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マリーとハズミとマミヤは今、ソウマの頼みで別次元に飛んでいる。
こちらとは時間の流れが違う為、戻って来るのに時間がかかるらしい。
「最低でも三日は動いてほしくはないな」
「そうですね」
「しかし…女性の顔なんぞ剥いで、何の得があるんだ?」
「さあ…。しかも見た目の良く、何かしらの特別な方ばかり選ばれる理由も分かりませんね」
「…ある意味、ヒミカにピッタリだな」
「マカ、まさかヒミカを囮に?」
「さぁな?」
飄々と肩を竦めるマカを見て、ソウマは複雑な表情をした。
「ヒミカは確かに血・肉を食すれば、身体能力は上がります。そのことを彼女は嫌がっているんですよ?」
「その為にキシも巻き込んだ。ヒミカを苦しめることは、アイツは絶対させないだろう?」
「キシは確かに優秀ですが…。荒いやり方ですね」
「残念だが同属が関わらないことには、分からないことが多過ぎるんだ。手探り状態もいいところ。早く終わらせるには、多少なりと強引な手を使うしかあるまい」
「そうですか。無事に済むことを祈りましょう」
ソウマはため息を吐いた。
マカは足を組み、両手を組んで顎を乗せた。
見た目の良い女性、そして才能を持つ女性を狙う連続顔剥ぎ殺人事件。
挙げ句には、殺された女性達の魂はいずこかへと消えてしまった。
次の輪廻へは回れず、どこかに回収されてしまったのか、それとも…すでに消滅しているのか。
どちらにしろ、厄介な事件であることには変わらない。
マカは深く息を吸い、吐いた。