神代の戦い
今回は短いです。
代わりに明日は2回更新しようと思います。
姉さまの一撃をすべての腕に闘気を纏わせ耐える大魔王だが、光の奔流に徐々に押し込まれていく。
支えながらも大魔王が膝をつく。
「はあああああぁぁぁあっ!!!」
姉さまが気合を込め、光の奔流を地面まで押し切った!
「ぐおおおぉおおぉおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……」
大魔王の絶叫があたりに響く。
地面に当たった光の柱があたり一帯に荒れ狂い視覚を奪う。
ああ、この光は姉さまだ。
厳しくも温かい、姉さまの光だ。
光は徐々に治まっていき、視界が晴れていく。
大魔王は倒れていた。
そして大魔王の右半身は消えていた。
再生する気配もない。
それでもまだうごめいていた。
何かをぶつぶつと言っている。
耳を澄ませてもほとんど聞こえない。
……の意志に……神……の身を……捧……うぞ……さい……
その瞬間大魔王の魔力が膨れ上がった。
倒れたまま体が宙に浮きあがっていく。
「……なに? まだ何かあるの?」
姉さまは剣を支えにしてやっと立ってる状態だ。
どこからか声が聞こえた。
――――よくぞ我が名を呼んだ。その体、心、我がもらい受ける。
黒い奔流が起きた。
天から降ってきた黒い奔流が大魔王を包み込む。
姉さんが呟いた。
「……何が起きてるの」
ミオが言う。
「良くない何かが起ころうとしてるにゃ」
ラフェが炎のブレスを黒い球体になった大魔王に喰らわせるが、何も影響を与えなかった。
黒い球体が動いた。
黒い奔流が一瞬広がると、中心部へ向かい収束していく。
黒い奔流がはれた後に人がいた。
少年だ。
十四、五ぐらいの青い体に黒い髪の少年が、地面にとん、と降り立った。
怖い。
僕はその少年がすごく怖かった。
魂を鷲掴みにされたような恐怖を感じている。
ミオもそうなのか、額から汗を流している。
だけどその存在から目を離すことが出来ない。
「ふむ。肉が足りなかったか。こんな姿になってしまったか」
その少年は手を握ったり開いたり、体の調子を確かめているようだ。
マリーナが呻く。
「邪神か……」
邪神だって!?
男がマリーナの方を向いて答えた。
「ふん。邪神とはお前たちが勝手に付けた名よ。ひかえよ。神の前で頭が高いぞ」
瞬間、全員に大魔王の比ではないプレッシャーが襲い、皆膝をついた。
僕は理解した。
理解してしまった。
今、この瞬間に神代の神が一柱復活してしまったということを。




