指示を受けて来てみれば、崩れたのは一部だけじゃなかった。


偵察からの報告では、結構な数の魔物がこっちに向かってきているようだ。


「おいっ、葉子!応援はどうなってる!?」


「支援要請はすでに終えてます!とはいえ、到着まで今しばらく時間がかかるかと」


御手洗葉子みたらい ようこに聞けば、すぐに返事が来る。


が、状況は想像以上に悪いようだ。


「取りあえず、個々の戦闘能力が高いやつはそれぞれで動いてもらう。それ以外は、2~3人でまとまって行動しろ」


その言葉に、クラスメイトがうなずく。


「いいか、最終防衛ラインは学園だ。こんなところで無理する必要はない。やばいと思ったらすぐに引き返せ。いいな?よし、それじゃあ全員行動に移れ」


それぞれが動き始めるのを確認して、自分も準備を始める。


「"アレ"の存在は確認できていないんだよな?」


それは、二週間前に街中へ急に現れた魔物だ。


あれのせいで何人か死んじまったが、こんなとこで出くわしたくはない。


「えぇ、報告では来ていませんが」


葉子も当時を思い出してか渋い顔をしている。


急に現れて、急にいなくなった。


「"天災級"どころじゃなさそうな奴なんて、命がいくつあっても足りないからほんとに助かるわ」


思わず溜め息がこぼれる。


「そうですね………」


自分で見たわけじゃない。


けど、報告だけ聞けば、それで十分な化け物だって解る。


それがここにいないなら、状況はまだマシなほうだろう。


とはいえ、次に現れるのがいつになるか分らないから、心配しない方がおかしいんだが。


「葉子、お前は後方支援な?」


こいつは戦闘に向いてないからしょうがない。


「そのかわり、全員がここを切り抜けられるようにしっかり目を光らせとけよ?」


「えぇ、分かってます。まひるも、下手に敵に突っ込んでいかないように注意しておいてください」


よし、目はまだ死んじゃいないな。


「まかせろ、敵に突っ込むのは私の十八番だ」


そう言ってニヤッと笑うと、葉子が呆れ顔になる。


気合を入れるために手を叩けば、パンッといい音が鳴る。


「それじゃっ、魔物退治と洒落込みますかな」


「はいっ!」



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