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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第六章
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神代の戦い 2

今日の更新分の一話目です。もう一話今日中にアップしたいと思います。

たぶん夜になると思います。


「……そう来るのか」


 少年は僕の方を見た。いや違う。僕の後ろを見ている。


 僕の後ろから、僕の耳に心地よい歌声が響いてきた。


 プレッシャーで身動き取れなかった僕の体をやさしくほぐしていく、そんな歌声。


 僕は後ろを振り向いた。


 そこには両手を広げ、宙に浮かびながら歌を歌っているアンリがいた。


 その体は光り輝き、あたりを照らしている。


 少年は呻いた。


「こんなところでまで邪魔をするか。女神ラマスティフィーよ」 


 アンリの声が頭の中に聞こえてきた。


――――みなさん、私が彼の力を押さえます。私がこの世界に居れる時間は限られています。その短い時間の中で彼を倒すのです。


 邪神ゾルグ=ゾルグを!


「ふん。多少力が出なくとも何も問題はないわ。ドラゴンも最上位種ではないではないか。どれ、少し揉んでやるか。出でよ、わが魔剣、“魔刻”よ」

 

 邪神の前に漆黒の抜き身の剣が現れた。


 右手に持ち、だらりとその手を下げる。


 まず、マリーナとラフェが動いた。


 先ほどと同じように挟み込むように、炎のブレスと白い炎のブレスを吐く。


 邪神が動いた。


 速い!


 正面に走ることにより、両方のブレスを避け、マリーナに斬り付ける。


 マリーナは片手で防ぐも、ざっくりと腕を斬られ、赤い血がしぶきをあげる。


 そのままラフェに駆け寄り、下段からラフェに向かい斬り上げる。


 が、そこに飛び込んだ姉さまにより、斬撃は防がれる。


 邪神の黒剣と打ちあう事、一合、二合、三合目で姉さまの剣が跳ね上げられ、上段から黒剣に切られそうになる所を、僕が飛び込み闘気剣を交差して防御する。


 防御した瞬間に邪神により蹴り飛ばされ吹き飛ばされる。 


 強い!


 僕は空中で一回転し、背中の羽をはためかせ静止する。


「にゃああああああああ!!!」


 その隙に駆け寄ったミオが全身を闘気で分身させながら邪神に肉薄する!


「ほう、面白い攻撃をするな」


 邪神はミオと打ち合う。


 リンクでリヨンが、


『私は攻撃では役に立ちそうもない。アンリの護衛に向かいます』


 確かにリヨンでは辛いだろう。いい判断だ。


『ミオ、後ろに飛んで!』


“聖光星剣”(ギャラクシーソード)!!!


 僕と姉さまの同時の攻撃が、ミオが後ろに飛んだ瞬間に邪神へと向かう。

  

 邪神は二発のギャラクシーソードを黒剣の二振りだけで消滅させてしまう。


 そのままミオに向かい、上段から斬り付けると見せかけ、蹴りを放ちミオを蹴り飛ばす!


 だめだ、大魔王と違い隙が全く無い。


 これで力を押さえられているなんて信じられない。さすがは神と呼ばれるだけはある。


 僕らが攻めあぐねていると、


「フッ。こんなもので終わりか? せっかくこの世界に降りたのだ、もっともっと楽しませてくれよ」


 皆が攻めあぐねて攻撃の手がいったん止まってしまっている。


 僕は無言でラフェを見る。ラフェは僕と視線を合わせると頷いた。


 ラフェが両手に雷を宿し、邪神に攻撃を仕掛ける。



 それと同時に僕は呪文を唱える。



 これが僕の思いつく最後の切り札だ。



 高らかに唱える。



「我オルターは召喚する。世の理と竜の盟約に従い、古竜ウリシュナよ私の前に出でよ!!」



 僕の前に展開した巨大な魔法陣から、轟く咆哮と共にその竜は姿を現した。



 

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