表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第六章
97/379

vs大魔王 7

遅くなって申し訳ないです。

3日の分です。


 視界が晴れた僕の目に最初に飛び込んできたのは、ハルバードに盾ごと貫かれたロミだった。


 「ロミ!」


 ロミはハルバードを掴み、口の端から血を出しながらも抜けないように柄を握りしめている。


 大魔王が抜こうとしても、ロミは離さない。さすがは半巨人族だ。力では大魔王に負けていないのか。


 ロミだけではない。


 後衛の皆が倒れ伏していた。


 アンリ、セラフィ、カレン、シズカ、ミランダが血だまりに倒れていた。


 セラフィとカレンは、おそらく即死だ。


 肩口から戦斧を食らったのだろう。見たくない現実がそこにはあった。


 アンリは仰向けに倒れている。


 離れたところに居たリヨンとミモザは無事だ。


 僕ははやる気持ちを抑え、ラフェとミオと姉さまにディスペルマジックを掛ける。


『ミオ、ラフェ、姉さま! 大魔王を押さえてくれ!』


 掛けた瞬間に竜化を解き、超級の回復魔法を唱えながらアンリに駆け寄る。


 回復魔力の白い光がアンリに吸い込まれるように消えていく。


 よかった。まだ息はある。


 死んでしまっていると光を受け付けないはずだ。


「アンリ、大丈夫か?」


 僕は回復魔法を掛け続ける。

 

 アンリが目を開けると小さく頷いた。そして視線で他の者にも回復魔法を掛けるようにと合図する。


 僕は頷き、アンリを置いてシズカとミランダに回復魔法を掛けようと駆け寄る。


 っ! 


 駄目だ。


 ミランダはもう手遅れだ。


 回復魔法を受け付けない。


 僕は絶望を感じながらも、そのままシズカに回復魔法を掛ける。


 シズカは一番傷が浅い。わき腹をえぐられているが、超級の回復魔法で傷が塞がっていく。


 大魔王め……やってくれたな……。


 走りこんできたミオと姉さまが前と後ろから大魔王に襲い掛かった。


 大魔王はハルバードを手放し、応戦する。


 ハルバードはそのまま黒い塵となって消滅した。


 ロミはそのまま崩れ落ちた。


 僕はロミに近づいて、回復魔法を掛ける。  


 ミオが本気だ。


 本気で怒っている。


 激怒だ。


 “幻影攻撃”(ミラージュアタック)


 ミオの体が二重三重にブレながら大魔王を傷つけていく。


 姉さまも激怒している。


『一瞬フォローをお願いします』


 ミオが答える。


『わかったにゃ!』


 姉さまがミオの後ろに回り込む。


 そこへ自分でディスペルマジックで暗闇を解いたラフェとマリーナが大魔王に殴りかかる。


 

 姉さまは集中し、剣に力を籠め始めた。



 大上段に構えた姉さまの剣が光の柱となって天へと轟く。



「な、なんだそれはっ!」



 大魔王が呻く。



「私のすべてを込めて! 大魔王よ、この一撃を食らうがいい!」



 姉さまが光の柱を大魔王へと振り下ろした!





“勇者の一撃”(ブレイブソード)!!!」




 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ